すべてを失った元聖女セレスティアは、王国の辺境にある荒れ地で、伝説の《死の王》モルドレッドを目覚めさせた。 かつて聖王国ヴェルダンで「聖女」と謳われたセレスティアは、実の妹リリアンヌの偽りの告発により、罪人として醜い呪いの傷痕を刻まれ、人が住めぬ廃墟へと追放された。ただ一人、密かに食料を届けてくれた忠実な侍女エリスのおかげで、かろうじて生き永らえていた。しかし、それもリリアンヌに露見し、エリスはセレスティアの眼前で無残に殺されてしまう。 地下牢に閉じ込められ、逃げ場も希望もない絶望の果て、セレスティアの血の涙が古の石棺に染み込んだとき、死の王が現れ、語りかける。「我と契約せよ。そなたの復讐を、我が果たしてやろう」。すでに人としての心が砕けていたセレスティアは、ただ無言でうなずいた。契約は結ばれた。 いま、蘇った死の軍勢が王都へと進軍する。その軍列には、リリアンヌの虚言によって家族を処刑された元騎士ガウェインの姿もあった。彼はセレスティアの復讐の剣となることを誓っている。 偽りの敬虔さで煌めく王都は、根幹から腐りきっていた。堕落した聖職者たちが民を欺き、真実を知らぬ人々はリリアン