幼馴染と、あまくてぬるい檻の中で
高校卒業後、漠然とした夢を追いながらフリーターをしている真翔は、とある事情から幼馴染の灯里と同棲することになる。
驚くほど美しく成長した灯里との生活は、真翔の理性を容赦なく削っていく。部屋着姿で無防備にくつろぐ彼女、ちょっとしたことで赤くなる頬——正気を保つだけでも精一杯の毎日だ。
そんなある夜、酔った灯里が真翔の布団にもぐりこみ、こう囁く。「昔からずっと、好きだったんだよ」——触れ合う手、吐息が混ざるほど近づく顔。長年の友情は、激しく生々しい欲望へと溶けていった。汗ばむほどに絡み合う身体、彼の名を喘ぐ彼女の声と、肺を満たす灯里の匂い。
だが、これは甘い恋の始まりなんかじゃない。互いを焼き尽くす執着の幕開けだった。灯里は真翔のスマホをチェックし、仕事のシフトをすべて把握し、十分の遅刻にも百回の着信を残す。「ずっと一緒にいてくれるよね?」という甘い囁きには、「逃したら許さないから」という本気の脅迫が潜んでいる。
真翔が友人・静生に相談すると、涙目の灯里は「私のこと、誰かに話した?」と詰問。翌日には、朗らかな笑顔で静生との縁を完全に断ち切ってしまう。性的な支配は武器となり、彼女の身
幼馴染と、あまくてぬるい檻の中で - 行かないで——包丁が落とした一滴の血と、壊れた夜
リビングは、死んだように静かだった。
窓の外から子供の笑い声が聞こえる。遠くで踏切の警報音が響いた。でも、全部が別の世界の音みたいに遠い。テレビは消えている。エアコンの低い唸りだけが、部屋の沈黙をかき混ぜていた。
真翔はソファに座っていた。
背中を丸め、両膝の間にだらりと手を垂らしたまま、何も見ていない目で床を見つめている。床のフローリングの木目を、ぼんやりと追っていた。何度も同じ模様をなぞっては、意味もなく視線が揺れる。
部屋の隅に、灯里の仕事道具が積まれている。液晶タブレット、ノートパソコン、資料の束。彼女は今、寝室でオンライン通話中だった。時折、ドア越しに抑えた声が漏れる。今日こそは出かけるんだという、誰かとの打ち合わせのようだった。
真翔は手に持ったスマホを、ただ意味もなくひっくり返した。
画面を点けて、消して、また点ける。
連絡先を開いた。
そこには、たった一つの名前しかない。
灯里。
スクロールする余地すらなかった。指が自然にその名前をタップしても、番号は表示されるだけだ。もう、他に誰の番号もない。
静生の名前は消えた。倉庫の同僚の番号も、グループチャットも、全部。
自分が、少しずつ世界から切り離されていた。今さらそれに気づいた。
(このままじゃまずい)
胸の奥で、かすかな警報が鳴り始めた。ちいさな、ささやかな声だ。でも、その声は確かに真翔の心臓をノックしていた。
(今、ここを出なければ)
考えるより先に、体が動いていた。
ソファから立ち上がる。静かに、床をきしませないように。足音を殺して、廊下へ出る。玄関までの距離は、たったの五歩。
スニーカーに足を突っ込んだ。
かかとを踏んだままで、手を伸ばす。指先が、冷たい金属のドアノブに触れた。
——その瞬間。
廊下の床が、きしりと鳴った。
背後からだった。寝室のドアが、ゆっくりと開く音。真翔の肩が、ビクンと跳ねる。振り向くことができないまま、手がドアノブに固まった。
「[gentle]マナト、どこ行くの?」
声のトーンは、ひどく穏やかだった。
真翔はゆっくりと振り向いた。首を、まるで壊れた機械みたいに、ぎこちなく回す。
灯里が、廊下に立っていた。
右手に、包丁を持っている。
真翔の呼吸が止まった。
灯里は笑っていた。目尻を下げた、いつもの優しい笑顔。でも、その笑顔はまるで仮面のようで、奥にある琥珀と銀の瞳だけが、じっとりと輝いていた。
彼女は、包丁の刃をゆっくりと持ち上げた。そして、自分の左手首の内側に、そっと当てる。白い肌の上を、ステンレスの刃が滑った。
「[gentle]行くなら、私、死ぬからね」
灯里の声は、子守唄みたいに優しかった。
「[gentle]マナト、私のこと見捨てるの?」
包丁が、わずかに動いた。
刃の先端が、ほんの少しだけ皮膚に食い込む。白い手首に、赤い糸が走った。
ポタリ。
血が、一滴だけ床に落ちた。
フローリングの木目に染み込んで、黒い染みになる。
その赤を見た瞬間、真翔の全身が凍りついた。口が開くが、声が出ない。喉の奥が引きつって、ただの空気だけが漏れた。指先が痺れる。足が、床に張り付いたみたいに動かない。
灯里は微笑んだまま、少しだけ首をかしげる。包丁が、また少しだけ傾いた。手首の傷が、ほんの少し広がった。
