うさちゃんの裏側
兎鞠まりはボイスチェンジャーで可愛い女の子を演じるVTuber。でも中身は三十路間近の男、マリオ。今夜も配信でリスナーに毒を吐きながらスーパーチャットを稼いでいた。だが配信が終わった瞬間、その笑顔は消える。
「あー……疲れた」
隅っこでスマホをいじっているのは、幼馴染でありマネージャーのユキ。マリオの素顔を知る唯一の存在。彼女は子供の頃からずっと、彼の「本当の姿」を見守ってきた。
「お疲れさま。切り抜きがトレンド入りしてるよ。でもね、無理しすぎないでね?」
「無理なんてしてない。これは俺が選んだ道だ」
マリオは強がる。だが机の引き出しには、三年前の「ある事件」のファイルが眠っている。
深夜、仲間の配信者ラプちゃんから緊急の連絡が入る。
「マリオ、大変!アーカイブが消された!全部!」
「は?そんなわけ……本気で言ってる?」
彼の過去を知る誰かが、再び動き出した。三年前のあの日の真実――それがマリオをVTuberにした。そして「バニーハンター」という謎のアカウントが、彼の正体を暴こうとしている。
「お前は誰だ?」
「忘れた『罪』を覚えてる」
ユキはマリオを守ろうとす