リゼット
あらすじ・世界観のみ
平凡な高校生・駿(しゅん)は、自分に何の特技もなく、将来の夢もなく、ただ日々をやり過ごしている十六歳だ。内向的で言葉を選びすぎる性格ゆえ、口下手な自分を持て余している。ある夕暮れ、友人たちとの帰り道、見慣れない路地の奥に古びた看板を見つける。時空カフェ=ル・ドゥーブル=――アンティーク調の扉を開いた先は、時間そのものを抽出してコーヒーに混ぜたかのような、摩訶不思議な空間だった。 カフェを切り盛りするのは、リゼットと名乗る謎めいた女性。年齢不詳の切れ長の瞳に、静かな笑みを湛えた彼女は言う。ここでは、あなたが選ばなかった道と、選んできた道を同時に飲み干すことができます。駿はほとんど理解できないまま、一杯のコーヒーを口にする。すると目の前に広がったのは、分岐した自分自身の可能性の風景だった。 駿の親友・明(あき)は、陽気でチャラいが、夢を諦めた過去を誰にも語らない十七歳だ。気にすんなってが口癖の彼が、カフェでなりたかった自分と向き合う場面は、笑いと涙が奇妙な均衡を保つ。一方、クラスメートのあかりは、明るさの裏に進路への焦りを隠している。彼女がリゼットの前でふと見せる素顔は、駿の目に眩しい
あらすじ・世界観のみ