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夜乃くろむは死んだ。 その知らせが届いたのは、梅雨が明けたばかりの七月の夕暮れだった。 私の名前は白鳥アイリ。二十三歳。地元の小さなレコード店で働きながら、作詞家として細々と食いつないでいる。夜乃くろむとは高校の同級生だった。 彼女は身長百五十センチ、小さな体躯——けれど歌い始めたら、誰にも止められなかった。独特の語尾で笑いながら、『歌うのが好きなだけだよ』って言ってた。 くろむには、世界を変える声があった。 でも彼女は戦った。誰にも告げずに。 私たちの町には、古い伝説がある。レクイエム塔——その中に封じられた『声喰い』。くろむは一人でそれに立ち向かった。たった一人で、すべての呪いを背負って。 知らせを聞いて、私は故郷に戻った。 古い同窓会名簿を頼りに、くろむと関わりのあった人たちを訪ね始めた。 最初は藤枝レン。くろむの幼馴染で、今は町の消防士をしている。寡黙で不器用な男——だけど、誰よりも長く彼女を見守ってきた人。知らせを聞いても、彼は泣かなかった。ただ、黙って拳を握りしめていた。 次は柏木マコト。くろむの元マネージャー。完璧な笑みを浮かべる都会の男。彼は彼女の死
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