冷徹社長と秘密の夜〜キスは蜜より危険で〜
大手化粧品会社で働く平凡なOL、アマノ・ユイは、金曜日の会社の飲み会で泥酔してしまった。ふらふらとバーに迷い込んだ彼女は、そこで出会ったのは、信じられないほどハンサムだけど、少し怖い雰囲気の男性。銀色に輝く髪と冷たい青い瞳が印象的だった。「今夜だけでいい。何も聞かずに、君を抱かせてほしい」そう言われて、ユイの胸はおかしなほど高鳴った。普段なら逃げ出していた。でも、その日は少しだけ自暴自棄になっていたし、彼の瞳がひどく寂しそうに見えた。気がつけば、二人はホテルの一室にいた。彼のキスは、驚くほど熱くて、体の奥がきゅうっと疼いた。大きな手が服の下に滑り込んできて、ブラジャーのホックを外す手つきがあまりに手慣れていて、頭が真っ白になる。何度も名前を呼ばれて、ユイは人生で一番激しい夜を過ごした。翌朝、彼は夢のように消えていた。ところが、週明けの月曜日。社員総会で、新社長として皆の前に立ったのは、あの夜の男だった!「新しい社長のカザマ・レンだ」冷たい声でそう言った彼に、ユイは心臓が止まりそうになった。鋭い視線がユイを見つめる。けれど、あの夜の優しさは、かけらもない。「私とお前の関係は、社内では忘れ
冷徹社長と秘密の夜〜キスは蜜より危険で〜 - 今夜だけでいい――銀座の夜に溺れた私
金曜の夕方、オフィスの蛍光灯がやけにまぶしい。
アマノ・ユイはデスクの書類の山をぼんやり見つめていた。経費精算の紙がぐちゃぐちゃで、数字が目にしみる。入社五年目。都心の大手化粧品会社「ライズコスメティクス」本社、八階の総務部。窓からは六本木の高層ビルが見えるけど、ユイの毎日は紙とパソコンに埋もれてた。
お昼に買ったカフェラテのカップがもう冷たい。
(一般職って、こんなもんなのかな)
同期の女の子は去年寿退社した。先輩は仕事ができるけど、いつも疲れた顔してる。
華やかな化粧品会社のキラキラしたブランドロゴが、壁でニコニコしてる。
なんか、変な気分だった。
でも誰にも言えない。言ったら「甘えてる」って思われるかも。
ユイは机の下で、タイトスカートの膝をグーで押さえた。
「[excited]はい、みなさんお疲れ様でしたー!今夜は飲みますよ!」
終業五分前。隣の課のサワダ先輩がパンパンと手を叩く。
「[cold]あ、ちょっと今日は……」
「[laughing]ユイちゃん、ダメだよ〜!課の親睦会!新製品の売上好調祝いもあるんだから!」
断れなかった。
ユイは笑顔を作って、バッグを机に置いた。
店は新宿の安い居酒屋。
焼き鳥の煙とビールの匂いで髪がべたべたする。
「[laughing]ユイちゃん彼氏いないの〜?もったいないなー、ちゃんと食べてる?」
幹事の男性先輩が日本酒の一升瓶を持ってユイの隣に座る。三十代、既婚。指に結婚指輪が光ってるのに、ユイの肩をポンポン叩く。
「[laughing]そういう子がある日急に大胆になるんだよな(笑)」
周りがゲラゲラ笑った。
ユイも笑った。心の中で、(うるせえ)って思った。
でも口では、「[gentle]いやあ、全然ですよ〜」って言う。
(ああ、これだ。こうやって毎回流して、笑って、消耗していく)
気づいたら日本酒を三杯、四杯。お猪口じゃなくてコップで。
冷酒が喉にしみて、頭の奥が熱くなる。
トイレに立ったついでに、店の外に出た。
「もう、帰ろう」
足がふらふらして、気づくと駅と反対方向に歩いてた。
銀座の路地。ネオンがにじんで見える。
雑居ビルの前で足が止まった。
五階に、青い小さな看板があった。「ミッドナイト・ブルー」。
(バー、か)
別にバーなんて来たことない。居酒屋で十分だし。
でもなぜか、吸い込まれた。
エレベーターを降りると、ドア一枚だけの店だった。
開けると、ダークブルーのライトが照らす静かな空間。
カウンターが八席、奥に個室ブースが二つ。
五十代くらいのバーテンダーが静かにグラスを拭いてる。
「[gentle]お客さん、だいぶ酔ってるね。水出すから、とりあえず座って」
サカモトっていうこのマスターにうながされて、ユイはふらふらとカウンター席に座った。
(なんか、いい匂い)
お香みたいな、でももっと大人っぽい匂い。
と、そこで。
カウンターの端に、男がいた。
一人でウイスキーを飲んでる。
銀色の髪。短くて、ちょっとだけ長めの前髪が額にかかってる。
照明でキラキラして、まるで月の光みたいだった。
切れ長の目は、氷みたいな青色。
彫りの深い、きれいな顔。年は三十代前半くらい?
