夜
夜空
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深夜、少女が一人で山道を走っていた。 灯華、15歳。生まれながらに陰陽師の才能を持つ少女――霊を操る魔術師。しかしその才能は決して彼女自身のものではなかった。祖父母に奪われ、幼い頃からずっと道具のように使われてきたのだ。靴は破れ、手は血だらけ。それでも彼女は走り続けた。決して戻りたくなかった。 山奥にひっそりと佇む古い家があった。灯華はその玄関先で倒れこんだ。 家の主は妖怪の夜空――長い黒髪と穏やかで静かな瞳を持つ26歳の女性の姿をした山の守り神だった。最初、彼女は侵入者を冷たく見つめていた。しかし灯華の壊れた様子を見て、黙って家の中へと招き入れた。 翌朝、灯華が目を覚ますと、温かい食事と柔らかな布団が用意されていた。誰かに優しくされたのは初めてのことだった。理由もわからず、彼女は涙を流した。 灯華は夜空に弟子入りを願い出た。だが夜空は断った。「心が壊れている。何かを学ぶ前に、まず自分自身を取り戻しなさい」と。 その言葉は痛かった。しかし灯華にとって初めての本当の希望でもあった。 灯華が過去を語るのを夜空は静かに聞いた――終わりなき労働、休みのなさ、褒められたことのない日
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