冷徹社長と秘密の夜〜キスは蜜より危険で〜
大手化粧品会社で働く平凡なOL、アマノ・ユイは、金曜日の会社の飲み会で泥酔してしまった。ふらふらとバーに迷い込んだ彼女は、そこで出会ったのは、信じられないほどハンサムだけど、少し怖い雰囲気の男性。銀色に輝く髪と冷たい青い瞳が印象的だった。「今夜だけでいい。何も聞かずに、君を抱かせてほしい」そう言われて、ユイの胸はおかしなほど高鳴った。普段なら逃げ出していた。でも、その日は少しだけ自暴自棄になっていたし、彼の瞳がひどく寂しそうに見えた。気がつけば、二人はホテルの一室にいた。彼のキスは、驚くほど熱くて、体の奥がきゅうっと疼いた。大きな手が服の下に滑り込んできて、ブラジャーのホックを外す手つきがあまりに手慣れていて、頭が真っ白になる。何度も名前を呼ばれて、ユイは人生で一番激しい夜を過ごした。翌朝、彼は夢のように消えていた。ところが、週明けの月曜日。社員総会で、新社長として皆の前に立ったのは、あの夜の男だった!「新しい社長のカザマ・レンだ」冷たい声でそう言った彼に、ユイは心臓が止まりそうになった。鋭い視線がユイを見つめる。けれど、あの夜の優しさは、かけらもない。「私とお前の関係は、社内では忘れ
冷徹社長と秘密の夜〜キスは蜜より危険で〜 - 昼は社長、夜は――エレベーターの壁に押さえつけられた
月曜の朝、ライズコスメティクス本社ビルの八階にある大会議室は、いつもと違う空気に包まれていた。
天井の蛍光灯がやけにまぶしくて、ユイは少しだけ目を細めた。周りには同僚たちがざわざわと立っている。みんな、今日はいつもより背筋が伸びているように見えた。
(今日、だよね)
新社長の就任挨拶。先週の金曜日にあの男と過ごした夜のことを、ユイはまだ整理できていなかった。体の奥に残る感触と、胸の真ん中にある小さな痛みが、別々のことを言っているみたいで、ずっと落ち着かない。
土曜も日曜も、部屋にこもってぼんやりしていた。中野のアパートの小さなベランダから、遠くに新宿の高層ビル群が見える。いつもなら気にならない景色なのに、あの夜からはどこか遠く感じた。
(それでいいんだ)
何度も自分に言い聞かせた。たった一夜のこと。名前も知らない相手。そう思おうとした。
「お静かに」
部長の声で、会議室がシンと静まりかえる。
「新代表取締役社長、カザマ・レン社長です」
壇上に、一人の男が上がった。
プラチナシルバーの髪。
氷のように冷たい、青い目。
ユイの頭が真っ白になった。
(あの人だ)
金曜の夜、銀座のバーで出会った男。あの夜、ユイの体を隅々まで知り尽くした男が、今、スーツを着て、社員たちを見下ろしている。
心臓がうるさい。バクバクと、肋骨の内側から叩かれているみたいだ。ユイは自分の足が床に張り付いてしまったように動けなかった。
壇上のレンの視線が、会場を一瞬だけなめた。
そして——
ユイのところで、止まった。
たぶん、一秒にも満たない時間だった。でも、あの青い目が確かにユイを見た。何かを確かめるみたいに。そして、何事もなかったかのように前を向いた。
「[cold]カザマ・ホールディングス代表、そして本日よりライズコスメティクスの社長に就任した、カザマ・レンです」
声が遠くに聞こえる。あの夜、耳元で囁かれた声と同じ声なのに、今はまったく違う温度を持っている。
「[cold]ライズコスメティクスには、非効率な体質が残っている。今後は私のやり方で改革する」
会議室の空気が、一段と冷たくなった気がした。
レンは手元のタブレットに視線を落とすこともなく、淡々と言葉を紡いだ。
「[cold]非合理なコストは即刻排除する」
そして、彼は一人の男性社員に視線を向けた。
「[cold]ハラダ主任。あなたの業務は外注化が適切です。来月付けで対応します」
会議室が、氷点下の沈黙に包まれた。
ハラダという名のベテラン社員が、言葉を失って立ち尽くしている。四十六歳、業務管理部。ユイも名前くらいは知っている中堅社員だった。
「[whispers]あの人、ほんとに容赦ないね……」
隣に立っていた女性社員が、震える声で呟いた。
ユイは返事ができなかった。
壇上のレンは、まったく表情を変えていない。あの夜、一瞬だけ見せた寂しげな瞳は、今は厚い氷の下に閉じ込められてしまったみたいだ。
(この人が、社長)
ユイは自分のスカートのポケットの中で、手をぎゅっと握りしめた。
どうすればいいのか、まったくわからなかった。
説明会が終わると、社員たちは重い足取りで会議室を後にした。みんなの顔に、不安と恐怖が滲んでいる。ユイも自分のデスクに戻ったが、書類の文字がまったく頭に入ってこなかった。
昼休みが近づいた頃、デスクの内線電話が鳴った。
「[gentle]社長がお呼びです。至急、社長室までお越しください」
受話器から聞こえた秘書の声に、ユイの胸がぎゅっとなった。
(呼び出し……?)
