プリキュア世界に放り出されてしまったけど
プリキュア世界に放り出されてしまったけど、高木恭一はついに怪物じみた魔神を打ち倒した。自分の世界に帰れると、そう思っていた。だが、最終決戦の大爆発に巻き込まれ、またしても異次元へと吹き飛ばされてしまう!
今度は、伝説の戦士『プリキュア』が怪物と戦っている最中の屋上に墜落した。チート能力は健在で、それは最高だったんだが、とんでもないことが起きる。なんと、プリキュアが変身したり強くなったりするために使う、妖精のような存在になってしまったのだ!
さらに最悪なことに、彼の魔力は伝説の戦士である、超クールで男前な美墨なぎさと完全にリンクしてしまった。こうして恭一は、事実上なぎさのパワーアップ妖精となる。好き嫌いにかかわらず、彼の戦いを助けなければならない。
生活は一変する。なぎさはぶっきらぼうでやや不機嫌だし、相棒は超がつくほど元気な女の子で、いつも恭一を振り回す。まさにカオス! だが、この世界の敵はただの間抜けな怪物じゃない。闇の力が、なぎさの秘めた弱さや悲しみにつけ込み、その心に侵入しようとしているのだ。クールな態度の裏で、なぎさは傷ついている。それを、恭一は放っておけなかった。
た
プリキュア世界に放り出されてしまったけど - 深淵の満潮——引き裂かれた絆
地下本部の執務室には、古い紙とインクの匂いが満ちていた。壁一面に並んだ古代文献が、暖炉の火に照らされてオレンジ色に浮かび上がっている。
ベアトリス・シンクレアは、分厚い羊皮紙の束を恭一となぎさの前に広げた。しわだらけの指先が、古い文字をなぞる。片眼鏡の奥の金色の瞳が、いつもより鋭く光っていた。
「深淵の満潮——1000年周期で訪れる闇の力の活性化現象ですわ」
なぎさは息を呑んだ。青い瞳が大きく見開かれる。
「1000年周期……でも、前回は200年前に小規模で起きただけって」
「ええ。ですが今回は違います。この3日間だけで、トウキョウのグローム発生率が通常の50倍に跳ね上がっています」
ベアトリスは別の資料を取り出した。折れ線グラフが、紙の上で急上昇している。まるで何かが爆発する直前のような、異様な曲線だった。
なぎさの肩の上で、小さな金色の光の玉——高木恭一がふわりと浮かんだ。
「50倍って……めんどくせえな。要するに、これからもっと忙しくなるってことか」
「そうですわ。しかも、事態はさらに悪い」
ベアトリスは杖をついて立ち上がった。銀髪のシニヨンが揺れる。
「オブシディアンクラスの同時発生が、今夜にも予測されています。それも——複数体」
なぎさの顔色が変わった。オブシディアン。つい先日、トウキョウ駅前で戦ったばかりの大型グロームだ。あの時は一対一でもギリギリだった。
「そんな……どうすれば」
「やるしかねえだろ」
恭一の声には、いつもの面倒くさそうな調子がなかった。
――――――――――――――
深夜の銀糸通り商店街。
すべての店がシャッターを下ろし、街灯だけが冷たい光を投げかけていた。アスファルトの上に、二人分の長い影が伸びている。
なぎさは変身を解除し、コンビニの前のベンチにぐったりともたれかかっていた。白い戦闘服はところどころ破れ、頬には擦り傷がある。恭一は彼女の肩の上で、かすかに明滅していた。
今夜だけで、サイファーを7体も浄化した。あまりの連戦になぎさの魔力は底をつきかけている。恭一も同じだ。通常の50倍の発生率というのは、冗談ではなかった。
「……疲れた」
なぎさは膝を抱えてうずくまった。
「だな」
恭一も短く同意する。二人の間に、重い沈黙が落ちた。
街灯の光が、チカチカと瞬いている。遠くでサイレンが聞こえた。この街のどこかで、また誰かが楔になっているのだろう。
