38歳の東郷誠一郎は、15年間の特殊部隊での任務を終え、一般社会への復帰を目指していた。訓練と実戦の日々から解放され、静かな日常を求めて小さな町に身を隠すつもりだった。しかし、その決断は許されない運命にあった。 復帰から3ヶ月目、東郷が営む小さな警備会社の事務所に、一人の依頼人が現れる。かつての特殊部隊の同僚・矢崎。彼はある大手建設企業の重役から、身辺警護の仕事をしてくれないかと依頼を受けていたのだ。報酬は破格。東郷は断ろうとしたが、その重役の名前を聞いた瞬間、過去が呼び覚まされた。深山建設・会長代理の深山郁夫。12年前、中東での極秘任務で、仲間の兵士が死亡する直前に見た顔。その時、部隊が阻止すべき何かが完成してしまった。上層部の命令で、その真実は隠蔽された。 矛盾と疑念に駆られながらも、東郷は依頼を受ける。深山の護衛という名目で、彼の周辺に潜む真実を探るためだ。同時に、東郎は自分の過去を知る者たちに次々と接触される。現役の特殊部隊から派遣された聡明な女性捜査官・神野美咲は、深山建設を追う裏捜査の存在を示唆する。かつての部隊長・横田は、東郷に関わるな。それが誰のためでもあると警告す