ふたりだけのオフィスで、社長と私のひみつごと
三十一社目の面接も、どうせダメだろう――そう思っていた無職八カ月のカケルは、大手芸能プロダクションの新設部署で、まさかの即採用を言い渡される。
採用を決めたのは、冷徹な美貌の若き社長・鷹嶺ルイ、二十五歳。感情を表に出さず、書類仕事さえも機械のように片付ける彼女が、なぜ経歴も自信もないカケルを選んだのか。
「返事は『はい』か『イエス』だけよ」
そう言い放ち、社長室の隣にデスクを用意させたルイの真意は、謎のまま。
社長室のすぐ隣で始まる、たったふたりだけの秘密の日々。
仕事を超えて近づいていくふたりの距離に、果たして何が待っているのか――。
胃の痛みを抱えたお人好し秘書と、氷のような美人社長が紡ぐ、オフィスラブストーリー、開幕。
ふたりだけのオフィスで、社長と私のひみつごと - 初めての営業と、忍び寄る引き抜きの影
朝だ。
青井カケルは、ホロライブセントラル七階の給湯室で、こっそりと胃を押さえていた。
手には、昨日ルイがデスクに置いていった市販の胃薬の箱がある。
(もらったのは、すごく嬉しいんだけど……)
箱を開けると、中には小さなピンク色の錠剤が並んでいた。
カケルは一粒取り出して、水なしで飲み込んだ。少し苦い。でも、これを飲むと、ほんの少しだけ痛みが和らぐ気がした。
「そこで何してるの」
突然、背後から声がした。
カケルは心臓が飛び出そうになって、あわてて振り返る。
ルイが、給湯室の入り口に立っていた。
肩にかかる黒いストレートの髪が、廊下からの風でふわりと揺れる。今日も仕事モードの銀縁の伊達メガネをかけていて、切れ長のダークブラウンの瞳が、カケルをじっと見据えていた。
「え、えっと、その……ちょっとお湯を……」
嘘をついた。胃薬を飲んでいたなんて、言えるわけがない。
ルイはカケルの手元をちらりと見た。胃薬の箱が、カウンターの上に置きっぱなしだ。
(しまった……!)
しかし、ルイは何も言わなかった。
ただ、メガネのブリッジをくいっと押し上げると、いつもの冷たい声で言った。
「今日、あなたに初めての単独営業を任せるわ。電王堂っていう大手広告代理店に、うちの新人タレントを売り込んで」
ルイは一枚の資料をカケルに差し出した。
カケルは震える手でそれを受け取る。
表紙には『新人タレントプロフィール:三枝アオイ』と書かれていた。
二十歳。去年、街でスカウトされたばかりの女の子だ。まだテレビの端役にしか出たことがない。
「ぼ、僕が……一人で、ですか?」
カケルの声は、情けなく裏返った。
電王堂。テレビCMの六割を扱うって言われる、業界最大手の広告代理店だ。
そんな場所に、自分みたいなぺーぺーの秘書が、一人で行くなんて。
「当然でしょ。秘書なんだから」
ルイの声には、一切の迷いがなかった。
「資料の順番は、タレントの魅力が伝わる順に並べること。それから、絶対に私の名前を出さないように。いいわね?」
カケルは、必死にうなずいた。
胃のあたりが、またキリキリと痛み始める。
「……電王堂の営業三課。担当は大崎っていう男よ。四十代のベテラン。時間は十時、遅れないように」
ルイはそれだけ言うと、くるりと背を向けて社長室へ戻っていった。
カケルは、資料をぎゅっと抱きしめた。
(大崎さん……どんな人なんだろう)
朝食は、まったく喉を通らなかった。
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電王堂の本社は、港区新橋の一等地にあった。
全面ガラス張りの、三十階建ての巨大なビル。ロビーには、大理石の床と、天井まで届く観葉植物が並んでいる。
(場違いだ……)
カケルは、自分のスーツを見下ろした。
三千九百八十円の安物。ネクタイは、結局今日も少し曲がっている。
受付で名前を告げると、緊張で声が震えた。
「ほ、ホロライブの青井と申します。十時に、営業三課の大崎様とお約束が……」
受付のお姉さんは、笑顔で「十階の応接室へどうぞ」と案内してくれた。
エレベーターのドアが閉まると、カケルは一人、鏡に映る自分を見つめた。
(大丈夫だ。ちゃんと資料も作った。三枝アオイの魅力も、言えるように練習した)
エレベーターが止まる。
