メタルギア学園:スネークの受難
転校初日、校門の坂道を全速力で駆け上がったソリッド・スネークは、運悪く女子生徒と衝突。オレンジジュースまみれになった制服、冷たい視線の風紀委員長、なぜか学園中に広まるセクハラの噂——。人工島ウムウェルト島に広がる超巨大学園で、彼を待っていたのは最悪のスタートだった。しかも生徒会長から告げられたのは「特別監視対象」への指定。監視役は、あのジュース事件の相手・メリル。反発し合う二人の、険悪きわまりない関係が始まる。だがスネークには、この学園に来た秘密の理由があり——。ラブコメ×学園サスペンス、ここに開幕。
メタルギア学園:スネークの受難 - 地下からの脱出~初めて噛み合う二人の連携~
冷たい。
頬に触れるコンクリートの感触で、ソリッド・スネークは目を覚ました。
頭が重い。体が鉛のように沈む。左眉の古い傷跡が、ひどく鈍く疼いていた。
「……っ、ここは」
声が、やけに遠くに響く。
目を開ける。
視界に飛び込んできたのは、赤い光だった。
非常灯。天井の隅で、一つだけ、点滅している。
赤と、闇。それだけの世界。
スネークは、ゆっくりと体を起こした。背中が痛む。肩が重い。落下した衝撃が、まだ全身に残っている。
(そうだ……あのガスを吸って、それで——)
思い出す。地下倉庫。睡眠ガス。意識を失う直前、メリルを抱き寄せたこと。
「メリル!」
叫んだ。声が、壁に跳ね返って、自分に返ってくる。
返事は、ない。
(くそ……どこだ)
スネークは、赤い光を頼りに、周囲を探った。
すぐ近くに、倒れている人影が見えた。
「メリル……!」
スネークは、その人影に駆け寄った。
壁際。
メリル・シルバーバーグが、横たわっていた。
肩までの栗色の髪が、乱れて、顔にかかっている。左耳の小さなピアスが、非常灯の赤を反射して、ちかり、と光った。
「おい、メリル。起きろ」
スネークは、メリルの肩を揺すった。
「……ん」
メリルの瞼が、微かに動く。
「メリル!」
「……スネーク?」
メリルが、ゆっくりと目を開けた。
意思の強そうな琥珀色の瞳が、不安で揺れている。
「大丈夫か。どこか痛むか」
「……大丈夫。それより、あのガス……」
「ああ。睡眠ガスだ。俺たちは、気を失ってただけだ」
スネークは、メリルに手を貸して、体を起こさせた。
「……あれ」
メリルが、自分の肩に触れた。
スネークの学ランが、かかっている。
「これ、あんたの……」
「ああ。寒かっただろ。着てろ」
「……あんた、自分は平気なの?」
「平気だ。俺は寒さに強い」
「……嘘。手、真っ青じゃない」
メリルが、スネークの手を見て言った。
スネークは、苦笑いした。
「ったく、面倒くせぇな。黙って着とけ」
「……ありがと」
小さな声だった。
メリルは、スネークの学ランをぎゅっと握りしめた。
(こいつ……今、俺の上着を握ってる)
スネークは、その仕草に気づいて、胸の奥が少し温かくなった。
(なんで、たかが上着一枚で、そんな顔をするんだ)
スネークは、メリルの顔を見た。
彼女の頬は、まだ少し青ざめていた。でも、その瞳は、さっきよりも少しだけ、強い光を取り戻していた。
「……行こう。出口を探す」
スネークは、立ち上がった。
その時だった。
ブブブブ——。
ポケットの中で、スマホが震えた。
「……圏外じゃなかったのか?」
スネークは、スマホを取り出した。
画面に表示された名前。
『オタコン』
「オタコンからだ!」
スネークは、すぐに通話ボタンを押した。
「スネークくん! よかった、繋がった!」
スマホの向こうから、聞き覚えのある早口の声が飛び込んでくる。
「オタコン! 無事だったのか!」
