リムルのとなりで、君は泣いて、そして笑う
いつもみんなを引っ張る気の強い女・シュナには、リムルの前でだけ見せる秘密の顔があった。普段の強気な態度は、彼の役に立ちたいがために作った仮の姿。
ある日、ほんの小さな傷をきっかけにリムルはシュナの部屋を訪れる。しかし、二人きりになった途端、シュナは大粒の涙をこぼしてしまう。「リムル様の前だと、私、どうしても抑えられなくなるんです」。それは彼女の特別な告白だった。
ずっと痛みをこらえ、弱さを見せまいとしてきたシュナ。リムルは優しく彼女を抱きしめ、髪を撫で、戦いで溜め込んだストレスを解放するように、二人の身体は深く求め合う。その夜、シュナは初めての痛みと、それ以上の甘い悦びを知る。
しかし、それは秘密の恋の始まりだった。毎夜のように逢瀬を重ねながら、人前ではこれまで通りの主従関係を演じる日々。それが少しずつ、シュナの心を蝕んでいく。
そんなある夕暮れ、リムルの部屋から出てきたベニマルとソウエイの姿を目撃してしまうシュナ。問い詰める彼女に、「特別なのはお前だけだ、シュナ」と言うリムル。それでも拭えない不安。そこへ、シュナを心配したシオンが現れ、泣きじゃくるシュナを抱きしめながら、自分
リムルのとなりで、君は泣いて、そして笑う - 完璧な参謀の、たった一つの秘密
朝だ。
窓の外で暁の市がにぎわい始める音が、かすかに部屋まで届いてくる。
「……よし」
シュナは鏡の前で、最後に前髪を整えた。
額の二本の小さな角が、ほんのちょっとだけ見える。隠しきれなくて、ため息が出た。
(リムル様は可愛いって言ってくれるけど……)
でもやっぱり、自分ではあまり好きになれない。
オーガ族の証。戦いの種族の印。
「まあ、仕事には関係ないわね」
シュナは赤い組み紐で、腰まで伸びた黒髪を一つに束ねた。
白い巫女装束に、肩当てと腰防具。動きやすさ優先の軽装だ。
今日も一日、やることは山積みだ。
セントラルオフィスまでは、紅蓮館から歩いて五分。
部屋を出て、階段を下りる。
館の中は静かだった。ベニマル兄様もソウエイも、もう出たあとだろう。
みんな朝が早い。
シュナは庭園の脇を通って、表通りに出た。
リムルシティの朝は、魔石灯がまだ淡く光っている。
空気はちょっと冷たくて、森の匂いがする。
ジュラの大森林がすぐそこにあるからだ。
通りを歩きながら、シュナは今日の会議の資料を頭の中で整理した。
北区の魔石加工場の生産量が落ちてる。
東の城門の修繕費がかさみすぎ。
西方諸国との通商交渉、第3ラウンドの準備。
リムル様にどう説明しようか——。
「おはようございます、シュナ様!」
声をかけられて、シュナは足を止めた。
ゴブリンの門番だった。槍を持って、背筋をピンと伸ばしている。
「おはよう。今日もご苦労様」
「いえっ! 今日の会議、がんばってください!」
シュナは小さく笑ってうなずいた。
(みんな、私のことをよく見てる)
それだけに、ミスはできない。
弱いところなんて、見せられない。
セントラルオフィスの正面には、もう暁の市が始まっていた。
野菜を売るゴブリン、武具を並べるドワーフ、遠くから来た人間の商人。
いろんな声が混ざり合って、にぎやかな朝の音楽みたいだ。
シュナは市場を横目に、オフィスの階段を上がった。
ここがテンペストの中心。
元スライムの転生者リムル様が魔王になって建てた、多種族の国。
ゴブリンもオーガもドワーフも、力があればちゃんと認められる。