「恭一くん……魔力、回復させて」
なぎさが静かに言った。
恭一は答えず、彼女の前で空中に浮かんだ。小さな金色の手を、なぎさの額にそっと当てる。
静かな夜の商店街。誰もいない。世界には今、二人だけのような気がした。
恭一の魔力が、金色の粒子となってなぎさの体内に流れ込んでいく。額から、首筋へ、胸の奥へ。
なぎさはぎゅっと目を閉じた。
魔力が満ちていく感覚。それはいつも、奇妙なぬくもりを伴う。体の芯からじんわりと熱くなり、疲れが溶けていく。でも——それだけじゃなかった。
(あ……)
なぎさの呼吸が、ほんの少し乱れた。
制服のスカートを、無意識にぎゅっと握りしめる。魔力が流れ込むたびに、体の奥がきゅうっとなるような感覚が走る。心臓がドキドキと脈打った。
(なに、これ……)
恭一の魔力は温かかった。でも、ただ温かいだけじゃない。どこかくすぐったくて、ゾクゾクして、頭の奥がぼうっとしてくる。
なぎさの頬が、ほんのりと赤く染まった。
恭一はそれに気づいた。
「おい、大丈夫か? 顔赤いぞ」
「だ、大丈夫よ! 気のせい!」
なぎさは慌てて顔をそらした。でも心臓のドキドキは止まらない。スカートの下で、太ももがきゅっと閉じられる。自分の体が、自分じゃないみたいだった。
(恭一くんの魔力のせい……なの?)
契約による魔力共有の副作用。互いの魔力が深く結びつくと、時折こんなふうに感覚が混ざり合うことがある。ベアトリスからは「よくあることですわ」と軽く言われていたが——これが「よくあること」なのか?
恭一も戸惑っていた。なぎさから流れ込んでくる感覚が、いつもと違う。熱い。そして、彼女の心臓のドキドキが、自分の鼓動と重なっていく。
「……おい、なんか変な感じなんだが」
「わ、私に言わないでよ! あんたの魔力のせいでしょ!」
「俺のせいかよ……」
二人は気まずい沈黙に包まれた。
なぎさは膝を抱えたまま、小さく息を吐く。恭一の魔力はまだ体の中に残っていて、くすぐったいような熱が消えない。
(こんなの……知らない)
彼女は顔を膝に埋めた。恭一も何も言わなかった。
銀糸通り商店街の夜は、静かに更けていく。
――――――――――――――
その静寂を破ったのは、ベアトリスからの緊急通信だった。
なぎさの通信機が、けたたましく鳴り響く。彼女は飛び上がるようにして応答した。
「オブシディアンが3体——繁華街の地下街で同時出現です。至急向かってください!」
なぎさの顔が強張った。
「3体同時!?」
恭一はすぐに彼女の肩の上で輝きを増した。
「行くぞ。場所は?」
「ベルクレイン区の地下街——銀糸通りから一番近い入り口は、駅の東口よ!」
なぎさは立ち上がった。変身の光が彼女を包む。一瞬で白い戦闘服に包まれ、二人は夜の街を駆け出した。
――――――――――――――
地下街は、まさに地獄だった。
普段は若者で賑わうショッピングモールが、黒い靄に覆われている。人々は悲鳴を上げて逃げ惑い、店のガラスが次々と割れていく。
その中心に——3体の漆黒の巨人が立っていた。
全長8メートル。全身が黒い結晶で覆われ、不気味な光沢を放っている。オブシディアン。複数の楔の闇が融合した、知性ある大型グローム。
「あ、あれが……」
なぎさが言葉を失う。前に戦った1体だけでもあれほど苦戦したのに、今度は3体だ。
三体はまるで打ち合わせたかのように、同時に動き出した。一体がなぎさの真正面から迫り、残る二体が左右に展開する。
包囲だ。
「なぎさ!」
恭一が叫んだ瞬間、一体のオブシディアンが地面を叩きつけた。アスファルトが砕け、大きな亀裂が走る。なぎさは間一髪でそれをかわしたが、その隙にもう一体が背後に回り込んだ。
「くっ……!」