「うん、僕は大丈夫! それより、君たちこそ無事でよかった! 今、外部から学園の地下施設のシステムにハッキングしてるんだよ! すごいだろ!」
「ハッキングだと? お前、そんなことまでできるのか」
「情報屋を舐めちゃいけないよ。これでも、学園の裏サイト『ハウンドネット』の管理人だからね。学園のセキュリティなんて、僕にかかれば朝飯前さ!」
「……助かる。それで、出口はわかるのか」
「ああ、それがね。君たちが今いる場所は、地下施設の第一倉庫だ。そこから出るには、南側の電子ロックを解除する必要がある。もう少し待ってて。今、解除コードを送り込んでる」
「わかった。それと、エレンはどうなった」
「……それが、エレンさんは、もっと深い場所に監禁されてるみたいなんだ。地下施設の見取り図の断片を解析したんだけど、最深部に『特別拘束室』って部屋がある。おそらく、そこに」
「最深部か……」
「うん。それと、気になることがもう一つ。その最深部には、『メタルギア格納庫』って書かれた区画もあって——」
「メタルギア……」
スネークの表情が、引き締まった。
学園の地下に眠る、謎の巨大ロボット。オタコンが調べていた、あの噂。
「詳しい話は後で。まずは、君たちを脱出させる。エレンさんを助けに行くにしても、安全なルートを確保してからだ」
「ああ、頼む」
「よし、ロック解除完了! 南側の扉が開いたよ! そこから出て、通路をまっすぐ進んで。案内は、僕の指示に従って!」
「了解」
通話は、切れなかった。
オタコンは、そのまま音声案内を続けるようだった。
「……オタコン、無事だったのね」
メリルが、ほっとしたように言った。
「ああ。あいつ、意外と頼りになる」
「……あんたの友達でしょ。もっと信用しなさいよ」
「してるさ。さあ、行くぞ」
スネークは、スマホをスピーカーモードにして、ポケットに戻した。
二人は、南側の扉へと向かった。
——
鉄の扉は、確かに開いていた。
スネークが、ゆっくりと押し開ける。
ギィィ……。
錆びた音が、地下通路に響く。
通路の先は、暗かった。
天井の非常灯が、一定間隔で赤く点滅している。
その光が、コンクリートの壁を、血のように染めていた。
「……薄気味悪いわね」
メリルが、スネークの背中に隠れるようにして言った。
「大丈夫だ。俺が先を行く」
スネークは、ゆっくりと通路に足を踏み出した。
「スネークくん、今、君たちの位置を確認したよ。このまま通路を東に進んで。突き当たりを右に曲がると、第二区画に繋がる」
「東だな」
二人は、足音を殺して、通路を進んだ。
地下の空気は、冷たく、重い。
壁には、太い配管が走っている。
時折、どこからか、ゴゴゴゴゴ……という低い機械音が聞こえた。
「……あの音、また」
メリルが、足を止めた。
「ああ。気にするな。先を急ぐぞ」
「……でも」
「大丈夫だ。俺がついてる」
スネークは、メリルの手を握った。
メリルは、一瞬、体を強張らせた。
でも、すぐに、その手を握り返した。
「……うん」
小さく、頷く。
二人は、再び歩き出した。
——
突き当たりを右に曲がる。
その時だった。
「待て」
スネークが、メリルを壁際に押し付けるようにして、身を隠した。
「な、なに?」
「……足音だ」
メリルは、息を呑んだ。
前方から、規則正しい足音が聞こえてくる。
複数人。
「ハウンドガードよ。巡回してるのね」
「ああ。物陰に隠れるぞ」
スネークは、メリルの手を引いて、壁際の配管の裏に身を寄せた。
太い配管が、ちょうど、二人の体を隠してくれる。
でも、スペースは、とても狭い。
二人は、身を寄せ合うようにして、じっと息を潜めた。