そんな国を、シュナは心から誇りに思ってる。
だからこそ、役に立たなきゃいけない。
二階の幹部会議室に着くと、もうベニマルたちが席に着いていた。
「シュナ、今日はちょっと遅いじゃないか」
「資料の最終確認をしてたの。さあ、始めるわよ」
シュナは自分の席に着くと、議事録の準備を始めた。
いつものことだ。
会議は三十分で終わった。
シュナが事前に要点をまとめておいたおかげで、スムーズに進んだ。
北区の魔石加工場はゲルドに任せ、城門修繕はリグルドに再見積もりさせる。
通商交渉はリムル様が直接出ることに——。
「今日もシュナに助けられたな」
会議が終わって、リムル様が近づいてきた。
「当然です。リムル様のお役に立てて光栄です」
シュナは完璧に答えた。
心の中では、胸がドキドキしてるのに。
リムル様が笑いかけてくれるたびに、嬉しくてたまらないのに。
「じゃあ、また後で。書類仕事、がんばってな」
リムル様は気楽に手を振って、部屋を出ていった。
シュナはしばらくそこに立ち尽くした。
(……また後で)
その言葉だけで、胸の奥がじわりと温かくなる。
バカみたい。
シュナは首を振って、議事録を抱えて自分の執務室に戻った。
──
深夜。
紅蓮館の二階、奥まった角部屋。
シュナの私室は、月明かりだけが窓から差し込んでいた。
シュナは机の前に座ったまま、ぼんやりと自分の左手首を見ていた。
訓練でつけたかすり傷。ほんの小さな、赤い線。
(今日も、なんとか乗り切った)
完璧にやれた。間違いなく。
だけど——なんでだろう。
シュナはゆっくりと、前髪をかき上げた。
指先が、額の角に触れる。
三年前の光景が、ふいに頭の中によみがえった。
ファルムス王国の軍勢が攻めてきた日。
故郷の集落が燃えて、みんなが死んだ。
強い者だけが生き残った。そして弱い者は——。
(役に立たなければ、捨てられる)
リムル様に救われて、テンペストに来て。
それからずっと、シュナは必死で役に立とうとしてきた。
完璧な参謀でいようとしてきた。
でも。
(リムル様は、私が役に立つから……そばに置いてくれてるだけ?)
そう考えると、胸の奥が冷たくなる。
シュナは窓辺の小さな観葉植物を見た。
リムル様からの、たった一つの私的な贈り物。
緑の葉っぱが、月明かりに照らされてきれいだ。
「……リムル様」
名前を呼んだだけで、目頭が熱くなる。
ダメだ。泣いちゃダメ。
誰かに見られたら——。
コンコン。
シュナの心臓が飛び跳ねた。
「シュナ、起きてるか?」
扉の向こうから、気楽なリムル様の声。
シュナは慌てて目をぬぐった。
そして、息を整える。
凛々しい表情を作り直す。
「はい、起きてます。どうされましたか?」
扉を開ける。
そこには、ちょっと困った顔のリムル様が立っていた。
「えっと……夕飯のおかわり用のハチミツ、もらえる?」
……は?
シュナは思わず口をポカンと開けた。
魔王。
この国で一番強い存在。
各国の王様たちが一目置くほどの力を持ってる。
なのに、深夜にハチミツをねだる?
「リムル様……それ、今ですか」
笑いがこみ上げてきた。
さっきまであんなに暗かった気持ちが、一気にどうでもよくなる。
「だって腹減ったんだよ。厨房にもう何も残ってなくて」
「はあ……ちょっと待ってください」
シュナは部屋の中に戻って、棚からハチミツの小瓶を取り出そうとした。
そのとき。
「……ちょっと待って、それどうした?」
リムル様の声が急に真剣になった。
え?