十六階の社長室へは、役員用のエレベーターでしか行けない。一般職のユイが来るような場所じゃない。
それでも、行くしかなかった。
社長室のドアをノックする。
「[cold]入れ」
中は広かった。大きなガラス窓から六本木の街並みが一望できる。部屋の中央には重厚な社長デスクがあって、レンはその向こうに座っていた。
ユイは部屋に入ると、ドアの前で立ち止まった。
レンは書類から目を上げない。
「[cold]あの夜のことは忘れろ」
低く、冷たい声だった。
「[cold]これは会社だ。君は一般職社員で、俺は社長だ。それ以上でも以下でもない」
ユイは何も言えなかった。
言い返せないんじゃない。言う言葉が出てこないんだ。喉の奥に、何かがつっかえている感覚。飲み込めない石みたいなものが、じっとそこにある。
(わかってる。わかってるけど)
レンはようやく顔を上げた。青い目が、ユイを射抜く。
「[cold]わかったな」
命令だった。質問じゃない。
「……はい」
ユイは自分の声が、別人のように小さくて弱いと思った。
レンはもう書類に視線を戻している。
ユイは黙って一礼すると、社長室を出た。
廊下に出た瞬間、深く息を吸った。
(わかった。でも——なんで、あなたのほうが先に忘れようとしてるの)
その感情が、ユイの胸の底に静かに落ちた。
流されているだけじゃない。今までみたいに、ただ笑ってやり過ごして消耗しているだけの自分じゃない。
ハッキリとした形のない、でも確かに自分の中に生まれた何か。ユイはまだ、この感情が何なのかを理解していなかった。
木曜の夜、ユイは終電間際まで残業していた。
経費精算の締め切りが近くて、処理しなきゃいけない書類が山積みだった。ほかの社員たちはとっくに帰っている。八階のオフィスには、ユイ一人だけが残っていた。
(こんな時間か)
時計を見ると、二十三時を過ぎている。ユイはバッグを手に取って、オフィスを出た。
エレベーターのボタンを押す。
チン、と軽い音がして、ドアが開く。
乗り込んで、閉ボタンを押そうとした——その瞬間。
すっと、誰かの手がドアの隙間に入り込んだ。
ドアが開く。
カザマ・レンだった。
ユイの呼吸が止まる。
レンは無言でエレベーターに乗り込むと、閉ボタンを押した。
二人だけの、密室。
ユイは無意識に、壁際に寄ろうとした。
その肩を、レンの大きな手が掴んだ。
バン、と背中が壁に当たる。
「[whispers]動くな」
違う声だった。昼間の冷たい命令口調じゃない。あの夜の、低くて熱っぽい声。
ユイの心臓が暴れ出す。口を開こうとしたけど、声が出ない。
レンの顔が近づいてくる。青い目が、暗いエレベーターの中でぎらついている。
「[whispers]君の体を思い出すと、仕事に集中できなくて困る」
耳元に吹き込まれた声に、ユイの背中がゾクゾクした。
(昼は忘れろって言ったのに、そんなの——)
思う暇もなかった。
レンの指がユイのあごを捕らえて、上向かせる。
そして唇が、重なった。
深く、容赦なく。
熱い舌がユイの口の中に入り込んで、歯列をなぞり、舌を絡め取る。苦しいほどに深いキス。スーツ越しにレンの体が押しつけられて、ユイは壁に寄りかかるしかなかった。
力が抜ける。頭がぼんやりする。
やっと唇が離れた時、ユイは息ができなくて、はあはあと肩で呼吸した。
でもレンは、すぐに離れなかった。
ユイの耳に唇を寄せたまま、ゆっくりと囁く。
「[whispers]昼は忘れろと言った。でも——夜は俺のほうが先に忘れられない」
チン、とエレベーターの到着音が鳴った。
八階でドアが開く。
レンはなにごともなかったようにユイから離れると、開いたドアから廊下へ出ていく。振り返りもしない。
ユイは、しばらく動けなかった。
開いたままのドアの前で、壁にもたれて、ただ震えているだけだった。
(昼間の顔と、夜の顔。どっちが本当なの)
答えは出なかった。でも、ユイの体はもう、レンの指の感触を覚えていて、下着の中がじんわりと濡れているのを感じていた。
