佐々木エリカ
あらすじ・世界観のみ
目立たない女子高生・佐々木エリカは、ある朝、自分の感情の記録が丸ごと失われていることに気づく。 正確に言えば、記憶そのものは残っている。昨日の授業、今朝の朝食、親友の高橋リナの声。しかしそれらの出来事に付随していたはずの感じたこと——喜び、悲しみ、怒り、恥ずかしさ——がことごとく抜け落ちて、まるで他人の日記を読んでいるような無味乾燥さになっていた。心理学者はこれを感情剥離と呼ぶらしいが、エリカにとっては、自分が人間であることの証明を失ったに等しかった。 変化はその夜から始まる。微睡みの深みで、エリカは灰色の砂漠に立っていた。そこで出会ったのが、ハルと名乗る少年だ。くたびれた制服姿でへらへら笑う彼は、君の感情の層がひび割れてる。オレ、その修復を手伝う係ねと軽い口調で告げる。夢の中の道先案内人——ハルは、エリカが失った感情のかけらを取り戻すため、意識の深層に広がる夢界《ユメカイ》へ彼女を導く存在だった。 夢界は、エリカの内面が外側へと反転した異界だ。恐怖が壁となって聳える惑乱の迷路、孤独が静水となって広がる鏡面の湖、後悔が荊となって絡みつく記録の廃園——それぞれの場所は、エリカが現実
あらすじ・世界観のみ