足音が、近づいてくる。
「……異常なし」
低い声。
「ああ、異常なし。ったく、こんな地下で巡回なんて、やってられるかよ」
「愚痴るな。理事長の命令だ」
「わかってるよ。でもよ、監禁されてるお嬢ちゃんも、可哀想になあ」
「……余計なことを言うな。さっさと行くぞ」
足音が、通り過ぎていく。
スネークは、メリルを抱きしめるようにして、じっとしていた。
メリルの体が、震えている。
(怖いのか。無理もない)
スネークは、メリルの背中に手を回した。
メリルが、スネークの胸に、顔を埋める。
(……あったかい)
メリルは、スネークの体温を感じて、少しだけ、震えが収まった。
(この人、やっぱり、あったかい)
メリルの心臓が、ドキドキと、早鐘を打つ。
昨夜の告白を、思い出した。
『監視なんて嘘。本当は……あなたと一緒にいたかっただけ』
あんなこと、言ってしまった。
(今、どんな顔をしてるの? 私)
メリルは、スネークの顔を見上げた。
至近距離。
スネークの深い茶色の瞳と、目が合った。
「……あ」
メリルの顔が、一気に赤くなる。
スネークも、視線を逸らした。
「……行ったか」
スネークは、配管の向こうを確認した。
「……う、うん。行ったみたい」
メリルは、まだ顔を赤くしたまま、頷いた。
「……お前、顔、赤いぞ」
「なっ! べ、別に赤くなんかないわよ! この非常灯のせいよ! 赤い光が当たってるだけ!」
メリルが、慌てて言い訳をした。
「……そうかよ。まあ、いい。先を急ぐぞ」
スネークは、小さく笑って、立ち上がった。
「……何笑ってるのよ、バカ」
メリルは、ぷいっと横を向いた。
でも、その口元は、ほんの少しだけ、緩んでいた。
——
さらに通路を進む。
「スネークくん、次の角を左に曲がると、分岐路がある。そこを右に進んで」
「わかった」
二人は、オタコンの指示に従って、地下施設の迷路を進んでいった。
何度か、ハウンドガードの巡回と鉢合わせた。
そのたびに、スネークは物陰に隠れ、メリルを庇った。
スネークの身体能力は、学園の生徒としては、ずば抜けていた。
物音を立てずに移動する技術。
敵の死角を見極める観察眼。
それは、まるで、訓練された兵士のようだった。
「……あんた、本当にただの高校生なの?」
メリルが、感心したように言った。
「……さあな。自分でもよくわからん」
スネークは、そう言って、また前を向いた。
(この人には、秘密がある。学園が監視するほどの、何かが)
メリルは、スネークの背中を見つめながら、そう思った。
でも、今は、それよりも、この状況を切り抜けることが先決だった。
——
分岐路に差し掛かった。
「そこを右だよ!」
「ああ」
スネークが、右に曲がろうとした、その時だった。
「スネーク、後ろ!」
メリルの叫び。
スネークは、反射的に振り返った。
背後から、ハウンドガードの一人が、メリルに襲いかかっていた。
濃紺のセキュリティスーツ。手には、警棒。
「捕まえたぞ、小娘!」
「きゃあっ!」
男は、メリルの腕を掴んだ。
「メリル!」
スネークが、叫んだ。
その声に、ハウンドガードの注意が、一瞬、スネークに向く。
「お前の相手は、俺だ!」
スネークは、地面を蹴って、ハウンドガードに突進した。
その瞬間。
メリルが、動いた。
「この……!」
メリルは、空いている方の手で、ハウンドガードの腰から、警棒を奪い取った。
そして、そのまま、男の膝を、思い切り打ち据えた。
ガッ!
「ぐあっ!」
男の膝が、折れる。
体勢を崩す。
「メリル……!」
スネークは、一瞬、驚いた顔をした。
でも、すぐに、好機とばかりに、男の腕を掴んで、背負い投げを決めた。
ドゴォッ!
