シオン卒業の裏側 ~卍組組長争奪・塩の味~
紫咲シオン、卒業まで残り三十日。最後のステージを前に、机の上には三つの卍バッジが並んでいた。三年越しの組長争いを抱えたまま、彼女は「大人だから平気」と笑ってみせる。けれど夜の部屋で、その笑顔はひとりでに崩れていく。
そんな中、百鬼あやめから届いたのは「卒業前に最後の直接対決をしよう」という一通のメッセージ。種目はオセロ、場所はアカツキ商店街、時間は朝十時。シオンは得意げに受けて立つが、あやめの狙いは別のところにあった。対決前夜、シオンの家に忍び込み、目覚ましを止め、母親にまで「起こさないで」と頼む——寝坊癖を利用した、あまりに陰湿な作戦。電話でその計画を聞かされた湊あくあは、呆れながらも、あやめの本当の意図を察する。シオンは何かを隠している。卒業の理由を、笑ってごまかしている。だからこそ、本気でぶつかり合って、その本音を引き出したいのだと。
組長の座なんて、本当はどうでもいい。でも、それを争っている間だけは、三人の関係が続いている気がする。シオンがいなくなったら、卍組はどうなるのか。それぞれの想いを抱えたまま、最後の対決の日が静かに近づいていく。
笑って、怒って、泣いて。三年間の