声の剣は折れても
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死んでも、その声は消えなかった。
五年前、世界に現れた『境門』から異形の化け物が溢れ出し、人類は秘密機関『ヴィジルゲート』のもとで戦い続けた。表向きはVTuber事務所、裏では戦場――二つの顔を持つ若者たちの戦いは、三年前、ひとりの英雄の死によって終わりを告げた。
柊ツルギ。皆を照らす太陽のような配信者であり、誰よりも強かった境戦士。彼が最期に遺した言葉を、誰も知らない。
残されたVTuber・星野ユイは、笑顔の裏に喪失を隠しながら、事務所に残る彼の遺品を片付けていた。かつての相棒・燈舞ヒナノとの間に残る埋まらない溝。そして、折れたツルギの剣――。
そんなある日、倉庫に現れたのは、記憶を持たない謎の少女・ツバメ。彼女が剣の破片に触れた瞬間、そこから零れ落ちたのは、紛れもなくツルギの声だった。
「これは償いなのか、それとも――」
少女の中に残る死者の記憶。追いかけてくるヴィジルゲートの影。そして、消えたはずの想いが、再びユイたちの運命を動かし始める。
これは、声を失ってもなお折れなかった剣と、それでも前を向こうとす