その夜、ユイはまたレンと一緒に六本木の高級ホテルへ向かった。
部屋に入るとすぐに、レンはユイをベッドに押し倒した。
「[cold]忘れろと言ったのは誰だったか」
ユイのスーツの上着を剥ぎ取りながら、レンは低く問う。
「[whispers]私、に……言われたけど」
「[cold]そうだ。でも——」
ブラウスのボタンが弾ける。冷たい指がむき出しの鎖骨をなぞった。
「[whispers]俺がそれを守れない」
吐き捨てるような声と同時に、レンの唇がユイの首筋に吸いついた。
「[crying]んっ、あ……!」
ブラジャーが押し上げられて、むき出しになった胸の先を、レンの指がクルクルと弄ぶ。親指と人差し指で摘みながら、コリコリと押し潰す。
「[whispers]声を出せ。誰も来ない」
レンはそう囁くと、乳首を口に含んだ。熱い舌が、固くなった突起をねっとりと舐め上げる。
「[crying]ああ……っ! や、やだぁ……!」
ユイの腰が浮く。自分でも信じられないくらい敏感になっていて、触られるたびにビクビクと全身が震えた。
レンの手が、タイトスカートの中に入ってくる。ストッキングと下着をまとめて引き下ろされて、太ももがむき出しになった。
「[whispers]前より、もっと濡れてる」
レンの中指が、ユイのまんこに触れた。
グチュ、と小さな水音がする。
「[crying]や、見ないで……!」
「[whispers]恥ずかしがっても遅い」
指が、ぬるぬると奥まで入ってくる。ユイの膣壁をゆっくりと広げながら、指の腹で内部を探る。
「[whispers]ここ、前より感じるだろ」
レンが指を曲げて、ある一点をグッと押した瞬間——
「[crying]あああっ! や、そこ……!」
子宮の入り口をノックされる感覚に、ユイの視界が一瞬で白く染まった。快感が背骨を駆け上がって、頭の奥で爆発する。
「[crying]イ、イく……イっちゃう……!」
レンは容赦なく、親指でクリトリスを押し潰しながら、膣内の指を激しく動かした。
ビチャビチャと愛液が飛び散る音が、静かな部屋に響く。
「[crying]ああああぁぁっ!!」
腰が大きく跳ねて、ユイは泣きながら絶頂した。膣がキューッとレンの指を締めつけて、太ももの内側を透明な蜜が伝っていく。
でも、終わらなかった。
レンは自分の服を脱ぐと、硬く勃起したペニスをさらけ出した。先走り汁で亀頭がテカテカと光っている。ビンビンにそそり立ったちんこが、ユイの膣口にあてがわれた。
「[whispers]今度は俺が欲しい」
レンはそう言うと、一気に腰を突き入れた。
「[crying]あ、ああぁ……! は、入ってくる……奥まで……!」
ペニスが膣壁を擦り上げながら、奥深くまで届く。子宮の口をコツコツとノックされて、お腹の奥がぎゅうっとなる。
レンは無言で腰を振り始めた。
最初はゆっくり、でもすぐに激しくなる。
パン、パン、パン。
肉と肉がぶつかる音が、スイートルームにテンポよく響いた。
「[crying]あっ、あっ、あっ、あっ……!」
ユイはもう、ただ喘ぐだけの人形みたいだった。レンのピストン運動に合わせて、ベッドがギシギシ軋む。
レンがユイの脚を持ち上げて、肩にかける。奥まで入りやすくする体位。
ドチュン、ドチュン、と深い場所を突かれるたびに、ユイは声が出せなくなる。
「[whispers]中に出すぞ」
低い声が、ユイの耳の奥に刺さる。
「[crying]だして……中に、だしてほしい……!」
自分で何を言っているのか、もはやわからなかった。
レンが最後にグッと奥まで押し込んだ瞬間、
ドクン、ドクン。
熱い精子が、ユイの膣内深くに注ぎ込まれる。熱い。ザーメンの熱さを感じて、ユイはまたイってしまった。
「[crying]あ……あ……っ」
レンがゆっくりとペニスを抜くと、白濁液が膣口からどろりと逆流して、シーツを汚した。
ユイがぼんやりしたまま目を開けると、ベッドサイドのデスクの上に写真立てがあるのが見えた。
若い女性の写真。銀色の長い髪、優しそうな微笑み。
(この人……)