チン、という軽い音。
十階の廊下は、しんと静まり返っていた。
カケルは、指定された応接室の前に立ち、深く息を吸ってから、ドアを三回ノックした。
「失礼します! ホロライブの青井と申します」
ドアを開ける。
応接室のソファには、一人の男がふんぞり返って座っていた。
四十代半ば。だらしなく伸びた腹。薄くなった髪を、無理やり横からかぶせている。
ネクタイは緩み、ワイシャツの襟には古い汗の染みがついていた。
──大崎。
男は、カケルの名刺を一瞥すると、すぐにテーブルに放り投げた。
「へえ。鷹嶺ルイの部下か」
その瞬間、カケルの背中に冷たいものが走った。
「あの女、まだ辞めてなかったんだな」
大崎の声には、あからさまな嘲笑がこもっていた。
カケルは、どうにか笑顔を作ろうとした。
でも、顔の筋肉がうまく動かない。
「え、えっと……本日は、うちの新人タレント、三枝アオイのご紹介に……」
カケルは、震える手で資料を差し出した。
大崎は、それを受け取ると、パラパラと音を立ててページをめくる。
三秒。
たった三秒で、大崎は資料を閉じた。
「こんな新人、使い物にならねえよ」
ゴミを投げるみたいに、資料がテーブルに放り投げられる。
カケルの呼吸が、止まった。
「ルイもとうとう人選の目が曇ったな。まあ、お前みたいなぺーぺーを寄越す時点で、会社として終わってるけどな」
大崎は、脚を組み替えると、更に続けた。
「お前、社会人経験あるのか? そのみすぼらしいスーツ。ネクタイも曲がってる。これがホロライブの秘書か? 笑わせるなよ」
カケルは、何も言い返せなかった。
ただ、膝の上で震える手を見つめることしかできない。
(違う。違うんだ)
(ルイ社長は、人選の目が曇ってなんかない)
頭の中で、二日前の深夜の光景が蘇った。
誰もいない社長室で、一人、自分の失敗だらけの書類を直していたルイ。
小さな付箋に、丸い文字で『字はきれいだから、胸を張りなさい』と書いてくれたルイ。
あの人は、こんな男に悪く言われるような人じゃない。
でも。
声が、出ない。
「で? お前はどうなんだ? 仕事できるのか? できないんだろ? そのビクビクした態度が答えだな。はっ、笑わせる」
大崎の言葉が、ナイフみたいにカケルの胸に突き刺さる。
(やっぱり、俺はダメなんだ)
(ルイ社長の秘書なんて、俺には無理だったんだ)
カケルは、目の前がにじむのを感じた。
でも──それでも。
(ここで逃げたら、あの人に顔向けできない)
カケルは、震える足に力を込めて、立ち上がった。
そして、深く、深く、頭を下げた。
「……も、もう一度だけ。チャンスをいただけませんか」
声は震えていた。涙がこぼれそうになるのを、必死にこらえる。
大崎は、一瞬だけ驚いたような顔をした。
でも、すぐに、にやにやとした笑いを浮かべる。
「お前、面白いな」
大崎は立ち上がると、テーブルの上の資料を、ゆっくりと手に取った。
そして。
そのまま、足元のゴミ箱に、落とした。
ぽとり、という軽い音が、静かな応接室に響く。
「帰れよ。二度と来るな」
カケルは、頭を下げたまま、動けなかった。
どれくらいそうしていただろうか。
気づくと、カケルは電王堂のビルの前で、立ち尽くしていた。
空は青い。雲ひとつない快晴。
なのに、カケルの心の中は、どんよりと曇っていた。
(何も、できなかった)
カケルは、胃をぎゅうっと押さえた。
痛い。でも、それよりも、もっと胸が痛い。
(ルイ社長に、なんて報告すれば……)
カケルは、重い足を引きずって、ホロライブセントラルへと戻った。
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午後。
ホロライブセントラル七階。
カケルは、社長室のドアの前で、もう五分も立ち尽くしていた。
ノックをしようとしては、手を引っ込める。
(言わなきゃ。ちゃんと報告しなきゃ)
でも、どう言えばいいんだ。
『資料をゴミ箱に捨てられました』
『二度と来るなと言われました』
『ルイ社長の悪口を言われて、俺は何も言い返せませんでした』
(……最悪だ)
カケルは、観念して、ドアをノックした。
「失礼します……」
