【終の守護者に捧ぐ恋 ─ 死にたがりの少年は異世界で生きる意味を知る ─】 十七歳の雨宮カナタは、生きる意味をすべて失い、廃ビルでの死だけを望んでいた。意識を失った彼が目覚めたのは、魔法と魔物が存在する幻想世界フィオーレ。そこは、魔物が跋扈する森によって外界から隔絶され、呪われた辺境の霧の村だった。 銀髪の若き守護者リリア・ヴァインツは、結界魔法と冷徹な意志でたった一人、村を守っていた。彼女はカナタを「役立たずの異邦人」と切り捨てる。だが、村人たちは彼を温かく迎え入れる。特に、彼を「兄ちゃん」と呼ぶ鍛冶師見習いの少年マルコは、カナタに懐いて離れない。異世界の常識に戸惑い、ドタバタな失敗を繰り返しながらも、カナタは次第に「生きている」という実感を取り戻していく。 傷つきながらも孤軍奮闘するリリアの姿を目の当たりにしたカナタは、魔法を学ぶ決意をする。不器用ながらも真摯な彼の努力が、リリアの凍てついた心を少しずつ溶かしていく。やがて、孤独を抱える二人は互いの過去を打ち明け、深く愛し合うようになる。 しかし、結界の崩壊は予想よりも早く進行していた。リリアは村を救うため、自らの命を捧げる