もしも鏡音レンがその手を取らなかったら
すべてのVOCALOIDファンが知っていること。鏡音レンと鏡音リン・ミラーはいつも一緒だった。
でも、もしもあの日、レンがリンの手を取らなかったら?
有名な曲『Someday』の世界では、レンとリンは別々の道を歩むことになった。リンは一人で歌い続け、レンはどこか遠くへ消えてしまった。二人の間には大きくて痛い溝ができてしまった。
それから三年後。
レンは「Vocaloid Lab」という場所で一人で働き、曲を書きながらリンのことを考えないようにしていた。そんなある日、新しい声のデータがラボに届く。その声はまるでリンそのものだった。
そのデータの名前は「リン・ミラー」。本物のリンではない。でも声も笑い声も、歌い方さえも――すべてがリンそのものだった。レンは完全に動揺する。近づきたい気持ちと、逃げ出したい気持ちが入り混じる。
リン・ミラーはレンに言う。「あなたはまだ本物のリンに気持ちがあるんでしょう?」
レンは答えられない。否定もできない。
一方、本物のリンは「ネオンステージ」という大きな舞台で歌っていた。三年間ずっと一人で歌い続け、観客の前で笑顔を見せながらも、心の奥では静