チ。 ―星を継ぐ者―
星を識ることは、禁忌とされていた。
十五世紀、動かない大地を中心に天が回る——それが教会の定めた真理。下働きの少女ヨレンタは、けれど知ってしまった。母の遺した星語辞典の余白に、公認星図と実際の空との、ほんの僅かな「ずれ」を。
夜ごと屋根裏に忍び、窓枠の傷に星を重ねて記録を続ける三年間。知りたいという渇望だけが、冷たい石造りの屋敷での孤独を支えていた。
転機は、星読みの塔に貼り出された難問だった。「惑星の逆行運動を説明せよ」——誰も解けなかったその問題に、ヨレンタはたった半日で答えを導き出す。天動説を揺るがす、あまりに単純で、あまりに美しい答えを。
だが、差し出した解答を見た司祭は言った。「女の下働きが、こんな計算をできるはずがない」と。
禁忌に触れた少女の小さな一歩は、やがて世界の常識を揺るがす渦へと繋がっていく。星と星を継ぐ者の、恋と渇望と革命の物語。
チ。 ―星を継ぐ者― - 雪解けの同志――女に何が分かる、の壁を砕く朝
雪が、解け始めていた。
異端審問所ピャスト支部の石造りの建物は、朝の光の中で黒く沈んで見えた。屋根の雪がとけ水となり、ひさしから、ぽたり、ぽたり、と落ちている。
尋問室の中は、冷え切っていた。
壁際の椅子に、バデーニが座っている。焦げ茶色の無精髭。白濁した両目。左頬から顎にかけての古い傷跡が、窓から差す薄明かりの中で、青白く浮かんでいた。
その正面に、ヴィルフリートが立っていた。
絹の上着。磨かれた革の靴。指には銀の指輪。かつて星学院でバデーニと机を並べた男は、今は教会に取り入り、異端を追う側にいた。
「バデーニ。お前が地動説の証拠となる観測記録を隠し持っていることは、分かっている」
ヴィルフリートの声は、尋問室の石壁に、やけに響いた。
「……証拠、か」
バデーニは、白濁した目を、わずかにヴィルフリートの方へ向けた。
「とぼけるな。お前の研究ノートは、私が預かっている。中身は全て確認した。惑星逆行の新解釈。地動説の数式。これが審問官の目に触れれば、お前は火刑だ」
バデーニは、黙っていた。
「だが、私は寛大だ。お前が素直に罪を認め、二人の共犯者——あの下働きの小娘と、警備組合の若造——の名を出せば、減刑を口添えしてやってもいい」
「……共犯者など、いない」
「嘘をつくな。あの小娘が、お前の計算を手伝っていたことは、もう掴んでいる。女の分際で、星の計算など。お前も落ちぶれたものだな。かつての天才が、下働きの小娘に、星の真理を語らせるとは」
ヴィルフリートの口元が、薄く笑った。
「女に、何が分かる? 星の動きが、女ごときに理解できるものか」
尋問室の隅。
控えの間へと続く小さな窓の向こうで、ヨレンタは、ぎゅっと両手を握りしめた。
(女に、何が分かる——)
その言葉が、胸の奥に、突き刺さる。
昨日の未明、彼女はノヴァクの前で、母の辞書の暗号を解き、無実の証明を差し出した。それでも、ヴィルフリートは、まだ、彼女を嘲笑う。
ヨレンタの隣で、オクジーが、琥珀色の瞳を細めた。
「……あの男、今、懐に手を入れた」
オクジーは、声を潜めた。
「何か、取り出したの?」
ヨレンタも、声を潜める。
「紙だ。折りたたまれた紙。……あれを、机の上の証拠品と、すり替えるつもりだ」
オクジーの目は、暗い控えの間からでも、尋問室の机の上を、はっきりと捉えていた。
「すり替える……? でも、どうして」
「俺の目が、見ている。あの男の指先が、机の上の紙の束を、一枚、抜き取ろうとしている。……あの紙は、本物じゃない。偽物だ。バデーニさんの無実を、地動説の証拠に、でっち上げる気だ」
ヨレンタの顔から、血の気が引いた。
