【ガチャの中】 「召喚界」と呼ばれるその世界は、クリエイターたちが引くガチャゲームの、隠された舞台裏だった。無数の英雄たちが複製体(コピー)として生み出され、ただ「召喚の門」をくぐることだけが唯一の救いだと信じて、際限なく殺し合いを続けている。 ★2の複製体であるミナトは、今日も生き延びた。斃れた仲間たちのコアを拾い集め、荒廃した大地を震えながら歩く。彼はただ、優しく、臆病で、誰よりも平凡なだけの存在だった。だが、そんな彼の眼前に、突如として黄金の門が現れる。それは、高レアリティの英雄アーク=ヴァルハイトが、他の全員を踏み台にして通過するための「十連召喚」の門。誰もが殺到する混乱と死の只中で、ミナトは偶然にも、門のすぐ傍らにいたアークと視線を交わしてしまう。絶望に塗れたその瞳に、ミナトは「選ばれるはずの者の孤独」を見て取った。 アークは門を通り抜ける。後に残されたのは、召喚されなかった者たち。理知的で冷徹な★4のシグレは、何度門に飛び込もうとも、決してクリエイターに選ばれることのない呪いをその身に宿していた。シグレはミナトに告げる。「俺たちの救いは、別の場所にあるのかもしれない」