堕ちた王者の贖罪戦
かつて大陸を支配していた魔王セリオン・ヴェルナンスは、聖騎士団率いる勇者に敗れ、魔力を封じられた。34歳となった今、彼は辺境の廃墟の街で沈黙の日々を送っていた。だが、かつての盟友が密かに仕掛けた魔力回復の秘儀により、セリオンの力は徐々に戻り始める。
一方、勇者が倒したはずの魔王は死んでおらず、逆に王国の権力をすべて奪っていた。勇者は英雄として祀られ、現国王として君臨し、かつての秩序は完全に腐敗した圧制へと堕ちていた。税は苛烈になり、奴隷制度は復活し、異種族は虐げられている。かつての敵国だった辺境諸国も、この王国の侵略に脅かされていた。
セリオンは決意する。復讐ではなく——この腐った世界を、その手で焼き払うために。回復した魔力を秘密裏に磨きながら、セリオンは四散した旧部下たちと密かに再結集する。冷徹な軍師シルヴァ、正義感に燃える獣人の戦士グレイス、王国の内情に精通した元侍女ユーリア。彼らは己たちの理由で、セリオンのもとに集う。
序盤、セリオンらは王国の圧政に苦しむ民間勢力と接触を図る。秘密結社鉄錆の街コロナードとして身を隠しながら、彼らは王国領内の不正を暴露し、民衆の不満に火をつけ