エボシ御前は死に、タタラ場の煙はもう上がらない。アシタカはサンと共に、森と人の狭間を歩む道を選んだが、それは果てしない哀しみの始まりだった。シシ神の森はいまだ再生の途上にあり、アシタカは村人たちの怨嗟と恐れを背負いながら、狼の一族の最後の生き残りであるサンを支え続けている。 そこへ、都の凄惨な権力争いから逃れてきた貴族の女、サワが流れ着く。すべてを失い、壊れかけた彼女は言い放つ。「人が人を喰い合う都こそ、獣よりもおぞましい」と。アシタカの静かで深い共感に触れたサワは、次第に彼に執着していく。一方、サンはアシタカのもとに人が集まることに、鋭い不安を覚える。「お前は人間だ」という言葉が、今は残酷な棘となって彼女を刺す。 さらに、かつてのタタラ場の民であり、今は武装商人集団を率いるゴンザが、アシタカの呪われた右腕を“戦の武器”として狙い始める。エボシの夢を歪んだ形で継いだゴンザは、サンを「獣女」、サワを「都の毒蜘蛛」と呼び、アシタカを冷酷に追い詰めていく。 三人の女。森へと縛るサン、人へと繋ぐサワ、そして遺志という鎖で縛る亡きエボシ。それぞれがアシタカの魂にすがり、離さない。再生とは何