可
可児江 西也
1話 100pt
甘城ブリリアントパーク、開園二十六年目にして最大の危機——。 月間入場者数、たったの二万八千人。それに対して突きつけられた条件は、三ヶ月で十万人。普通に考えれば、不可能だ。地方の潰れかけテーマパークに、人が殺到する理由なんてどこにもない。 なのに、支配人代行の高校生・可児江西也は言い放つ。「俺なら、できる」と。 元天才子役という完璧な経歴を持つ彼は、高校では友達もおらず、家族ともうまくいっていない。それでも、ボロボロのパークを必死に守ろうとするキャストたちの姿を見て、なぜか腹が立った。諦めない彼らが、悔しかった。だから、自分が立て直すと決めた。 打った手は、テレビ密着取材。完璧な支配人をカメラの前で演じ、パークの注目度を一気に上げる。だが、その作戦は彼自身の過去をえぐるものでもあった。カメラが回れば、体が勝手に営業スマイルを作る。かつての自分が顔を出す。 「……気持ち悪い」 それでも、やるしかない。このパークを潰させないために。 不器用な警備担当・千斗いすずは、感情の読めない瞳で淡々と忠告する。「あなたのためです」と。盲目の王女ラティファは、小さな手で西也の手に触れ、言う