椎堂朔月
あらすじ・世界観のみ
和菓子、SNSで花開く—老舗季の庭の逆転劇 九十年の歴史を誇る老舗和菓子店、季の庭は閉店の危機に瀕していた。客足は減り続け、売り上げも年々落ち込んでいる。祖母の澄江は、家族の伝統が終わることを静かに受け入れていた。そんな中、孫娘の咲月が東京のデジタルマーケティングの仕事を辞めて帰郷する。二十六歳の彼女は、衰退する店ではなく、まだ開拓されていない可能性を見ていた。 咲月の勝負は、職人たちの手元で和菓子が作られる様子をTikTokに投稿すること。優雅な技術、季節限定の品々、床の間の掛け軸や生け花の美しさ――すべてがコンテンツの宝庫だった。しかし、祖母は伝統を守ろうと固執し、伝統の継承とバイラルを狙う新風の間で対立が生まれる。 そこに、地元の酒蔵の跡取りで同じ継承の悩みを抱える寧一が現れる。咲月との予期せぬ協力関係は、互いの野望と尊敬の中で芽生えた恋をもたらす。二人は問う――伝統はデジタル時代に生き残れるのか? 咲月が見つけたのは、単なるバイラルの数字ではなく、もっと価値あるものだった。過去を敬いながら未来を築く、本当の意味での「守ること」の物語。
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