楠木 真帆
あらすじ・世界観のみ
不破蓮は学校一の問題児――脱色した髪にしわくちゃの制服、その姿は新入生を震え上がらせる。でも彼は実際には意地悪じゃない。ただ怖く見えるだけ。それだけのことだ。 同じクラスには、学校の触れられないプリンセス、白鳥茉白がいる。優雅で賢く、いつも完璧。男子はみな彼女に憧れ、女子はみな彼女になりたがる。彼女は誰からも程よい距離を保ち、磨き抜かれた手の届かない存在だ。 ある土曜の朝、蓮は友人にお菓子を届けに建設現場へ向かう。金属の鳴る音や作業員の掛け声の中、彼は鋼鉄の梁を運びながら年配の労働者たちと笑う誰かを見つける。ヘルメットが後ろにずれると、その顔が見えた。茉白だった。 「…まさか。」 彼は完全に呆然とした。学校のプリンセスが埃まみれで、満面の笑みを浮かべている。学校で見た中で一番生き生きしているように見えた。 ゆっくりと、ぎこちなく、二人は距離を縮めていく。茉白の秘密――家計は苦しく、彼女は一年以上も週末に建設現場で働いていた。学校では完璧なプリンセスを演じて誰にも心配をかけないようにしている。でも本当は、機械やチームワーク、何かを作り上げる生の満足感が大好きだった。ただそれを言
あらすじ・世界観のみ