ルイは、いつものように書類の山と格闘していた。
カケルの顔を見ると、手を止めて、メガネを外す。
「電王堂、どうだった?」
カケルは、絞り出すように、出来事を話し始めた。
声は、情けないくらい震えていた。
途中で何度も言葉に詰まった。
資料をゴミ箱に捨てられたこと、ルイの悪口を言われたこと。
「……すみません。僕は、秘書として失格です」
カケルは、深く頭を下げた。
「辞表を、出します」
その時だった。
「やめなさい」
ルイの声が、カケルの言葉を遮った。
顔を上げると、ルイは窓の外を見ていた。
南向きの大きな窓から、午後の日差しが差し込んでいる。
「大崎って男はね、昔から私にだけ当たりが強いの。二年前の契約トラブルで、私が彼の不正を見抜いて、取引を打ち切ったからよ。だから、あなたは私のとばっちりを受けただけ」
ルイの声は、いつもより少しだけ、静かだった。
「でも、あなたは逃げずに、最後まで頭を下げた。それで十分よ」
ルイは、カケルの方を振り返らなかった。
ただ、窓の外を見ながら、言った。
「……あんたは、よくやったわ」
その言葉が、やけに優しく聞こえたのは、気のせいだろうか。
カケルは、胸の奥が、じわりと熱くなるのを感じた。
(この人は……)
──わかっていたんだ。
自分が電王堂に行けば、大崎に罵倒されることくらい、最初から。
それでも、送り出した。
(そっか。この人は、それも全部わかった上で……)
でも、今のルイの横顔は、どこか申し訳なさそうに見えた。
自分のせいで、カケルが罵倒されたことを、悔いているように見えた。
(違う。あなたのせいじゃない。それは違う)
カケルは、ルイの横顔を見つめながら、心の中で強く思った。
(この人を、もっと守りたい)
胸の奥で、何かがはっきりと動いた。
それは、尊敬でも、感謝でもない。
もっと、もっと強い、名前のない感情。
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夕方。
カケルは、給湯室でコーヒーを入れていた。
ルイに出すための、五十八度のブラジル産ショコラティ。
温度計を見つめながら、慎重にミルクを足す。
(この人をもっと守りたい、か……)
さっき思ったことが、ずっと頭の中でリピートしている。
でも、自分ごときが、何を守れるっていうんだ。
「聞いた? ステラグロウがまた動いてるらしいよ」
突然、廊下から声が聞こえた。
カケルは、手を止めて、息をひそめる。
「今度は橘カンナって、あの年間売上八億の超大物じゃん。やばくない?」
「またトリプルスイッチみたいになったら、事業部が潰れるかもね……」
カケルの心臓が、どくんと跳ねた。
橘カンナ。ホロライブが誇る、超人気タレントだ。
彼女が契約更新の時期だという話は、前に聞いたことがある。
(引き抜き……?)
二年前のトリプルスイッチ騒動。
あの時、ルイはどんな思いをしたんだろう。
カケルは、気がつくと給湯室を飛び出して、二人の女性社員に声をかけていた。
「あ、あの! 橘カンナの引き抜きって、本当なんですか!?」
二人は、カケルの顔を見ると、あからさまに嫌そうな顔をした。
「あんたには関係ないでしょ」
それだけ言うと、二人は足早に去っていく。
カケルは、その場に立ち尽くした。
「関係ない、か……」
──そうだ。自分は、ただの秘書だ。
会社の経営に関わるような話に、口を出せる立場じゃない。
でも。
(ルイ社長は、それを知ってるんだろうか)
「おい、青井くん」
突然、背後から声をかけられた。
振り返ると、ベテラン社員の一人が立っていた。四十代後半の、営業課の男性だ。
「さっきの話、聞こえたのか?」
カケルは、黙ってうなずいた。
ベテラン社員は、少しだけ言いにくそうに、口を開いた。
「二年前のトリプルスイッチの時な……ルイ社長は、一晩中このフロアで泣いてたんだ。次の日には、何事もなかったように出社してたけどな」
カケルは、声が出なかった。
「あの人はな、いつも一人で全部抱え込むんだ。誰にも頼れなくてな。まあ、俺たちも、何もできなかったんだが……」
ベテラン社員は、そう言って去っていった。
カケルは、給湯室の壁にもたれかかった。
(泣いてた……?)
(ルイ社長が……?)