男は、背中から地面に叩きつけられ、動かなくなった。
「はあ……はあ……」
メリルは、肩で息をしていた。
「……やるじゃないか」
スネークは、メリルに言った。
「……あんたが、一人で格好つけようとするからでしょ!」
メリルが、怒ったように言った。
でも、その声は、少し、震えていた。
「……助かった。ありがとう」
スネークは、素直に礼を言った。
「……え」
メリルは、きょとんとした。
「お前が、あの警棒を奪って、膝を打たなかったら、俺は、あいつに後ろからやられてた。お前が、俺を守ってくれたんだ。だから、ありがとう」
スネークは、真っ直ぐに、メリルの目を見て言った。
「……べ、別に。あんたが、私を守ろうとしてくれたから、私も、やっただけよ。お礼なんて、いらないわ」
メリルは、照れくさそうに、視線を逸らした。
(……私、今、この人に、守られた。それで、私も、この人を、守った)
メリルの胸に、じわりと、温かいものが広がる。
(なにこれ。この感じ。悪くない)
メリルは、スネークに、もう一度、目を向けた。
スネークは、倒れたハウンドガードから、警棒を拾い上げていた。
「これは、俺がもらっとく。お前も、一本、持ってろ」
スネークは、メリルに、警棒を差し出した。
「……うん」
メリルは、警棒を受け取った。
ずっしりと、重い。
「二人とも、すごいよ! 今の連携、完璧だった!」
スマホから、オタコンの興奮した声が聞こえた。
「……聞いてたのかよ」
「もちろん! 僕のナビゲートで、二人が活躍してくれたら、嬉しいに決まってるでしょ! さあ、先を急ごう! 最深部はもうすぐだ!」
「ああ」
二人は、再び歩き出した。
——
それから、さらに何度か、ハウンドガードと遭遇した。
でも、二人の連携は、回を重ねるごとに、スムーズになっていった。
スネークが、敵の注意を引きつける。
メリルが、その隙に、警棒で、敵の足を払う。
スネークが、倒れた敵を、素早く取り押さえる。
監視役と、監視対象。
その関係は、いつの間にか、互いを信頼し、助け合う、戦友のようなものに変わっていた。
「……スネーク、あそこ」
メリルが、前方を指差した。
通路の先に、大きな扉があった。
「……あれが、最深部か」
スネークは、足を止めた。
「うん。見取り図によると、あの扉の向こうが、『特別拘束室』だ。エレンさんは、おそらく、そこに」
「わかった。開けるぞ」
スネークは、扉に手をかけた。
重い。
でも、開く。
ギィィィ……。
ゆっくりと、扉が開いた。
部屋の中は、薄暗かった。
天井から、一筋の光が、差し込んでいる。
その光の下に、一人の少女が、座り込んでいた。
長い銀色の髪。切れ長の青い瞳。
エレン・ペドロヴィッチ。
彼女の両手は、後ろ手に縛られていた。
「……スネーク……さん? メリル……さん?」
エレンが、涙で濡れた顔を上げた。
「エレン!」
スネークは、エレンに駆け寄った。
「……本当に、来てくれたんですね。私、信じてました。スネークさんが、必ず助けに来てくれるって」
エレンの目から、涙が、溢れ出した。
「ああ、遅くなって、悪かった」
スネークは、エレンの縄を解いた。
「……ありがとうございます」
エレンは、スネークの胸に、飛び込んだ。
「……ちょっと、エレン。あんた、何やってるのよ」
メリルが、むっとした顔で言った。
「……だって、怖かったんです。それに、嬉しくて……」
エレンは、スネークにしがみついたまま、泣き続けた。
「……いつまでくっついてるのよ。離れなさいよ!」
メリルが、エレンをスネークから引き剥がそうとした。
「……メリルさん、冷たいです」
「冷たくないわよ! 常識でしょ!」
「……まあまあ、二人とも、落ち着けって。それより、エレン、立てるか?」
スネークは、苦笑いしながら、エレンに手を貸した。
「……はい、大丈夫です」
エレンは、スネークの手を借りて、立ち上がった。
その時だった。
「……スネークくん」
部屋の奥から、か細い声が聞こえた。