(そんな……)
「……止めないと」
ヨレンタは、控えの間の扉に、手をかけた。
「待て」
オクジーが、ヨレンタの腕を、そっと掴んだ。
「俺が、行く」
「え……?」
「あんたは、昨日、もう、ノヴァクに、暗号を見せた。あんたがまた出て行っても、あの審問官は、相手にしないかもしれない。……俺の目なら、あの男の嘘を、証言できる」
オクジーの声は、低く、震えていた。
「オクジーさん……」
「……俺は、役立たずだ。今まで、ずっと、そうだった。でも、あんたが、言ってくれた。俺の目は、あんたの計算より、正確だって。……なら、今、それを使う」
オクジーは、控えの間の扉を、勢いよく開けた。
尋問室の空気が、揺れた。
ヴィルフリートが、振り返る。
「何者だ」
「……民間警備組合、代闘士、オクジー。バデーニさんの、護衛だ」
オクジーは、尋問室の中央に、足を踏み入れた。
「護衛? ふん。審問の場に、何の権限があって入ってくる」
「権限はない。だが、証言はできる」
オクジーは、ヴィルフリートの手元を、まっすぐに見据えた。
「あんた、今、懐から紙を取り出した。折りたたまれた、白い紙。それを、机の上の証拠品と、すり替えようとしている。……違うか?」
ヴィルフリートの指が、ぴくり、と止まった。
「……何を言っている。証拠品は、最初から、ここにある。私が差し出した、バデーニの研究ノートだ」
「嘘だ」
オクジーの声は、尋問室に、鋭く響いた。
「あんたの右の袖口。インクが付いている。青いインクだ。机の上の紙の束は、黒いインクで書かれている。あんたが今、懐から取り出した紙は、青いインクの紙だ。……すり替える前に、袖口に、インクが付いたんだ」
ヴィルフリートの顔が、さっと青ざめた。
「……な、なにを、根拠のないことを」
「根拠は、ある。俺の目は、あんたの嘘を見抜いてる。あんたが、机の上の紙を、一枚、抜き取る瞬間も、見ていた。あんたの指が、三枚目の紙に、触れた。それから、懐の紙と、すり替えた。……今、机の上にある、三枚目の紙は、青いインクで書かれた、偽物だ」
オクジーの言葉に、ヴィルフリートは、一歩、後ずさった。
「黙れ! お前のような、底辺の人間が、私の言葉を疑うのか!」
ヴィルフリートの声が、裏返る。
その時、尋問室の奥の扉が、ゆっくりと開いた。
黒い外套。銀の星章。
異端審問官、ノヴァクが、静かに入ってきた。
「……騒がしいな」
ノヴァクの声は、低く、温度がなかった。
「ノヴァク様! この男は、審問の場を乱す、不届き者です。すぐに、追い出してください!」
ヴィルフリートは、ノヴァクに、すがるように言った。
ノヴァクは、ヴィルフリートを、ちらりと見た。
「……お前は、黙っていろ」
ノヴァクは、オクジーに、向き直った。
「……続けろ。何を見た」
オクジーは、唾を飲み込んだ。
「……あの男は、証拠品を、すり替えた。机の上の三枚目の紙が、偽物だ。青いインクで、書かれている。……俺の目は、暗闇でも、星の位置を、言い当てられる。あの男の手の動きくらい、はっきり見える」
オクジーの声は、震えていた。
でも、目は、逸らさなかった。
ノヴァクは、しばらく、オクジーの目を、じっと見ていた。
「……面白い目だ」
ノヴァクは、机に近づき、三枚目の紙を、手に取った。
「……青いインク、か」
ノヴァクは、紙を、窓の光に透かした。
「……これは、星図の写しだな。だが、書き込まれた数字が、他の紙と、違う筆跡だ」
「そ、それは……! バデーニが、私を、陥れようとしているんです! この男と、共謀して!」
ヴィルフリートの声は、悲鳴のようだった。
「……黙れ」
ノヴァクの声は、氷のようだった。
