冷徹社長と秘密の夜〜キスは蜜より危険で〜
大手化粧品会社で働く平凡なOL、アマノ・ユイは、金曜日の会社の飲み会で泥酔してしまった。ふらふらとバーに迷い込んだ彼女は、そこで出会ったのは、信じられないほどハンサムだけど、少し怖い雰囲気の男性。銀色に輝く髪と冷たい青い瞳が印象的だった。「今夜だけでいい。何も聞かずに、君を抱かせてほしい」そう言われて、ユイの胸はおかしなほど高鳴った。普段なら逃げ出していた。でも、その日は少しだけ自暴自棄になっていたし、彼の瞳がひどく寂しそうに見えた。気がつけば、二人はホテルの一室にいた。彼のキスは、驚くほど熱くて、体の奥がきゅうっと疼いた。大きな手が服の下に滑り込んできて、ブラジャーのホックを外す手つきがあまりに手慣れていて、頭が真っ白になる。何度も名前を呼ばれて、ユイは人生で一番激しい夜を過ごした。翌朝、彼は夢のように消えていた。ところが、週明けの月曜日。社員総会で、新社長として皆の前に立ったのは、あの夜の男だった!「新しい社長のカザマ・レンだ」冷たい声でそう言った彼に、ユイは心臓が止まりそうになった。鋭い視線がユイを見つめる。けれど、あの夜の優しさは、かけらもない。「私とお前の関係は、社内では忘れ
冷徹社長と秘密の夜〜キスは蜜より危険で〜 - 星空の露天風呂――仮面を外した男の背中
十一月の冷たい空気が、箱根の山を静かに包んでいた。
ライズコスメティクスの社員旅行でやってきた旅館「星月亭」は、山の中にひっそりと佇む老舗だった。総務部の面々は午後二時過ぎに到着し、旅館のスタッフから温かいおしぼりと抹茶を出迎えられて、ほっとした笑顔を見せている。
ユイは旅館のロビーで、周りの同僚たちの楽しそうな声を聞きながら、胸の奥に小さな重りがあるのを感じていた。
(レンさんも、この旅館にいる)
経営視察という名目で、社長のレンは同じ旅館に宿泊している。総務部の社員たちと同じバスではなかったけれど、もう到着しているはずだった。
それなのに、姿を見せない。
(会いたいような、会いたくないような)
ここ二週間、ユイとレンの秘密の逢瀬は続いていた。誰にも言えない、夜だけの関係。昼間は冷たい社長と一社員。でも夜は、あの大きな手がユイの体を隅々まで知り尽くしていて、耳元で名前を呼ぶ声が、頭から離れない。
(こんなのおかしいって、わかってるのに)
ユイは、旅館の窓から見える紅葉の山をぼんやりと眺めた。赤や黄色の葉が、風に揺れてキラキラしている。
夕方、ウェルカムドリンクの時間になった。
宴会場の広間に、社員たちが集められている。ビールやソフトドリンクを手に、ざわざわとおしゃべりしていた。
ざわつきが、ふっと静まった。
レンが入ってきたのだ。
プラチナシルバーの髪は、旅館の柔らかな照明の下でも冷たく光っている。切れ長の青い目は無表情で、社員たちを一瞥すらしなかった。背筋の伸びた立ち姿は、旅館の和の空間でも異様なほどに様になっている。
「[cold]今日はゆっくり休んで、明日からの業務に備えてほしい」
淡々とした短い挨拶。社員たちは、緊張した面持ちでグラスを掲げた。
ユイは同僚のミホと山本さんと一緒に、隅の方の小さなテーブルについていた。レンの視線が、会場を一瞬走る。
ユイと目が合った。
でも、レンはすぐに視線を外した。まるで、そこには何もないみたいに。
(……わかってる)
これが、二人のルールだ。昼間は他人。むしろ、冷たいくらいの距離を置く。そうしないと、何かを壊してしまうから。
でも、胸の真ん中が、ぎゅっと痛んだ。
同じ旅館の中にいるのに、こんなに遠い。触れたくても、声をかけたくても、周りの目があるから何もできない。
