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伊織が千紗と付き合い始めて、もうすぐ一年。 相変わらず酒と裸と変人だらけの、混沌とした大学生活。変わったことといえば、桜子がどこか無理に作ったような笑顔を見せるようになったことくらいか。だが、そんな機微を察せるほど、伊織は器用な男ではない。 そんなある日、大学の講義で伊織は桜子とペアを組むことになる。「あんたと組むとか最悪」と文句を言いつつも、やけに真面目に課題に取り組む桜子。伊織が間抜けにも「意外と頼りになるんだな」と口にしたものだから、彼女は罰ゲームだとばかりに、自分の所属するダイビングサークルの体験ダイビングへと伊織を引きずり込む。 水中で、伊織は知る。まるで海に還った魚のように、生き生きと輝く桜子の姿を。海底で、音楽を辞めて笑顔を忘れた少女が、自分だけに向けて、ほんの少しだけ笑みをこぼした。その瞬間、鼓動が高鳴る。水圧のせいじゃないと、はっきり分かってしまうほどに。 けれど、伊織には千紗がいる。そして桜子は、そんな二人を大切に思うからこそ、自分の気持ちを口にできない。絡み合った四角関係は、ダイビングのロープよりも、ずっと複雑にこんがらがっていく。 これは、本編では報わ
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