風を巻き戻せの世界で、桜木春道はチームのアンカーだった――みんなをまとめる存在。ある夜のレース後、彼は仲間を失った。その名は如月廉。クルーの中で最速で、最も恐れ知らずの男だった。廉はライバルチームが仕掛けた罠にかかり、自転車で崖から落ちてしまう。春道は間に合わなかった。その夜以来、彼の内側で何かが止まってしまった。 一年後、春道は夢を見る。廉が笑顔で「なんで俺の後を追わないんだ?」と言い、風の中に消えていく。目覚めると、彼はあの日の朝に戻っていた。廉は生きている。時間が巻き戻り、春道は理由を考える暇もなく、やるべきことを知っていた。 問題は、廉の死は事故ではなかったことだ。それは計画だった。ライバルチームのリーダー、鷹村龍一が全てを仕組んだのだ。鷹村は人を破壊しながら笑う男。誰が傷つこうと気にしない。春道は致命的な夜が来る前に鷹村の策略を解体しなければならない――しかも廉には何も言えない。目の前で笑っている相手に「お前は死ぬ」とどう伝えればいいのか? 春道は一人で動き、鷹村の一挙手一投足を追う。しかし鷹村は鋭い。春道が一つの手を封じれば、鷹村は別の手を打つ。チームを分断し、春道を