「……ヴィルフリート。お前は、教会の名の下に、偽の証拠を、審問の場に、持ち込んだ。……その罪は、重い」
「ち、違います! 私は、ただ、教会のために、異端を……」
「異端を、でっち上げた、と言うのか?」
ノヴァクの口元が、薄く、歪んだ。
「……お前は、後で、じっくり、話を聞かせてもらう。……今は、下がれ」
ヴィルフリートは、唇を震わせ、尋問室から、出て行った。
ノヴァクは、オクジーに、向き直った。
「……お前の証言、確かに、聞いた。だが、それだけでは、バデーニの無実は、証明できん」
「……それなら」
控えの間の扉から、ヨレンタが、出てきた。
「……お前か」
ノヴァクの目が、ヨレンタを、捉えた。
「……私が、お見せします。母の辞書の暗号と、バデーニさんのノートに記された、本物の観測記録を、照合した結果を」
ヨレンタは、震える手で、一枚の紙を、ノヴァクに、差し出した。
「……この紙には、母の辞書の暗号を、解いた数列が、書かれています。そして、この数列は、バデーニさんのノートに記された、惑星の観測記録と、完全に一致します。……バデーニさんの観測は、母の暗号が指し示す、正しい星の位置を、記録していたんです」
ヨレンタの声は、震えていた。
でも、目は、まっすぐだった。
「……つまり、バデーニの観測は、お前の母の暗号と、一致する、と」
「はい。母の暗号は、星の真理を、追い求めた、証拠です。……バデーニさんは、その真理に、たどり着いた。だから、観測記録が、一致するんです」
ヨレンタは、言い切った。
ノヴァクは、紙を、じっと見ていた。
「……この数列、一晩で、解いたのか?」
「……はい」
「……面白い」
ノヴァクは、紙を、机の上に、置いた。
「……だが、これだけでは、地動説の疑いは、晴れん。お前の母の暗号も、バデーニの観測も、異端の書物から、得たものかもしれん」
「……それなら、私が、証言します」
尋問室の入り口に、フェルナンド司祭が、立っていた。
白髪交じりの灰色の髪。長い白髭。星読みの塔の主任司祭の、穏やかな薄い青灰色の瞳が、ノヴァクを、まっすぐに見ていた。
「……フェルナンド司祭。星読みの塔の、主任が、何の用だ」
「……わしは、昨日の未明、この子らと、共に、あの男——ヴィルフリートの、足跡を、追いました。そして、見たのです。あの男が、巡礼宿『白銀の星』の裏手に、裁縫箱を、埋めるのを」
フェルナンド司祭の声は、ゆっくりと、しかし、はっきりと、響いた。
「……裁縫箱、だと?」
「はい。中には、バデーニ殿の、研究ノートと、この子の、母上の、計算紙が、入っておりました。……あの男は、それを、盗み、隠し、そして今、偽の証拠を、でっち上げようとした。……わしは、それを見た」
「……司祭が、なぜ、そんなことを」
「……わしは、若い頃、星図と、実際の星の位置が、僅かに、ずれていることに、気づきました。……恐ろしゅうて、それ以上、考えないように、しました。……じゃが、この子らは、違った。恐れながらも、星の真理を、追い求めておる。……わしは、もう、目を、背けん」
フェルナンド司祭の声は、震えていた。
「……わしも、見たのです。あの男が、偽の紙を、すり替える瞬間を。……この若者の証言は、真実じゃ」
フェルナンド司祭は、オクジーを、見た。
オクジーは、小さく、頷いた。
ノヴァクは、長い、沈黙の後、ゆっくりと、口を開いた。
「……分かった」
ノヴァクは、机の上の紙の束を、まとめた。
「……異端の証拠は、不十分。バデーニは、釈放する」
ヨレンタの全身から、力が、抜けた。
(……よかった)
涙が、じわり、と滲んだ。
「……ただし、これは、終わりではない」
ノヴァクの声は、冷たかった。
