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夜が冬木教会を包み込む。言峰綺礼は冷たい空気を深く吸い込み、歪んだ笑みを顔に広げる。十年前、彼は聖杯戦争の監督役に任命された。表向きは教会の中立を守るため。だが、誰も知らない真実がある。この男こそ、戦争最大の異端者であり、ただ完全なる破滅のみを望む究極の悪役なのだ。 第四次聖杯戦争の終結から十年、綺礼は歪んだ魂を抱えたまま、次の争いをじっと待ち続けていた。彼が求めるのは勝利でも力でもない。絶望する人間たちの美しい悲鳴と、虚無から生まれる答えだけだ。手段は選ばない。今回の計画の鍵となるのは、一人の少女――間桐桜。蟲に蝕まれ、家族に顧みられず、闇の中で育った彼女を、綺礼は完璧な『聖杯の器』と見定め、密かに穢れた聖杯の完成を画策する。 一方、聖杯を追い求める魔術師たちが冬木に集結する。正義の味方に憧れる切嗣の純粋な養子、衛宮士郎は、血塗られた争いに巻き込まれていく。遠坂凛は、遠坂の魔術師としての誇りを胸に戦いに身を投じる。しかし、彼らは気づいていない。微笑む監督役の背後に潜む毒牙に。戦争が激化するにつれ、桜の中で眠る『黒い影』が目覚め始め、行く手を阻むすべてを呑み込んでいく。 これは『
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