なぎさは光浄拳を放とうとしたが、チャージする3秒が稼げない。三体の連携が巧みすぎる。
そして——決定的な一撃が放たれた。
真正面のオブシディアンが、巨大な腕を振り下ろす。なぎさはそれを躱したが、その先で待っていたのは別の一体の「心浸蝕」だった。
黒い波動が、なぎさの全身を貫く。
「ああああああああっ!!」
なぎさの口から、耐え難い苦痛の叫びが漏れた。
――――――――――――――
心浸蝕。
グロームの最も恐ろしい能力。人間の心の闇を直接攻撃し、増幅させる。
なぎさの脳裏に、二年分の記憶が洪水のように溢れ出した。
——男なのにプリキュアに選ばれてしまった自分。
——誰にも本当のことを言えず、明るく振る舞い続けた学校生活。
——放課後、一人で戦い続けた孤独。
——誰も守れない私は、無価値だ。
(そうだ……私は……)
なぎさの瞳が、ゆっくりと闇に染まっていく。
変身も解除できないまま、彼女の全身が黒い結晶に覆われ始めた。指先から、腕へ、肩へ。まるで氷が張るように、結晶が広がっていく。
楔化——グロームに憑依される前兆。
「もう嫌だ……私一人じゃ……何も守れない……」
なぎさは路上に崩れ落ち、泣きじゃくった。涙が黒い結晶の上を伝い、地面に落ちる。
一方、恭一はと言えば——
三体のオブシディアンに完全に包囲されていた。なぎさから引き離され、単独で戦っている。
「くそがっ……!!」
恭一は魔力ポケットから魔導砲を取り出し、連射した。だが威力が足りない。一体に命中しても、黒い結晶の装甲はびくともしない。
次に古代の爆裂矢を投擲し、さらに無数の武器を乱射する。しかし、どれも通用しない。オブシディアンは既に学習しているのか、恭一の攻撃を的確に防いでくる。
そして最悪なことに——魔力が底をつきかけていた。
恭一の金色の光が、弱々しく明滅を始める。妖精体が不安定になり、輪郭が揺らめいた。
(やばい……このままじゃ)
魔力が切れれば、ただの儚い光の粒子になってしまう。妖精としての存在が消える。
(くそ……なぎさは……!)
恭一は離れた場所で苦しむなぎさを見た。彼女の全身が黒い結晶に覆われ、もうほとんど動けない。
「なぎさっ!!!」
恭一は叫んだ。
その時、なぎさが最後の力を振り絞って立ち上がった。
「恭一くんから……離れろーーっ!!」
彼女は無理な突入を試みた。オブシディアンの包囲網に、体ごと突っ込んでいく。
だが——
一体のオブシディアンが振り返り、なぎさに向けて心浸蝕の波動を放った。
黒い光が、彼女の胸を貫く。
「……あ……」
なぎさの動きが止まった。
彼女の目から、光が消えていく。青かった瞳が、完全に黒く濁った。
全身を覆う黒い結晶が、一気に加速する。首まで、顔まで——
「……たす……けて……」
かすかな声を最後に、なぎさは倒れた。
――――――――――――――
その瞬間、恭一の中で何かが弾けた。
(もう一人で戦わせないって——守るって——誓ったのに!!!)
恭一は魔力ポケットに手を突っ込み、最後の切り札を取り出した。大きなゴーレムの核だ。彼はそれを地面に叩きつける。
轟音。土煙。
古代ゴーレムが出現し、三体のオブシディアンに体当たりを仕掛けた。その一瞬の隙に、恭一はなぎさの元へ駆ける。
「なぎさ! しっかりしろ!」
恭一は彼女の小さな妖精の手で、なぎさの顔に触れた。冷たい。体温が急速に下がっている。黒い結晶が、今にも彼女を完全に覆い尽くそうとしていた。
背後で、ゴーレムが一体のオブシディアンに組み伏せられる音がした。もう時間がない。
恭一はなぎさの体を、必死に抱え上げた。小さな妖精の体が、金色の光を振り絞って彼女を包む。
(逃げるぞ——どこでもいい、とにかくここから——!)