シュナが振り返ると、リムル様がシュナの左手首を見つめていた。
かすり傷。さっきまで見てた、あの小さな傷。
「あ、これは……訓練のときに。大したことありません」
シュナは手を引こうとした。
でも、リムル様の手が、そっとシュナの手首を掴んだ。
「シュナ」
静かな声。
「無理してるだろ、今日も」
——その一言で。
三年間、積み上げてきた完璧な仮面が、ガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
「……っ」
涙があふれてきた。
止められない。
「わ、私は……リムル様の役に立たなきゃいけなくて……捨てられたら、生きていけなくて……」
言葉がうまく出てこない。
しゃくりあげながら、必死で声を絞り出す。
「ファルムスのときに、みんな死んで……私は何もできなくて……だからもう、必要とされないのは嫌で……っ」
泣きながら、全部話した。
リムル様のそばにいたいのに、主従の立場が邪魔で。
役に立たなきゃって思うのに、本当はもっと甘えたくて。
全部。めちゃくちゃで。自分でもよくわからない。
リムル様は何も言わなかった。
ただ、黙ってシュナを抱きしめてくれた。
背中に回った腕の温もりが、ゆっくりと、シュナの張り詰めていた理性を溶かしていく。
「……リムル様」
震える声で、シュナは言った。
「私、リムル様のことが——」」
最後まで言う前に。
リムル様が、シュナの頬に口づけをした。
シュナは目を見開いた。
リムル様の真剣な瞳が、すぐ近くにある。
「わかってるよ。ずっと、気づいてた」
その声に、シュナの心臓がもう一度大きく跳ねた。
──二人は、自然に身体を重ねていた。
シュナの巫女装束が、リムル様の手でゆっくりと解かれていく。
月明かりだけが部屋を照らす中で、シュナの白い肌が少しずつ露わになった。
肩、胸、腰。オーガ族の姫でありながら、戦いで鍛えられたしなやかな肢体だ。
「緊張しなくていいから」
リムル様の囁きが、耳のすぐそばで聞こえる。
シュナは何も言えずに、ただうなずいた。
リムル様の指が、シュナの乳房にそっと触れる。
柔らかな膨らみを包み込むように、ゆっくりと揉みしだかれた。
「……っ、あ」
思わず声が漏れた。
指の腹が乳首を転がすたびに、甘い痺れが背筋を駆け上がる。
ピンと立ち上がった乳首が、リムル様の指の中で硬さを増していった。
リムル様はそのまま、もう片方の手をシュナの下半身へと滑らせた。
巫女装束の下に履いていた下衣が取り払われ、シュナの秘所があらわになる。
黒い茂みの奥で、もう蜜がにじみ始めていた。
「シュナ、もう濡れてる」
「や、言わないで……恥ずかしい……」
シュナは顔を赤くして顔を背けた。
リムル様の指が、濡れた陰唇をそっとなぞる。
ぬるりとした感触が、シュナのそこをゆっくりと割り開いた。
「ひゃっ……」
指が、膣の入り口をくすぐるように撫でる。
愛液が溢れて、リムル様の指を濡らしていく。
リムル様はクリトリスを見つけると、そこを優しく円を描くように押した。
「あっ……あぁっ……!」
声が止まらない。自分でもびっくりするくらい、甘い声が出てしまう。
リムル様の指が一本、シュナの中にゆっくりと入ってきた。
「痛くないか?」
「だ、大丈夫……です」
シュナは必死で答える。
指がゆっくりと出し入れされるたびに、グチュグチュという水音が部屋に響く。
恥ずかしいのに、腰が勝手に動いてしまう。
「んっ、あ、ああっ……!」
リムル様は指を抜くと、今度は自分の服を脱ぎ始めた。
露わになったリムル様のペニスは、もうビンビンに勃起していた。
先端からは先走り汁が光っている。
シュナはそれを見て、ゴクリと唾を飲んだ。
「初めてか?」
シュナはこっくりとうなずく。
「痛かったら言え。無理するなよ」
「……はい」
リムル様がシュナの両脚を優しく開かせ、その間に身体を入れる。
亀頭が、シュナの濡れた膣口に当てられた。
熱い。
そして、ゆっくりと——リムル様のペニスがシュナの中に入ってきた。
「……っ、つ!」
鋭い痛みが走った。処女膜が破れる瞬間が、はっきりとわかった。
「大丈夫。ゆっくり息を吐け」
リムル様がシュナの髪を撫でながら、優しく声をかけてくれる。
シュナは言われた通り、ゆっくりと息を吐いた。
