瀬戸優衣(セト ユイ)、システムエンジニアは、三日間の過酷な連続勤務の末に倒れてしまう。目を覚ますと、そこは病院ではなく、見知らぬ世界の朽ち果てた小屋だった。 周囲を見渡すと、信じられない光景が広がっていた。踊る炎、流れる水、吠える風――すべてがプログラミング言語のように見える。Java。Python。コード。 試行錯誤を繰り返しながら、優衣はこの世界の魔法を「デバッグ」し始める。炎は彼女の意志に従い、水は命令通りに流れ、風は彼女の呼吸と同期する。村人たちはやがて彼女を恐れ、「魔女」と囁くようになる。 女王に派遣された第一王子ラトハリス・オルディナが軍勢を率いて彼女を排除しにやって来ると、優衣にはただ暗闇が見えた。しかし、世界そのものが震え始める。 大地は裂け、空は歪み、古代からの理解を超えた黒い光が世界を飲み込もうとしていた。彼らはそれを「黒の王」と呼ぶ――記憶よりも古い災厄。王子の剣も、優衣の炎も、その前では無力だった。 王子と魔女は目を合わせる。生き残る道は協力しかないと、互いに理解したのだ。 傲慢な王子と孤高のプログラマー。二人は不安定な同盟を結び、戦いの渦中へと駆