彼は地下水路への入り口を見つけ、なぎさを引きずるようにして駆け込んだ。
背後で、ゴーレムの自爆の轟音が響く。土煙と衝撃波が坑道を揺らした。
暗闇の中を、恭一は走った。なぎさの体が、少しずつ重くなっていく。冷たくなっていく。
(またか)
(また——俺は——)
――――――――――――――
地下水路は、静かだった。
どこかで水の滴る音だけが、規則正しく響いている。かび臭い空気。ネズミの走り回る足音。
恭一はなぎさを壁にもたれかけさせ、自分もその場に崩れ落ちた。小さな金色の体が、明滅を繰り返す。かろうじて存在を保っている状態だ。
そして——彼の脳裏に、過去の記憶がフラッシュバックした。
血の匂い。燃え盛る戦場。崩れ落ちる城。
そして——血まみれで倒れる女性の姿。長い黒髪が血の海に広がっている。
(ユキ——)
最初の異世界で出会った、たった一人の恋人。
魔神の一撃から庇えず、自分の腕の中で冷たくなっていく彼女。
「もう……いやだ……」
恭一の口から、震える声が漏れた。小さな体が、光の粒子となって散りそうになる。
「またか……また俺は……守れなかったのか……」
彼は慟哭した。
初めて心の底から泣いた。いつもの面倒くさそうな態度も、強がりも、何もかもが消えた。
ただただ、自分の無力さが憎かった。
なぎさはまだ生きている。でも、彼女の全身を覆う黒い結晶は確実に広がっている。
(このままじゃ——楔になる——)
72時間以内になぎさが完全な楔となってしまうと、ベアトリスは言っていた。
でも——時間がない。
「……くそ……ふざけんな……」
恭一は拳を壁に叩きつけた。か弱い妖精の拳では、傷一つつかない。ただ虚しいだけだ。
その時——
「……た、かぎ……」
かすかな声が聞こえた。
恭一はハッとしてなぎさを見た。彼女の唇が、わずかに動いている。
「なぎさ!!」
「……さむい……」
そう呟いた彼女の唇は、紫色に変わりかけていた。体温がどんどん下がっている。
恭一は決断した。
(魔力を——直接供給する)
今はそれしかない。彼はなぎさの制服の襟元に手をかけ、そっと肌を露出させた。鎖骨の下、胸のすぐ上。そこは心臓に最も近い場所だ。
恭一は小さな手を、彼女の肌に押し当てた。
「……我慢しろよ」
彼は残された魔力のすべてを、なぎさに注ぎ込んだ。
――――――――――――――
次の瞬間——
「あ……っ」
なぎさの口から、苦痛と快感の入り混じった声が漏れた。
魔力が彼女の体内に流れ込む。それは単なるエネルギー供給ではなかった。契約による魔力共鳴が極限状態で暴走し、二人の感覚が混ざり合ってしまう。
恭一の魔力が、なぎさの胸の奥に染み込んでいく。心臓の鼓動が、二人の間で同期し始めた。ドクン、ドクン、と体の芯に響く。
「やめ……て……」
なぎさは涙を流しながら、首を振った。でも——彼女の手は、恭一の小さな体を引き剥がそうとはしなかった。
「でも……やめないで……」
相反する言葉。
魔力が注ぎ込まれるたびに、黒い結晶の侵食がわずかに遅くなる。代わりに——なぎさの体が熱を帯び始めた。
(あ……なにこれ……)
なぎさの頭の中は混乱でいっぱいだった。
恭一の魔力は温かくて、くすぐったくて、体の奥がきゅうっとなる。さっき商店街で感じた感覚の、何十倍も強い。スカートの下で、太ももがきつく閉じられる。体の一番深いところから、熱いものが溢れてくる。
「ん……っ」