すると、痛みが少しずつ引いていって、代わりに——今まで感じたことのない、熱くて甘い疼きが広がっていった。
「……リムル様、もう大丈夫です」
シュナがそう言うと、リムル様はゆっくりと腰を動かし始めた。
ペニスが膣内をこすり上げるたびに、甘い快感がシュナを貫く。
「あっ、あぁっ、リムル様……リムル様ぁっ……!」
声を抑えられない。
リムル様のピストンが、少しずつ速くなっていく。
奥まで突かれるたびに、頭の中が真っ白になった。
「シュナ……中、すごい締め付けてる」
「だって……リムル様が、気持ちよくて……」
涙がまたこぼれた。でも今度は、さっきとは全然違う涙だ。
リムル様の手がシュナの腰を掴み、さらに深く突き入れる。
「やっ、そこ……だめ、イっちゃう……っ!」
奥の一番感じるところを擦られて、シュナは一気に絶頂へと押し上げられた。
「あああぁっ——!!」
全身がビクビクと痙攣する。
膣がリムル様のペニスを締め付け、愛液が溢れ出した。
「シュナ、俺ももう……」
「中に……中に出してください……リムル様の……リムル様の種、私の中に……!」
シュナは夢中で叫んだ。
リムル様が最後の一回を深く突き入れる。
「……っ!」
膣の一番奥で、熱いものがドクドクと迸った。
ザーメンがどんどん注ぎ込まれてくる感覚に、シュナはまた小さく絶頂した。
「あ……リムル様の、すごく……熱い」
リムル様がゆっくりとペニスを抜くと、白濁液がシュナの膣口からトロリとこぼれ落ちた。
二人はしばらく、抱き合ったまま動けなかった。
シュナの胸の中で、幸せがじんわりと広がっていく。
(私、リムル様だけのものになれた)
初めての痛みも、まだ少し残ってるけど。
それよりも——。
(完璧じゃなくても、いいんだ)
そんなふうに思えたのは、生まれて初めてだった。
リムル様の腕の中で、シュナはそっと目を閉じた。
──
夜明け前。
窓の外がまだ薄暗い時間に、リムル様がそっと身体を起こす気配がした。
シュナは目を覚ましながらも、息を潜めてそのまま寝たふりを続けた。
リムル様は静かに服を着ると、シュナの髪を一度だけ優しく撫でて——それから、音もなく部屋を出ていった。
ドアが閉まる音。
シュナは目を開けた。
天井を見つめながら、胸の上で手をぎゅっと握る。
昨夜のことは夢じゃない。身体が覚えてる。
まだ少し、下腹部に痛みが残ってる。
(それでいい。それで……いいはず)
自分に言い聞かせるように、シュナはそう思った。
──
朝。
幹部会議の時間が来て、シュナは報告書を手にセントラルオフィスへ向かった。
いつもと同じように、背筋を伸ばして、きびきびと歩く。
会議室に入ると、もうリムル様が席に着いていた。
「おはようございます」
シュナは一礼して、自分の席に着く。
「おはよう。シュナ、北区の予算報告書を先に頼む」
リムル様の声は、普段通りだった。
昨夜の温もりの欠片もない、完璧に主従の顔。
「承知しました、リムル様」
シュナも完璧に答えた。
椅子に座り、報告書を開く。
その瞬間——。
左手首のかすり傷が、ジクリと痛んだ。
シュナは思わず傷を見る。
(昨夜のことは……夢じゃない)
でも、昼間の自分たちは何も変わっていない。
リムル様はいつものリムル様で。
私はいつもの私で。
(リムル様にとって、あの夜は……何だったんだろう)
ふと胸の中に、小さな疑問の種が落ちた。
──その影は、まだ薄いけれど、確かにシュナの心に残った。
会議が終わったあと、廊下でリムル様とすれ違った。
「シュナ、今日も助かったよ」
「当然です」
シュナは笑顔でそう答えた。
(当然です、だって私はリムル様の参謀ですから)
(リムル様の……なに?)
その答えは、まだ見つからない。
窓の外では、暁の市がそろそろ店じまいの時間を迎えていた。
リムルシティの午後はいつも通り、あたたかな日差しに包まれている。
シュナは一度だけ、後ろを振り返った。
リムル様はもう、階段の向こうに消えていた。
明日は、幹部会議にシオンが初めて出席する。
リムル様にべったりな、あの娘が——。
シュナの心の中の小さな影が、ほんの少し、大きくなった。Noveliaとは?
Noveliaは、AIでライトノベルや二次創作を「読んで・数タップで作って・キャラクターと会話できる」プラットフォームです。挿絵つきの新作が毎日届き、無料で始められます。