誰なのか、聞けなかった。
聞いていいのかどうかも、わからなかった。
レンは何も言わない。
ユイは、また胸の奥に小さな痛みを感じた。
翌週の金曜日、正午。
デスクで書類整理をしていると、すぐ近くに立った誰かの気配に気づいた。
「[gentle]ユイさん」
顔を上げると、直属の上司であるサワダ・タクミが立っていた。二十九歳、短く清潔感のある黒髪。少しだけ茶色がかかっている。知的で柔らかい印象の、優しい茶色の目が、眼鏡越しにユイを見ている。
「[surprised]あ、はい? なんですか?」
「[gentle]ランチ、行かない? たまには息抜きも必要だよ」
珍しかった。サワダは周りをよく見ていて細かい気配りができる人だけど、普段はあまり個別に誘うようなタイプじゃない。
会社近くの定食屋は、昼時で混雑していた。二人は奥のテーブル席に座って、サワダはカレーを、ユイは日替わり定食を頼んだ。
「[gentle]最近、忙しそうだね。残業も多いみたいだし」
「[gentle]あ、いや、そんなことないですよ。経費精算が溜まってるだけなので」
サワダはカレーを一口食べると、何気ない口調で言った。
「[serious]ユイさん、新社長とはなるべく距離を置いたほうがいいと思う」
ユイの手が、箸を持ったまま止まった。
「[surprised]……え?」
「[gentle]あの人、単純なビジネスマンじゃないから」
心臓が、どくんと跳ねた。
(なんで、そんなことを)
ユイは笑顔を作った。
「[gentle]なんで、そう思うんですか?」
サワダは少し困ったように眉を下げて、カレーをスプーンでゆっくりかき混ぜた。
「[sad]うまく言えないけど……あの買収、普通じゃないんだよね。なんか、調べてることがある気がして」
「[surprised]調べてること……?」
「[serious]うん。買収前から、社内のデータをかなり細かく分析してたみたいで。それって、単なる投資目的だけじゃ説明がつかないんだ」
ユイは黙って話を聞いていた。
頭の中では、昨夜の写真立てがぐるぐると回っている。
(あの女性は、誰? 社長は、何のためにこの会社を買収したの)
「[gentle]だから、あまり深く関わらないほうが安全だと思う。ユイさん、真面目だから引き込まれちゃいそうで」
サワダはそう言うと、困ったように笑った。
「[gentle]あ、もちろん僕の個人的な意見だから、気にしすぎないでほしいんだけどね」
「……ありがとうございます。気をつけます」
ユイはそう言って、笑顔で受け流した。でも、心の中はザワザワしていた。
(サワダ先輩は、本気で心配してくれてるのかもしれない。それとも、別の理由があるのかな)
食堂を出る時、サワダがさりげなくユイの持っていた書類の束を半分持った。
「[gentle]重かったろ。八階まで一緒に運ぶよ」
(ああ、この人は本当に優しいんだ)
ユイは初めて、サワダが自分のことをずっと気にかけてくれているんだと気づいた。その眼差しには、上司としての心配だけじゃない、何か別の感情が混じっているようにも見えた。
でも、今はまだ判断できない。
その夜、自宅のアパートに帰って、ユイは疲れた体をベッドに投げ出した。
すると、スマホが短く震えた。
メッセージが一通。
【今夜会える?】
差出人は、カザマ・レン。
ユイは数秒、迷った。
(サワダ先輩の忠告。写真立ての女性。わからないことが多すぎる)
でも、指はもう動いていた。
【はい。どこに行けばいいですか】
送信。
ユイはスマホを握りしめたまま、天井を見上げた。
後戻りできない。もう、とっくにできなくなっていたんだ。
それでも——
(今夜も、きっとあなたに触れてしまう)
窓の外に、東京の夜景が広がっている。遠くで東京タワーの灯が、赤くキラキラと瞬いていた。
ユイの胸の奥で、昼の顔と夜の顔がぐちゃぐちゃに混ざり合って、ぐるぐると渦を巻いている。
答えはまだ出ない。
でも、今はただ、レンの指を求める自分がいることを、ユイはもう否定できなかった。