「[scared]やめて!!」
叫びながら、真翔はドアから離れた。スニーカーのまま、廊下を駆け戻る。手を伸ばして、灯里の手首をつかんだ。
包丁が、カランと音を立てて床に落ちる。
真翔はそのまま、膝から崩れ落ちた。
「[crying]なんで、なんでそんなことするんだよ……」
涙がとめどなく溢れてくる。自分でも何を言っているのかわからなかった。ただ、声が震えて、言葉が嗚咽に混ざった。
「[crying]頼む、死なないでくれ、お願いだ……」
真翔は床に両手をついて、肩を震わせて泣いた。子どもみたいに、声を上げて泣いた。鼻水も涙も、ぐちゃぐちゃになった。
灯里は、静かにしゃがみ込んだ。
両手を伸ばして、真翔の頭を抱きしめる。彼女の胸に、真翔の顔が埋まった。
「[gentle]死なないよ」
灯里の声は、母親のような温もりを帯びていた。
「[gentle]マナトがいてくれたら、絶対に死なない。ずっと、そばにいるから」
その手が、真翔の髪をゆっくりと撫でる。背中を、優しくリズムをつけて叩く。まるで幼い子供をあやすみたいに。
真翔は灯里の胸にしがみついて、泣き続けた。
逃げようとした罪悪感が、胸の奥を焼く。それと同時に、助かったという安堵もあった。自分が逃げなければ、灯里は死なない。自分がここにいれば、彼女は大丈夫なんだ。
この温もりから、離れてはいけないんだ。
真翔は、灯里のシャツを握りしめた。
「[crying]ごめん、灯里……ごめん……」
それしか言えなかった。
灯里は何も責めなかった。ただ、静かに真翔の背中を撫で続けた。手首の傷から流れた血が、床に小さな染みを作っていた。
——
夜が来た。
寝室のカーテンは閉められ、街灯の明かりすら入らない。部屋は闇に包まれて、二人の吐息だけが聞こえた。
灯里は真翔の手を握り、ベッドへ導いた。
左手首には、白い包帯が巻かれている。灯里は包帯を、真翔の目の前にそっと差し出した。
「[gentle]怖かった?」
「[sad]ああ……すごく」
「[gentle]ごめんね」
灯里は微笑んだ。その顔は、限りなく優しかった。
真翔が何かを言おうと口を開くと、灯里の人差し指が、真翔の唇にそっと当てられた。
「[whispers]今は、何も言わなくていいよ」
灯里はベッドサイドのランプを消した。部屋が完全な闇になる。
二人の吐息が、暗闇の中で混ざる。
灯里の両手が、真翔の頬を包んだ。柔らかくて、あたたかい。彼女はゆっくりと顔を近づけ、真翔の額にキスをした。
「[whispers]ずっとそばにいるからね」
灯里は真翔の体を横たえ、自分も隣に滑り込んだ。彼女の細い腕が、真翔を包み込むように、そっと抱きしめてくる。
服を脱がせる手つきも、今夜は限りなく優しかった。
一つ一つのボタンを、ゆっくりと外していく。そのたびに、指先が肌に触れる。灯里の体温が、真翔の冷えた肌に染み込んでいく。
「[whispers]怖かったね。一人で、外に行こうとしたね。でも、もう大丈夫。私がずっと、守ってあげるから」
真翔の目から、また涙がこぼれた。
なぜ泣いているのか、自分でもわからなかった。怖いのか、情けないのか、それとも——この温もりに、安心しているのか。
灯里は、真翔のトランクスをゆっくりと引き下ろした。硬くなりかけた真翔のペニスが、暗闇の中であらわになる。
彼女は指先でそっと亀頭に触れ、それから手のひら全体で優しく包み込んだ。
「[whispers]あったかいね、マナト」
灯里の手が、ゆっくりと動く。強くもなく、急ぎもせず、ただ優しく真翔のちんこを扱いた。
「ん……っ」
真翔の口から、小さな吐息が漏れた。
灯里は続ける。指先がカリの裏をなぞり、手のひらが竿全体をゆっくりとしごく。彼女の手は温かくて、濡れ始めた真翔の亀頭がくちゅりと湿った音を立てた。
「[whispers]気持ちいい?」
「[sad]……ああ」
灯里は嬉しそうに微笑むと、自分のワンピースの肩紐をずらした。薄い布が、さらりと落ちる。ブラを外すと、小さめのバストが闇の中に浮かび上がった。
彼女は真翔のちんこを握ったまま、自分の秘所へと導いた。すでに愛液であふれたまんこは、触れる前からトロトロだ。
「[whispers]入れるよ。優しくね」
灯里はゆっくりと腰を落とした。ぬるぬると濡れた膣が、真翔のペニスを呑み込んでいく。根元まで一気に入れるのではなく、途中で止まり、また少し戻して、また奥へ。まるで真翔の反応を確かめるみたいに、少しずつ。
ずぶ……ずぶぶ……
「あぁっ……」
灯里の口から、甘い喘ぎが漏れた。
