25歳のOLイオリは、親友に無理やり連れて行かれた合コンで、驚くほどハンサムなバーテンダーと出会う。銀色のメッシュが入った黒髪、細縁メガネの奥の美しい瞳、低くハスキーな声。酒を酌み交わし会話を重ねるうち、空気は思いがけず親密に。気づけば彼のベッドで裸のまま、朝日を浴びて目を覚ました。 バイトに遅刻しそうだと慌て、連絡先も交換せず飛び出す。後悔の痛みを胸に職場へ着くと、オフィスはその日着任する新社長の話題で持ちきりだった。噂では「氷の王子」と呼ばれる冷酷非情な男らしい。 会議室に社長が入ってきた瞬間、イオリの心臓が止まった。昨夜のバーテンダー、その人だったのだ。焼けつくようなキス、巧みな指、肌にかかる吐息の記憶が一気に蘇り、頭は混乱の極み。あの人が社長なわけがない…そうでしょう? 男の名は古賀誠次郎、32歳。冷たい視線が室内を一掃し、イオリを通り過ぎても微塵の動揺も見せない。まるで「誰だお前は」と言わんばかり。安堵と同時に、妙にチリチリした苛立ちが湧き上がる。 そんな中、イオリが残業する深夜、背後から突然腕が絡みついた。耳元で囁かれる聞き覚えのある声。「また会ったな」。身体は火照