なぎさは唇を噛んだ。漏れそうになる声を必死に抑える。
恭一も同じだった。なぎさの感覚が流れ込んでくる。彼女の混乱、熱、そして——ぞくぞくするような快感の波。
(くそ……俺は……)
恭一は自分の欲望と闘いながら、必死に魔力を供給し続けた。なぎさの肌の温もり、かすかな汗の匂い、震える吐息——すべてが直接、彼の感覚に流れ込んでくる。
「……俺は、お前を助けるためだ」
恭一は自分に言い聞かせるように、呟いた。
でも——この行為が、彼女を傷つけているのかもしれない。治療でありながら、互いの身体を深く知る行為。
なぎさの涙が、恭一の光の手に落ちた。
「こ、ういち……くん……」
なぎさは彼の名前を呼びながら、ゆっくりと意識を手放した。
黒い結晶の侵食は——かろうじて止まった。しかし彼女は昏睡状態に陥り、変身も解除できない。
――――――――――――――
気がつくと、地下坑道の壁の隙間から、細い朝日が差し込んでいた。
夜が明けたのだ。
恭一は一睡もしていなかった。魔力のほとんどを使い果たし、彼の小さな体は今にも消えそうなほどかすかに光っている。それでも彼は、なぎさの胸に手を当て続けていた。
(もう大丈夫だ……たぶん)
彼はようやく手を離し、通信機を取り出した。
「……ベアトリス」
「恭一さん!? 無事ですの!? なぎささんは!?」
「……地下水路だ。場所は……よくわからん。でも、なぎさが……楔化しかけてる」
数分後——
ベアトリスが結社の緊急部隊を率いて駆けつけた。彼女はすぐになぎさの状態を診断し、表情を曇らせる。
「楔化の最終段階手前ですわ。急いで結社の治療室へ」
なぎさはストレッチャーに乗せられ、地上へと運ばれていく。恭一は彼女の胸の上に、かろうじて浮かんでいた。
――――――――――――――
結社の治療室。
白い壁に囲まれた、殺風景な部屋。なぎさはベッドの上で眠り続けている。黒い結晶はまだ消えていないが、侵食は止まっていた。
恭一は窓辺に浮かび、外を見ていた。
朝焼けのベルクレイン区。遠くで、人々の悲鳴が聞こえる。グロームの咆哮も混ざっている。深淵の満潮は、これからが本番だ。
「ふざけんな……」
恭一は拳を窓ガラスに叩きつけた。
ベアトリスが背後に立っていた。彼女の金色の瞳は、深い憂いに満ちている。
「ベアトリス。深淵の満潮を止める方法はねえのか」
「……古代文献の記述は不完全です。確証はありません」
「じゃあ、なぎさはどうなる! このままじゃ72時間で楔になるんだろ!」
「……ええ」
ベアトリスは目を閉じた。しわだらけの手が、杖を握りしめる。
恭一はなぎさの眠るベッドを見た。彼女の顔は青白く、唇はまだ紫色だ。でも——かすかに息をしている。
(絶対に諦めねえ)
恭一の小さな体が、決意の輝きを取り戻した。疲れ果てて今にも消えそうだった光が、少しだけ強くなる。
「俺は——絶対に諦めねえからな」
彼はなぎさの枕元に浮かび、彼女の額にそっと手を当てた。
窓の外では、深淵の満潮の影響で生まれたグロームたちが、街を蹂躙し始めていた。
人々の悲鳴。砕けるガラス。轟音。
次なる絶望が、静かに、しかし確実に——この世界を覆い尽くそうとしている。
治療室の小さな窓から差し込む朝日だけが、まだ二人を優しく包んでいた。Noveliaとは?
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