超常現象研究者の青葉優一は、十五年前に閉鎖された廃精神科病院「旧医療法人ラピス」の調査に訪れる。地元住民は夜間に近づくなと警告し、公式記録では老朽化による閉鎖とされているが、青葉が集めた資料はその裏に潜む暗い真実を示していた。行方不明の患者、不可解な死、そして病院長の怪しい移転――すべてが意図的に隠蔽された何かを物語っている。 初夜の調査で、青葉の録音機は明確な人間の声を捉える。異なる時代や感情を帯びた複数の声たち。復讐を求める怨霊ではなく、必死の訴えをする魂たちだった。超常現象が次々と起こる中、青葉はすべての幽霊に共通する糸口を見つける――彼らはこの壁の中で何かを奪われていたのだ。 欠落した患者記録、破壊された治療ファイル、そして病院の壁に無数に刻まれた引っかき傷――絶望の中に残された患者たちの証拠。現地調査のために雇われた実務的な助手、南条怜奈と共に、青葉は「廃病院に棲む声」たちが残した“証言”を辿っていく。 彼らは死の前に何を経験したのか?なぜこの病院に縛られているのか?最も謎めいているのは、院長室地下から響く最も古い声で、他の声よりも強い執着を示し、まるで青葉の調査を特定