背が高い。座っててもわかる。
スーツの肩幅が広くて、手が大きい。
ユイが隣に座った時、男は一瞬だけこっちを見た。
青い目。
でも、すぐにウイスキーに戻った。
何も言わない。ただ、氷がカランと鳴るだけ。
(冷たい人だな)
ユイも黙って、マスターが出してくれた水を飲んだ。
でも、なぜかこの男から目が離せない。
(綺麗なのに、なんか、さびしそう)
青い目の奥が、底なしに暗い気がした。
ユイがぼんやり見てると、男がふいに口を開いた。
「[cold]一人か」
声が低い。ゾクッとするような、静かな声。
「[surprised]え……あ、はい」
「[cold]今夜だけでいい。何も聞かずに、俺に抱かれろ」
ユイの酔いが一気にちょっと醒めた。
(は?)
普通なら、速攻で席を立つセリフだ。
でも。
男の目が、ほんの一瞬だけ、揺れた。
(この人……さびしいんだ)
ユイの胸が、ドクンと鳴った。
流されるんじゃない。ユイの中で、何かがプツンと切れた音がした。
(私、今日、なんかムカついてた。
飲み会で、仕事で、自分の人生に。
だから——)
「[whispers]……うん」
ユイは、うなずいていた。
タクシーで着いたのは六本木の高級ホテル「ザ・オーキッド六本木」。
四十二階のスイートルーム。夜景が一面に広がって、東京タワーの灯がにじんだ。
男はドアを後ろ手に閉めると、ユイのあごに手をかけた。
大きな手。ゴツゴツしてるのに、指が長くてきれい。
「[cold]名前は聞かない。今夜だけだ」
低い声に、ユイの体が震えた。
怖いんじゃない。初めての感覚だった。
男の指が、ブラウスのボタンを一つずつはずしていく。
器用で、まったく迷いがない。
「[whispers]……あっ」
冷たい指が肌に触れた瞬間、ユイの口から変な声が出た。
男はユイの耳元に顔を寄せて、
「[cold]こんなに敏感なのに、今まで誰にも触れさせなかったのか」
(ばか、やめて)
恥ずかしさで顔が熱い。でも、男の指は止まらない。
ブラジャーを片手ではずしたかと思うと、むき出しになった胸の先を、指の腹でクルクルとまわした。
「[crying]や、あ……!」
腰が浮く。自分でも信じられないほど、体がピクピク反応する。
男はユイをベッドに押し倒した。
大きな手がスカートの中に入ってきて、ストッキングと下着をまとめて引き下ろす。
「[whispers]もう、こんなに濡れてる」
(見ないで!)
でも、声にならない。
男の中指が、ユイのまんこに触れる。
ぬる、と音がした。
「[crying]いやあぁ……!」
指が奥に入ってくる。グチュグチュって音が部屋に響いて、ユイは耳をふさぎたかった。
「[cold]声、我慢しなくていい」
男が耳元でそうささやくと、指の動きが速くなった。
奥の奥までかき回される。
ユイのお腹の奥が、ぎゅうっってなった。
「[crying]あ……っ、や、やだ、なんか、くる……!」
生まれて初めての感覚だった。
体の芯がグワッと熱くなって、頭が真っ白になる。
「[crying]イ、イく……! イっちゃう……!」
自分で何を言ってるかわからなかった。
男は容赦なく、指を奥に突き入れながら、親指でクリトリスをグッと押した。
バチン。
視界がスパークした。
「[crying]ああああぁぁっ!!」
腰がビクビクして、ユイは泣きながら絶頂した。
愛液が太ももを伝って、ベッドシーツを濡らす。
でも、終わらなかった。
男は服を脱ぐと、ユイの脚を大きく開かせた。
銀色の髪が汗で額に張りついている。
青い目が、獲物を見るようにユイをじっと見てる。
あらわになった男のペニスは、もうビンビンに勃起していた。
先走り汁が亀頭を濡らして、暗い部屋の中でテラテラ光ってる。
「[whispers]入れるぞ」
返事も待たずに、男はちんこをユイの膣口にあてがった。
グッ、と腰が押し込まれる。
「[crying]あ、あぁ……! は、はいってくる……!」
未経験じゃない。でも、こんなに奥まで届く感覚は初めてだった。
子宮の入り口をコツコツとノックされる。
男は無言で腰を振り始めた。
最初はゆっくり、でもだんだん速くなる。
パン、パン、パン。
肉と肉がぶつかる音が、スイートルームに響く。
「[crying]あっ、あっ、あっ、あっ……!」
ユイはもう、ただ喘ぐだけの人形みたいだった。
男のピストン運動に合わせて、ベッドがギシギシ軋む。
「[cold]中に出すぞ」
低い声が、ユイの耳の奥に突き刺さる。
「[crying]おねがい、なか、なかに……だして……!」
(何言ってるの私!?)
