魔界を支配する魔王シャドウイズは、圧倒的な力を誇っていた。しかし彼の最大の苦悩は、たった一つの耐え難い現実だった――部下たちがあまりにも無能すぎて、世界征服が全く進まないこと。 右腕のヴァイパーはかつて英雄を狩ったドラゴンタイプだが、最近はコーヒーに夢中で毎朝の会議に遅刻ばかり。ウサ耳メイドで有望な幹部候補のミラ・ルミエールは書類仕事が得意なはずなのに、毎日誤発注を繰り返す。新入りの魔法の天才フェイムは、優しすぎて敵陣を襲撃しながらも恐縮して頭を下げてしまう。 そんなある日、人間界の名高き騎士団長クレイトン・ヴァーネルが魔王城に現れる。シャドウイズはついに最終決戦が始まると思いきや、クレイトンは求人票を手にしていた。「幹部候補募集」の面接に来たというのだ。高待遇に惹かれての転職希望で、前の職場は「完全にブラック」だったらしい。 「あなたは…敵じゃないのか?」 「待遇を見ると、むしろそちらで働きたいですね」 こうして敵の騎士団長までもがシャドウイズの部下となり、混沌は加速する。日々の生活は書類作成、スタッフ教育、予算管理、交渉の連続で――世界征服どころではない。 一方、古くから