ファトゥスの工作員である綾華に下された指令は、稲妻の反乱軍への潜入、そして情報収集。彼女は流れの旅人を装い、氷のような微笑みを浮かべて反乱軍の拠点へと近づく。そこで出会ったのは、抵抗軍の優しき剣士、楓葉一刃だった。 一刃は善良だった。綾華の正体を知る由もなく、ただ温かく彼女を迎え入れる。その笑みに、綾華の胸は覚えのない痛みで締め付けられる。ある夜、彼は言った。「君の瞳は、とても美しい」と。その夜、綾華は初めて涙を流した。心を揺らしてはならないと知りながら、一刃の存在が、彼女にこれまでにない安らぎを与えていた。 任務の期限が迫る。綾華は懊悩する。真実を告げれば、一刃の信頼は永遠に失われる。だが、偽りを続けることにも、もはや耐えられなかった。 雨の夜、彼女はすべてを打ち明ける――自分がファトゥスの一員であることを。一刃は沈黙する。そして、囁くように言った。「知っていた」と。彼は初めから気づいていたのだ、それでも彼女を信じたかったのだと。その言葉に、綾華の中で何かが砕け散る。 二人は一線を越える。所属も、任務も、理性も、すべてを投げ捨てて、互いに身を委ねた。だが、夜明けと共に綾華は姿