彼女の膣は、驚くほど熱くて、きつく真翔のちんこを締め付ける。奥まで達した瞬間、灯里の内部がきゅうっと収縮した。
灯里は腰を動かし始めた。激しく打ち付けるのではない。まるで波のように、ゆったりと、でも確実に。
「[whispers]マナト、気持ちいい……?」
「あ、ああ……」
「[whispers]私も、すごく気持ちいいよ。マナトが中にいて、あったかい。ずっとこうしていたい」
灯里の手が、真翔の胸の上に置かれた。心臓の鼓動を確かめるみたいに。
ゆっくりとしたピストンが続く。彼女の膣壁が、真翔のペニスを優しくマッサージするように動いた。奥の子宮口に亀頭が触れるたびに、灯里が小さく息を詰める。
「はぁっ……あっ、んんっ……」
灯里の喘ぎ声が、次第に大きくなる。彼女は真翔の上で、少しずつ腰の動きを速めた。
体位を変えた。灯里は真翔の体を軽く押して、今度は自分が下になる。
正常位。
真翔が上になり、灯里の白い太ももを優しく開く。彼女のまんこは、もうビショビショで、真翔のちんこを簡単に受け入れた。
ずぶぶぶ……
再び結合する。今度は真翔がゆっくりと腰を動かした。
「あっ、あぁっ! そう……それ、いい……」
灯里は真翔の背中に手を回し、爪を立てた。痛いくらいの力。
「[whispers]マナト、お願い……もっと奥、奥を突いて……」
真翔は言われるまま、腰を深く押し込んだ。一番奥の子宮口に亀頭がぶつかり、灯里の体がビクンと跳ねる。
「ああっ、そこっ……!」
灯里の膣が、ぎゅうっと締まった。彼女は首をのけぞらせ、快感に耐える。
真翔の腰の動きが、次第に速くなる。本能のままに、灯里の中を激しく突き上げた。
「あん、あっ、あぁっ! いい、すごくいいっ!」
灯里の声が、寝室に響く。
二人の結合部から、卑猥な水音がした。くちゅくちゅと、真翔のちんこが灯里のまんこを掻き回すたびに、愛液が溢れて太ももを伝う。
「[crying]イく、イっちゃう、マナト、一緒に……!」
灯里が絶頂を迎えた瞬間、彼女の膣が波打つように痙攣した。ぎゅうぎゅうと締め付けられて、真翔も耐えきれなくなる。
「灯里、俺も……!」
「[crying]中に、中に出して……! 私の奥に、いっぱいちょうだい……!」
どくん、どくん。
真翔の精液が、灯里の膣の奥に吐き出された。白濁したザーメンが、子宮口を熱く満たす。連続して何度も射精し、溢れた精子が結合部から白く泡立って漏れた。
「あああっ……あったかい……」
灯里は真翔の首に腕を回し、強く抱きしめた。彼女の内部がまだひくひくと動いていて、真翔のペニスから最後の一滴まで絞り取ろうとしているみたいだ。
二人は動かなかった。
汗で濡れた肌が、エアコンの風で冷やされていく。鼓動が、ゆっくりと落ち着いていった。
真翔は、天井を見つめながら思った。
(もう、どこにも行きたくない)
その感情は、恐怖や諦めからではなかった。心の奥底から湧き上がった、純粋な気持ちだった。
この温もりを失いたくない。この優しさから離れたくない。
外の世界への未練が、音を立てて崩れていくのを感じた。
灯里が、真翔の胸の上で微笑んだ。
「[gentle]マナト、好きだよ。世界で一番、大好き」
真翔は答えなかった。代わりに、彼女の髪をそっと撫でた。
——
翌朝。
カーテンの隙間から、白い日差しが差し込んでいた。
キッチンから、いい匂いがする。目玉焼きの焦げる匂いと、味噌汁の香り。真翔が目を覚ますと、灯里がキッチンに立っていた。
左手首の包帯が、朝日の中で痛々しく白く浮かび上がっている。でも彼女は、楽しそうにフライパンを振っていた。
「[excited]あ、おはようマナト。朝ごはん、もうできるからね」
振り返った灯里の顔は、優しくて明るかった。
真翔はリビングのテーブルに座る。
そこに、自分のスマホが置かれていた。
画面は黒いままだ。手に取って、タップする。ロック画面が表示された。
真翔は、連絡先を開こうとして——指が、止まった。
開く気がしなかった。
もう、誰にも連絡したいと思わない。
でも、完全に手放す勇気もない。
スマホはテーブルの上に置かれたまま、ただ沈黙していた。
灯里が、朝食を運んでくる。
半熟の目玉焼き、焼き鮭、具沢山の味噌汁。彼女は真翔の向かいに座り、にっこり笑った。
「[gentle]さあ、食べよう。今日もずっと一緒にいようね」
真翔は小さくうなずいた。
箸を持ち上げながら、ちらりとスマホを見る。
テーブルの上の、黒い画面。
あれを今すぐ捨てられるか——その問いだけが、まだ心の中に残っていた。