(私、何してるんだろう)
ユイは手に持ったグラスの水滴を、指でなぞった。
夜の宴会が始まった。
宴会場には、料理がずらりと並んでいる。湯葉豆腐に、ふっくらした天ぷら、山菜の炊き込みご飯。社員たちはお酒が進むにつれて、だんだんと声が大きくなっていった。
ユイはサワダの隣の席だった。サワダはいつも通り、穏やかな笑顔で周りの話を聞いている。
「[gentle]ユイさん、お酒足りてる? 無理して飲まなくていいんだよ」
サワダが、ユイのグラスをチラリと見て言った。
「[gentle]あ、大丈夫です。ありがとうございます」
ユイは笑顔を作った。
サワダは少しだけ間を置いてから、さりげない口調で言った。
「[gentle]社長、今日もあんまり笑わないね。いつもあんな感じなのかな」
ユイの心臓が、ドクンと跳ねた。
「[gentle]そう、ですかね……わかんないですけど」
サワダは手に持ったお猪口をゆっくりと傾けて、日本酒を一口含んだ。
「[gentle]ユイさんって、なんか社長のこと気になってたりする?」
直球だった。
ユイは、持っていた箸を落としそうになった。
(なんで、そんなこと聞くの?)
サワダの優しい茶色の目が、ユイをじっと見ている。その目は、単なる上司の心配というより、何か別の感情が混じっているように見えた。
「[surprised]え、なんで、全然ですよ! 社長はすごく怖いし、そんな……」
声が少し裏返った。自分でもわかるくらい、あからさまな反応だった。
サワダは「そっか」と小さく言って、少し寂しそうに目を伏せた。
「[sad]……うん、そうだよね。でも、僕はまだあの人には近づきすぎないほうがいいって思ってる」
その言葉が、前にも聞いた忠告と同じで、ユイの胸に小さな棘を刺した。
(わかってる。わかってるけど……)
ユイは話をそらすために、料理の話を始めた。
宴会が終わり、ユイは自分の部屋に戻った。同室のミホは、まだ別の同僚と二次会に行くと言って出ていった。
ユイは一人、浴衣に着替えて窓辺に座った。山の静けさが、部屋の中までしんと染み込んでくる。
その時、スマホが短く震えた。
【貸切露天風呂。深夜0時。来い】
差出人は、カザマ・レン。
ユイはスマホを握りしめたまま、しばらく動けなかった。
(行くなって、サワダ先輩に言われたばかりなのに)
でも、指はもう返信を打っていた。
【わかりました】
深夜0時過ぎ、ユイは旅館の廊下を抜けて、敷地の奥へと続く石畳の小道を歩いた。冷たい空気が、浴衣の袖から入り込んで肌を刺す。吐く息が白い。
貸切露天風呂は、木々に囲まれた奥まった場所にあった。
脱衣所の小さな明かりだけが、ぼんやりと闇を照らしている。
ユイが引き戸を開けると、湯気がふわっと立ち上った。
満天の星空の下、レンはすでに湯の中にいた。
肩まで浸かり、空を見上げている。濡れたプラチナシルバーの髪が、湯の光を反射してキラキラと揺れていた。岩場に置かれた小さな行燈の灯りが、レンの横顔を柔らかく浮かび上がらせる。
「[cold]来たか」
レンは振り返らずに言った。
ユイは帯に手をかけた。浴衣の下は何も着けていない。帯がほどけて、浴衣がはらりと足元に落ちた。
ひんやりした空気に肌が縮こまる。
レンが湯の中から立ち上がった。
露わになった体は、鍛え上げられていて、胸の筋肉が湯の雫を光らせている。濡れた銀髪が額に張りつき、氷のような青い目が、ユイだけをじっと見つめていた。
大きな手が、ユイの腰を引き寄せる。
「[whispers]冷えてるな」
