木
木之本桃矢
1話 100pt
夕暮れの撮影室、モニターに映る親友の勇姿。大道寺知世は、魔力を持たない自分にできる「たった一つのこと」——撮影に全てを懸けていた。だがある日、映像の片隅に映り込んだ小さな影に気づく。さくらがカードを封印するたび、決まって現れる、輪郭のぼやけた観察者のような影。敵意はない。でも、だからこそ不気味だった。過去のデータを全て見返し、知世は一つの法則にたどり着く。あの影は、さくらを「撮影」している——自分と同じように。夢の中に現れた黒いローブの声が告げる。「お前の撮影した映像に、秘密が隠されている」。戦えない少女が、カメラという武器で真実に迫る。これは、クロウカードの影で静かに綴られる、大道寺知世の秘密の撮影日記。