想像もできなかった。
いつも冷たくて、完璧で、誰にも弱みを見せないあの人が。
(でも、そうか)
深夜のオフィスで、一人で書類を直している姿を思い出す。
(あの人は、ずっと一人で、戦ってきたんだ)
胸が、ぎゅうっと締め付けられる。
(守りたい)
さっきまでとは、違う強さの感情が、湧き上がってきた。
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夜。
カケルは、地下の社員食堂「キッチンブルーム」に立っていた。
残業を終えて、何か温かいものでも食べようと思ったのだ。
食堂は、もうほとんど人がいなかった。
百二十席ある椅子のほとんどが、テーブルの上に逆さに置かれている。
カウンターの奥で、洗い物をしていたおばちゃんが顔を上げた。
「あら、あんた。ルイちゃんの新しい秘書さんかい?」
松田トシコ。五十八歳。この食堂で二十年以上働いている、名物おばちゃんだ。
白い割烹着を着て、ほっかむりをしている。顔はしわだらけだが、目はきれいな二重で、若い頃はさぞ美人だったろうと思わせる。
「は、はい。青井って言います」
トシコは、カウンターの椅子を指さした。
「まあ座んな。今、残り物で何か作ってやるから」
そう言うと、トシコは手際よく冷蔵庫から食材を取り出し、フライパンに火を入れた。
ジュウ、という音とともに、醤油の香ばしい香りが食堂に広がる。
「ルイちゃんが新人だったのは、もう七年前かねえ。あの子、入社当時から変わってなくてね。人に頼るのが、めちゃくちゃ下手なんだよ」
トシコは、フライパンを振りながら話し始めた。
「トリプルスイッチの時なんてね、一ヶ月間、毎日ここで一人で夜中まで泣きながら仕事してたんだよ。ご飯もろくに食べないで、コーヒーばっかり飲んで」
カケルは、息を呑んだ。
──一ヶ月間。
さっき聞いた、一晩中泣いていたという話より、ずっと重い。
「あの子はね、弱音を吐くのが死ぬほど下手なんだ。全部自分が悪いんだって、自分を追い詰めて、それで潰れそうになって……」
トシコは、できあがった焼きうどんを、カケルの前に置いた。
「あんた、あの子を一人にしないでやってくれないかい?」
トシコは、カケルの手をぎゅっと握った。
その手は、しわだらけで、ゴツゴツしていたけど、すごく温かかった。
「あの子、今度こそ潰れちゃうかもしれないから……」
トシコの目に、涙が滲んでいた。
カケルは、握られた手を見つめた。
(一人にしない)
さっきまで、自分の中にあった感情に、はっきりと名前がついた気がした。
(俺が、必ず守ります)
「俺が……必ず守ります」
気がつくと、そう口にしていた。
トシコは、涙ぐんだまま、微笑んだ。
「ありがとうねえ。あんた、いい人だねえ」
カケルは、焼きうどんを食べた。
味は、よくわからなかった。
でも、体の芯から温まる気がした。
(そうか。これが、恋なのか)
ルイを守りたい。
彼女の力になりたい。
彼女の隣で、笑っていたい。
それは、尊敬とか、感謝とか、そういうのを全部ひっくるめた、もっと強い名前の感情だった。
でも、同時に不安も襲ってくる。
(俺ごときが、彼女を守れるのか?)
今日の電王堂での醜態が、頭をよぎる。
何も言い返せず、ただ頭を下げることしかできなかった自分。
(……いや、そんなこと言ってる場合じゃない)
カケルは、焼きうどんをかき込んだ。
---
翌朝。
カケルが七階のオフィスに着くと、社長室のドアが開いていた。
ルイは、すでにデスクに座っていた。
でも、いつもと違う。
書類をめくる手が、止まっている。
その表情は、昨夜とはまったく違って、厳しく強張っていた。
「おはようございます……」
ルイは、カケルの顔を見ると、パソコンの画面をくるりとカケルに向けた。
「これを見なさい」
画面には、一通のメールが表示されていた。
カケルは、息を呑んだ。
差出人は、神谷レン。
ステラグロウ・エンターテインメントの、若きカリスマ社長だ。
『親愛なるルイ社長、
橘カンナの契約更新につきまして、近日中に当社から正式なオファーを提示させていただきます。彼女の未来にとって、どちらが最善か——楽しみにしていてくださいね。
P.S. そうそう、君の新しい秘書、なかなか面白い子だね。一度会ってみたいものだ』
カケルの手が、震えた。
(俺の名前が……出てる)
レンは、自分が誰かまで、すでに知っている。
「あの男、やっぱり全部お見通しってわけ」
ルイは、悔しそうに唇を噛んだ。
カケルは、胸が張り裂けそうだった。
(俺の力不足が、ルイ社長の立場をさらに危うくしている)
(俺のせいで……)
でも、それ以上に。
この人の悔しそうな顔を、もう見たくなかった。
「あの、ひとつだけ」
カケルは、震える声で言った。
「何があっても、俺はあなたの味方です」
ルイは、一瞬だけ驚いた顔をした。
そのダークブラウンの瞳が、大きく見開かれる。
でも、すぐにいつもの表情に戻って、メガネのブリッジを押し上げた。
「……そんなこと、当たり前でしょ」
ルイは、そう言って、カケルから顔をそらした。
でも。
その耳が、ほんのりと赤くなっているのを、カケルは見逃さなかった。
胸の奥が、またじわりと熱くなる。
(ああ、俺は──)
この人のことが、好きだ。
認めてしまえば、それはあまりにも単純な答えだった。
自分ごときが、なんて不安は消えない。
それでも、もっと強くならなければと思う。
巨人のようなライバルが、すぐそこまで迫っている。
でもカケルは、逃げないと決めた。
この人の隣で、戦うと決めた。
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