「……地動説の疑いは、消えていない。……お前たちは、監視下に置かれる。……覚悟しておけ」
ノヴァクは、そう言って、尋問室を、出て行った。
バデーニが、ゆっくりと、立ち上がった。
「……ヨレンタ」
「……はい」
ヨレンタは、バデーニに、駆け寄った。
「……すまない。また、君に、迷惑を、かけた」
「……いいえ。私、バデーニさんを、失いたく、なかった。……それだけ、です」
ヨレンタは、バデーニの、冷たい手を、握った。
「……オクジー。……君の、目が、なければ、どうなっていたか」
「……別に。……俺は、あんたたちの、役に立てたなら、それで、いい」
オクジーは、ぶっきらぼうに、言った。
「……フェルナンド司祭。……あなたにも、借りが、できたな」
「……よいのじゃ。……わしも、ようやく、自分の、罪を、少しだけ、償えた気がする。……星はのう、正直なんじゃよ。……わしは、長いこと、目を、背けて、おった。……じゃが、もう、背けん。……君たちの、星を、見守らせてくれ」
フェルナンド司祭は、そう言って、白い、息を、吐いた。
四人は、異端審問所を、後にした。
外は、雪解けの、朝だった。
屋根から、とけ水が、滴り落ちる。
空は、白く、明るかった。
「……今日は、冷えるな」
オクジーが、空を、見上げた。
「……そうだな。だが、もう、春は、近い」
バデーニは、杖を、突きながら、歩き出した。
ヨレンタは、その隣を、歩いた。
(……生きてる)
(私たち、まだ、星を、見ることが、できる)
ヨレンタの胸に、じわり、と温かいものが、広がった。
観測小屋に、戻った。
雪は、まだ、屋根や、木の根元に、白く残っていた。
でも、日差しは、昨日より、少しだけ、強くなっていた。
三人は、小屋の中に入った。
「……寒いな。火を、焚こう」
オクジーは、暖炉の前に、しゃがみ込んだ。
「……ああ。頼む」
バデーニは、壁際の、いつもの場所に、腰を下ろした。
ヨレンタは、窓のそばに、立った。
「……ヨレンタ」
「……はい」
「……君は、私の、弟子だ」
バデーニの声は、静かだった。
「……弟子、ですか?」
「……いや」
バデーニは、白濁した目を、ヨレンタの、方へ向けた。
「……君は、私の、同志だ」
ヨレンタの、胸が、どきり、と鳴った。
「……同志」
「……そうだ。共に、星の真理を、追い求める、同志だ。……君は、女だから、研究を、諦めろと、言われてきた。……だが、私は、君の才能を、知っている。……君は、私と、同じ場所に、立っている」
バデーニの声は、少し、早口になっていた。
「……バデーニさん」
ヨレンタの目に、涙が、浮かんだ。
「……私、あたし、もっと、知りたい」
ヨレンタは、笑った。
涙を、拭わずに、笑った。
「……あたし、もっと、星のことを、知りたい。バデーニさんと、一緒に、もっと、計算したい。……あたし、もう、諦めない」
「……ああ。そうしろ」
バデーニの口元が、ほんの少し、緩んだ。
「……火が、点いたぞ」
オクジーが、暖炉の火を、見つめながら、言った。
「……ありがとう、オクジーさん」
ヨレンタは、オクジーの、隣に、座った。
「……別に。……それより、あんた、さっき、『あたし』って、言ったな」
「……え? あ、はい。……つい、素が、出ちゃいました」
ヨレンタは、照れたように、笑った。
「……変なやつ」
オクジーは、小さく、呟いた。
「……二人とも、うるさいぞ」
「……あ、ごめんなさい」
「……別に、謝ることじゃない」
三人は、しばらく、黙って、暖炉の火を、見つめていた。
「……なあ」
オクジーが、突然、口を開いた。
「……何だ」
「……今日、夜、晴れるか?」