そのまま、レンはユイの体を抱きしめるように、湯の中へと導いた。熱い湯が、冷えた肌に染みて、ユイの口からはあ、と吐息が漏れる。
レンはユイのあごに手をかけると、上向かせて、唇を重ねた。
最初は軽く、触れるだけのキス。でも、すぐに深くなる。
舌が入り込んできて、口の中を探られる。ユイの舌を吸い上げられて、腰のあたりがゾクゾクした。
「[whispers]ん……っ、ふ」
唇が離れると、銀色の糸が星空の光にキラリと光った。
レンはユイの体を岩場の縁に座らせた。腰のあたりまで湯に浸かったまま、胸だけが星空に晒される。
大きな手が、ユイの胸を下から包み込む。
「[whispers]お前のここ、こうされるのが好きだったな」
指の腹が、乳首の先をゆっくりとクルクルと転がした。
「[crying]あ……っ」
ピリッとした快感が背筋を走る。湯に浸かっている下半身とは別に、胸の先だけがジンジンと熱くなっていく。
レンのもう一方の手が、湯の中でユイの太ももを撫で上げた。そのまま、脚の間へと進む。
「[whispers]声、我慢しなくていい。ここは誰にも聞こえない」
低い声が、耳の奥を震わせる。
長い中指が、ユイの秘所をなぞった。もう、そこは湯とは違う熱いもので、とろりと濡れている。
「[whispers]こんなに濡らして。俺に来いと言われて、期待してたのか」
(違う……そうだけど、違う……!)
恥ずかしさで頭がぐらぐらする。でも、体は正直で、レンの指を奥へ奥へと招き入れてしまう。
ぬちゅ、と音がして、中指が膣の中に入ってきた。
「[crying]ひゃ……っ」
レンの指は、膣の内側のざらざらした場所を、グッと押し上げた。
「[whispers]ここだな。お前がすぐイく場所は」
「[crying]や、ちが、そこ、だめ……!」
レンの指が、容赦なくその場所をノックし始める。親指が、クリトリスをグリグリと潰す。
「[crying]あっ、ああっ、イく、もうイっちゃう……!!」
ユイの腰が、ビクンビクンと勝手に跳ねた。頭が真っ白になる。湯の中で足の指がぎゅっと丸まった。
「[whispers]イけ」
その一言で、ユイは絶頂に突き落とされた。
「[crying]ああああぁっ!!」
膣がレンの指をぎゅうぎゅうと締め付ける。愛液が指を伝って、湯に溶けていった。
でも、レンは止まらなかった。
まだビクビクしているユイの体を抱え上げると、レンは自分も岩場に腰掛け、ユイを自分の上に跨らせた。
すでにビンビンに勃起したペニスが、湯の中でユイの膣口にあてがわれる。
「[whispers]自分で入れろ」
「[crying]む、むり……」
「[cold]できる。俺が教えたのを思い出せ」
ユイは震える手で、レンのペニスを支えた。熱くて硬い。拳を握ったくらいの太さがある。
(こんなの、入るのかな……)
でも、体はもう欲しがっている。
腰をゆっくりと下ろしていく。亀頭が膣口をこじ開ける感覚。
「[crying]あ……ああぁ……!」
ずぶずぶと、奥まで入ってくる。体の真ん中を、熱い鉄の棒で貫かれているみたいだ。
「[whispers]全部入った。いい子だ」
レンの声が、少しだけ柔らかくなった。
ユイはレンの首にしがみつきながら、必死で呼吸を整える。子宮の入り口を、亀頭がコツンとノックしている。
レンの手がユイの腰を掴んだ。
「[cold]動くぞ」
下から、激しく突き上げられる。
「[crying]あっ、あっ、あっ、あっ……!」
湯が波立って、バシャバシャと岩場に当たる音が、夜の静寂に響く。
「[whispers]ここが好きか。ここが俺のちんこを締め付けて、すごいよだれが出てるぞ」
