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二十二歳のパティシエール、桃瀬莉子には大きな問題があった。彼女はとんでもない呪いにかかってしまったのだ――異世界の素材でしかお菓子を作れなくなってしまったのだ。 普通のイチゴで焼こうとすれば生地は溶け、普通の砂糖を使えば全てが炭になってしまう。まったく意味がわからない――でも、呪いだから仕方ない。 すべては三ヶ月前、莉子がジャンクショップで買った光るエプロンを身に着けたことから始まった。するとポータルが現れ、「ルカの世界へようこそ」という声が響き、彼女の生活は一変した。今や現実世界とルカを行き来しながら、星のように輝く蜂蜜や虹色のベリー、空気のように軽い砂糖など、魔法の素材を探し求めている。呪いは辛いが、素材は驚くほど素晴らしい。 そこで出会ったのが、銀の鎧をまとい黄金の瞳を持つ騎士、エルド・ヴァレイン。彼は莉子がルカに現れるたびに逮捕しようとする厄介な男だ。しかし、彼が彼女のお菓子を一口食べると、顔を赤らめて黙り込んでしまう。厳格な騎士でさえ魔法のお菓子には抗えないのだ。徐々に、ぎこちなくも彼は莉子を手助けし始め、莉子のルカへの旅はずっと楽しいものになっていく。 現実世界では
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