青のフラッグ ~失われた未来を変えるために~
同じ夢を、三度見た。
桃真が振り返って、笑って——光が走る。そこでいつも、目が覚める。
一ノ瀬太一、高校三年生。夏休み最後の朝、彼は自分の心臓の音で飛び起きた。夢の内容ははっきりしている。幼なじみの三田桃真が、光に呑まれる夢。根拠なんて何もない。ただの夢だ。そう思い込もうとするたび、胸の奥がざわつく。
青浜市。海と山に挟まれた、静かになりつつある地方都市。太一はそこで生まれ、桃真とともに育った。小学校の頃はいつも一緒だった。遠見山を探検し、漁港で釣りをした。先頭を歩く桃真を、太一が後ろから追いかける。それが当たり前の光景だった。
けれど中学に入って、ふたりの距離は開いていく。野球部で活躍する桃真。人付き合いが苦手な太一。高校では同じクラスになったのに、桃真の周りにはいつも人がいて、太一はその輪の外側にいた。屈託のない笑顔を向けられるたび、まぶしくて、少し痛かった。
「俺は、桃真にはなれない」
何度も思ったことだ。それでも——「守らないと」。夢を見るたび、理由のわからない衝動が太一を突き動かす。
夏休み最後の登校日。野球部の練習を眺め、帰り道に古い温室の前を通