「……さあな。だが、雪解けの夜は、空気が、澄んでいることが、多い」
「……そうか」
オクジーは、窓の外を、見た。
「……俺、今日、初めて、空を、見上げた」
「……え?」
「……審問所を、出た時。……空が、白くて、明るくて。……あの時、思ったんだ。……悪くないな、この世界も、って」
オクジーの声は、小さかった。
「……オクジーさん」
ヨレンタは、オクジーの、横顔を、見た。
「……俺は、ずっと、思ってた。希望は、天国にしか、ないって。……この世界は、汚いって。……でも、あんたたちと、星を、見てたら。……少しだけ、変わった。……この世界も、悪くないって、思えるようになった」
オクジーは、暖炉の火を、見つめたまま、言った。
「……それは、良いことだ」
バデーニが、静かに、言った。
「……ああ。……多分、な」
オクジーは、小さく、笑った。
ヨレンタは、その笑顔を、初めて、見た。
(……オクジーさん、笑えるんだ)
胸の奥が、温かくなった。
「……ヨレンタ」
「……はい」
「……母の辞書の、暗号。……あれは、まだ、終わっていない」
「……え?」
「……お前の母は、あの辞書に、暗号を、残した。……そして、その暗号は、地動説の証明法を、指し示している。……だが、その証明法は、まだ、完全ではない。……続きが、ある」
「……続きが、あるんですか?」
「……ああ。……お前の母は、証明の、最後の、一歩を、隠した。……どこかに、隠した。……それを、見つけなければ、地動説は、完成しない」
バデーニの声は、真剣だった。
「……どこに、隠したんでしょう」
「……分からん。……だが、暗号を、解き続ければ、分かるはずだ。……計算は、嘘をつかない。……きっと、それが、何かを知るということだ」
バデーニの口癖が、小屋の中に、響いた。
「……分かりました。……私、続きを、調べます。……母が、何を、見つけようとしていたのか。……私も、知りたい」
ヨレンタの目は、星を見る時のように、輝いていた。
「……ああ。……それでこそ、同志だ」
バデーニは、満足そうに、頷いた。
「……俺も、手伝う。……目だけは、役に立つ」
オクジーが、言った。
「……ありがとう、オクジーさん。……三人で、星を、追いましょう」
ヨレンタは、笑った。
暖炉の火が、三人の顔を、照らしていた。
小屋の外では、雪解けの水が、せせらぎとなって、流れ始めていた。
遠く、異端審問所の、窓辺。
ノヴァクは、黒い手帳を、開いていた。
「……ピャスト領・要注意」
ノヴァクは、手帳に、そう記した。
「……ヨレンタ」
彼は、その名を、書き添えた。
「……下役」
「……はい」
「……領内の監視を、強めろ。……あの三人、特に、あの小娘を、見張れ」
「……承知しました」
下役が、部屋を、出て行った。
ノヴァクは、手帳を、閉じた。
彼の口元に、薄い笑みが、浮かんだ。
「……面白い。……女が、星の真理を、追うか。……だが、その先に、何がある?」
ノヴァクは、窓の外を、見た。
雪解けの朝の光が、彼の黒い外套を、照らしていた。
「……世界は、変わらん。……血が、流れるだけだ」
彼は、そう呟いて、窓辺を、離れた。
観測小屋では、三人が、暖炉を囲んで、次の研究の、話をしていた。
彼らは、まだ、知らなかった。
自分たちが、もう、監視下に、置かれていることを。
ノヴァクの、冷たい視線が、雪解けの朝の、向こうから、彼らを、見つめていることを。
それでも、三人の心は、温かかった。
星を追う者たちの、新たな一歩が、静かに、始まっていた。Noveliaとは?
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