スネークは、声のした方を見た。
薄暗がりの奥に、一人の男が、座り込んでいた。
やせ細った体。ボサボサの髪。伸び放題の髭。
青白い顔。
でも、その目だけは、強い光を宿していた。
「あなたは……?」
「……私の父です」
エレンが、静かに言った。
「ドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナー。エレンの父だ。……君が、ソリッド・スネークくんか」
男は、ゆっくりと立ち上がった。
「……博士。無事だったんですね」
スネークは、博士に近づいた。
「……ああ。私は、ずっと、ここに監禁されていた。ビッグボスに、な」
博士の声には、怒りと、悲しみが、滲んでいた。
「……スネークくん、君に、伝えなければならないことがある」
博士は、スネークの目を、真っ直ぐに見据えた。
「……メタルギアは、動かしてはならん。あれは、平和のための兵器ではない。あれは、破壊のための、悪魔の兵器だ」
博士の声は、切迫していた。
「……ビッグボスは、あれを、起動させようとしている。もし、あれが起動すれば、この学園は、いや、世界は、取り返しのつかないことになる」
「メタルギアが……世界を?」
スネークは、息を呑んだ。
「……ああ。あれは、そういう兵器なんだ。私が、作ってしまった。私の、責任なんだ」
博士は、苦しそうに、顔を歪めた。
「……父さん、もう、自分を責めないで。父さんは、悪くない。悪いのは、父さんを利用した、ビッグボスよ」
エレンが、博士の手を握った。
「……エレン。お前まで、こんな目に遭わせてしまって、すまない」
「……謝らないで。私は、父さんと一緒にいられて、嬉しいわ」
エレンは、微笑んだ。
「……博士。エレン。必ず、ここから、二人を連れて出ます」
スネークは、力強く言った。
「……スネークくん」
「……約束します。俺が、必ず」
スネークの目は、真剣だった。
その時だった。
パチ……パチ……パチ……。
部屋の入口から、拍手の音が聞こえた。
「……見事だ。実に見事だよ、ソリッド・スネークくん」
低く、よく通る声。
スネークは、振り返った。
そこに立っていたのは、一人の老人だった。
白髪を後ろに撫でつけ、高価そうなスーツを着ている。
眼光は、鋭く、獲物を狙う鷹のようだった。
「ビッグボス……!」
スネークは、身構えた。
「……よくぞ、ここまで来た。監視対象の少年。いや、正確には、特別監視対象だったか」
ビッグボスは、余裕の笑みを浮かべた。
「……君のことは、転校してきた初日から、ずっと、見させてもらっていたよ。君の行動力。君の正義感。君の身体能力。そして、君の……『素性』」
「……俺の、素性だと?」
スネークは、ビッグボスを、真っ直ぐに見据えた。
「……ああ。君は、自分が何者なのか、知らないようだな。それも、無理はない。なぜなら、君の正体は——」
ビッグボスは、言葉を切った。
そして、スネークを、値踏みするように、じっくりと眺めた。
「……監視対象の少年、君の正体はね——」
スネークは、一歩、前に出た。
エレンと博士を、背中に庇う。
「……言いたいことがあるなら、言え。でも、俺は、あんたの思い通りにはならない」
スネークの声は、低く、静かだった。
でも、そこには、確かな意志があった。
「……ほう。面白い。その目、いいね。だが、君は、まだ、何も知らない。これから、本当の地獄を、見せてあげよう」
ビッグボスは、不気味に笑った。
スネークの喉が、小さく鳴った。
握った拳の爪が、掌に食い込む。
「……俺は、あんたに、負けない」
スネークは、静かに、そう宣言した。
ビッグボスは、その言葉を聞いて、ますます、笑みを深くした。
「……楽しみだよ、ソリッド・スネークくん。君の、その『正体』が、明かされる時を」
ビッグボスの声が、地下の静寂に、長く、長く、響き渡った。Noveliaとは?
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