黒の剣士は彼女の隣で嗤う
キリトがソードアート・オンラインから現実世界に帰還して一ヶ月。彼はまだ病院でリハビリの日々を送っていた。アスナやクラインたちが見舞いに訪れる中、そこには“絶剣”ユウキの姿もあった。彼女の病状は奇跡的に進行が止まっていた。
だが、それはあくまで少しだけ時間を買えたに過ぎない。完治ではない。だからこそユウキは、残された時間で昔からの夢だった“学校に通うこと”を叶えようと決意する。アスナが奔走し、ユウキはキリトたちと同じ学校への体験入学が決定した。
「わあっ! 学校! キリト! アスナ! すごいすごい!」
車椅子で廊下を駆け抜け、大はしゃぎのユウキ。彼女が希望した美術部への入部に、周囲は驚きを隠せない。楽しい学園生活が始まる――はずだった。
ところが、その美術部にはもう一人、血盟騎士団の元メンバーであるシリカが所属していた。そしてシリカはSAOの頃から、ずっとキリトに秘めた想いを抱き続けている。ユウキの無邪気な笑顔と、シリカの真摯な恋心が、穏やかな美術室で少しずつすれ違いはじめる。
文化祭準備に追われる放課後、疲れから発熱し倒れてしまったユウキ。アスナが病院へ連れて行こうとしたその時