ア
アイオリア
1話 100pt
聖戦の傷も癒えぬまま、星矢は崩れかけた聖域の復興作業に身を投じていた。英雄と呼ばれることに居心地の悪さを感じながら、それでも体を動かさずにはいられない。向かう先は、いつも決まっている——カシオスの墓だ。シャイナを想い、星矢を守って命を散らした男の、簡素な石の墓標。そこに立つたび、最期の言葉が胸に重くのしかかる。「シャイナを……頼む」。その意味を、星矢はまだ答えられずにいる。やがて明かされる、アイオリアが自らの手で墓を建てたという事実。そして、カシオスの実兄ドクラテスが、弟の死の真相を求めて聖域に忍び込んでいた——。喪失と罪悪感、告げられない想い、すれ違う視線。戦いの後に残された静かな痛みを、星矢はどう抱えて生きていくのか。ヒーローの物語の、その先を描くヒューマンドラマ。