でも、もう止められない。
男のペニスが膣内でさらに硬くなり、
ドクン、ドクン。
熱い精液が、ユイの奥深くに注ぎ込まれる。
ザーメンの熱さを感じて、ユイはまたイってしまった。
「[crying]あ……あ……っ」
膣から白濁液が逆流して、太ももをベタベタに汚す。
男はまだ、ユイの中で硬さを保ったままだった。
気がつくと、男の腕の中で眠ってた。
大きな胸に顔をうずめて、ユイは子供みたいに寝息を立ててた。
(なんで、こんなに安心するんだろう)
名前も知らない男なのに。
翌朝。
朝日で目が覚めた。
ベッドに、誰もいない。
「……え?」
ユイはしばらく天井を見上げた。
ルームサービスのコーヒーだけがテーブルに置いてある。
男の気配はまったくなかった。
(夢、だったのかな)
でも。
体の奥がまだヒリヒリする。シーツに残ったシミが、昨夜のすべてが本当だったって教えてる。
ユイは起き上がって、コーヒーを一口飲んだ。冷めてる。
(後悔、してるのかな)
うん、多分してる。
でもね。
(初めて、自分で決めたんだ)
流されたんじゃない。あの瞬間、ユイは確かにうなずいた。
青い目の奥のさびしさに、自分から手を伸ばしたんだ。
土曜と日曜は、自分のアパートでぼんやり過ごした。
中野の1K、家賃七万八千円。
ベランダから遠くに新宿のビル群が見える小さな部屋で、ユイは何度もあの青い目を思い出した。
(もう会わない。それでいい)
そう言い聞かせるけど、胸がきゅっと痛い。
月曜の朝。
いつもの通勤電車に乗って、いつものオフィスに行く。
でも、何かが変わった気がして、ユイは落ち着かなかった。
朝のメールに、目を疑った。
【本日9時より、8階大会議室にて全社朝礼。新社長就任挨拶】
(ああ、そういえば会社買収されたんだっけ)
外資系投資会社がライズを買収したって噂は聞いてた。
でも、一般職のユイには遠い話で、実感なんてなかった。
大会議室に社員がぞろぞろ集まる。
「どんな人かな」「若いらしいよ」「カザマ・ホールディングスってシンガポールの会社でしょ」
ざわざわ。
ユイも後ろの方に立った。
「お静かに」
部長の声で、シンとなる。
「新代表取締役社長、カザマ・レン社長です」
壇上に、スーツ姿の男が上がった。
プラチナシルバーの髪。
凍てつく湖のような、冷たい青い目。
「[cold]カザマ・ホールディングス代表、そして本日よりライズコスメティクスの社長に就任した、カザマ・レンです」
ユイの頭が真っ白になった。
心臓が、バクバクバクバク。うるさい。
(あの人だ)
金曜の夜の、あの男。
壇上のカザマ・レンの視線が、会場を一瞬だけなめた。
そして——
ユイのところで、止まった。
たぶん一秒にも満たない。
でも、あの青い目が確かにユイを見た。
何かを確かめるみたいに。
そして、何事もなかったかのように前を向いた。
「[cold]ライズコスメティクスには、非効率な体質が残っている。今後は私のやり方で改革する」
声が遠くに聞こえる。
ユイは足が床に張り付いたみたいに動けなかった。
(社長。あの人が、社長)
スカートのポケットの中で、ユイの手がぎゅっと握られた。
あの夜のこと、なかったことになんて、できるわけなかった。