耳元で囁かれる卑猥な言葉に、体の奥がきゅんと反応する。
「[crying]すき……好きです……っ」
ユイは泣きながら、レンの背中に爪を立てた。
「[whispers]俺のこともっと欲しいか」
「[crying]ほし、欲しい……もっと、奥に……!」
レンのピストンが速くなる。ペニスが膣壁を擦り上げ、奥を突き、ユイの中の気持ちいいところを全部同時に刺激してくる。
「[crying]また、イく……イっちゃう……!!」
「[cold]イけ。お前の中に出すぞ」
「[crying]だして……奥に、ちょうだい……!!」
ドクン、ドクン。
レンのペニスが膣内でさらに膨らみ、熱い精液が子宮の入り口にぶつかるように放たれた。
「[crying]あ……あ……っ」
ザーメンが注ぎ込まれる感覚で、ユイも三度目の絶頂に達した。腰がガクガクと震え、レンの胸に倒れ込む。
しばらく、二人は荒い息を整えながら、星空を見上げていた。
体はまだ湯に浸かっていて、レンのペニスがユイの中でゆっくりと萎えていくのを感じる。
レンは無言だった。
でも、その無言が、さっきまでの激しさとは違う、別の何かを感じさせた。
その時、レンが片手で岩場に置いてあったスマホを取り上げた。画面をタップして、ユイに差し出す。
「[cold]……妹だ」
画面には、笑顔の若い女性が写っていた。柔らかな茶色の髪。目元が、レンと少しだけ似ている。
ユイは息を呑んだ。
それだけ言うと、レンはすぐに画面を消した。
そして、また静かに星空を見上げる。
レンの横顔に、ほんの一瞬だけ、深い痛みが滲んだ。
(この人、どこかに傷があるんだ)
ユイの胸の中で、何かが音を立てて変わった。
これは、ただの秘密の関係じゃない。
この人の、もっと深いところに、触れたい。
その痛みを、少しでもわかってあげたい。
(ああ、私——)
ユイは静かに、はっきりと自覚した。
(この人が、好きだ)
胸が苦しくて、泣きそうだった。
翌朝。
ユイはチェックアウトの時間まで、旅館の周りを散歩していた。昨夜のことが、頭から離れない。
旅館の廊下を歩いていると、声が聞こえた。
見ると、レンが廊下で、営業部のミナミと立ち話をしている。ミナミは華やかな美人で、明るい笑顔をレンに向けていた。
「[excited]社長、昨夜はゆっくり休めました? 箱根、いいですよね!」
レンは、ほんのわずかだが表情を緩めて、何か短く答えた。
その瞬間、ユイの胸が、ずきりと痛んだ。
(なんで。なんで今、こんな気持ちになるの)
二人の関係は、ただの秘密の逢瀬だ。独占できる権利なんて、どこにもない。
でも、胸の痛みは消えない。
(ああ、これが、嫉妬ってやつなんだ)
ユイは、初めて自分の感情に気づいて、立ちすくんだ。
帰りのバスの中、ユイは窓の外の流れる景色をぼんやりと見つめていた。
昨夜の「妹」というレンの言葉。
サワダの「あの買収、普通じゃないんだよね」という忠告。
それらが、交互に頭の中を巡る。
(レンさんは、何かを抱えている)
わかるのは、それだけ。でも、何を——その答えに、自分はたどり着いていいのか。
ユイが迷いを抱えたまま東京へ戻ったその同じ日。
サワダは自分のデスクで、パソコンに向かっていた。画面には、カザマ・ホールディングスとライズコスメティクス買収の経緯をまとめた記事が表示されている。
彼は、マウスをスクロールする指を止めた。
画面には、8年前の記事。「ライズコスメティクス、美白化粧品で集団皮膚障害——被害者数十名に」
サワダは、静かに眼鏡の位置を直した。
(……これだ。社長が追っているのは)
彼の目が、真剣な光を帯びた。