家族の愛を知らず、常に兄と比較され「出来損ない」とされて育った少女・玲那。ある日突然、彼女は剣と魔法の異世界「エルデリア」へと飛ばされてしまう。そこは、人の価値が「マナ」の量で決まる世界だった。しかし、玲那を待っていたのはさらに過酷な現実――マナが「ゼロ」と判定された彼女は、左腕に「無能の刻印」を刻まれ、貴族の屋敷から放り出される。 行くあてもなく彷徨った末、玲那は王国北端の小さな集落「コルの村」にたどり着く。そこで彼女を迎え入れたのは、年老いた農家の夫婦、アルマとゲオルグだった。アルマの優しい笑顔と温かいスープ、ゲオルグの無口だけど確かな優しさ。玲那は生まれて初めて「ぬくもり」を知り、この村で静かに生きていこうと決意する。ようやく見つけた、自分の居場所。 しかし、そのささやかな幸せは長くは続かなかった。近くの山に、伝説級の魔物「黒竜」が現れたのだ。村はパニックに陥るが、討伐隊を雇う金も、逃げ出す余裕もない。初めて自分を受け入れてくれた場所を守りたい――玲那は、誰にも言わず一人で山へと向かう。そこで彼女が見たのは、神話大戦で神に傷つけられ、500年もの間、膿み続ける傷に苦しみ、孤独