勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録 ――転移詩人の鎮魂歌
教室の片隅で息を潜めるように詩集を読む少年・久遠奏は、ある日図書館で見つけた古い本の力で異世界へと飛ばされてしまう。目覚めた先で彼の首に浮かんだのは、穢れた色をした「聖印」だった。聖印を持つ者は勇者として徴用される――それがこの大陸の掟。何もしていないのに罪を着せられ、彼は「懲罰勇者」として最前線の要塞へ送られることになる。殺されても蘇生され、死ぬことすら許されない使い捨ての兵士として。
同じ護送車に乗せられたのは、窃盗千件超えのドッタ、詐欺と横領の常習犯ベネティム、そして兜を被ったまま一言も発しない謎の男。そして、やたらと人懐っこい笑顔の裏に何かを隠した男ツァーヴ。犯罪者たちと共に送り込まれた先は、減員率四割という懲罰勇者9004隊だった。
詩を愛し、歌うことを奪われた少年が、言葉の力を武器に絶望の最前線を生き抜く。声なき詩が、いつか鎮魂歌となる日まで――。
勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録 ――転移詩人の鎮魂歌 - 絶望の夜、それでも歌う
夜の闇が、血の匂いを閉じ込めていた。
ミューリッド要塞の前線、崩れかけた防壁の影。懲罰勇者9004隊の陣地は、もはや「陣地」と呼べる形を保っていなかった。
石畳は砕け、あちこちから黒い煙が上がっている。イブリスの咆哮が、遠くで、いや、すぐ近くで響いた。空気が震える。
久遠奏は、自分の両手をじっと見つめていた。指先が、小刻みに震えている。泥と、誰かの血がこびりついていた。
(僕は、何もできなかった)
喉の奥が、焼けるように熱い。声を出そうとすると、かすれた空気が漏れるだけだった。
「ドッタさん……ドッタさん!」
奏の声は、戦場の騒音に飲み込まれそうなほど小さかった。
瓦礫の上に横たわる小柄な男、ドッタ・ルズラス。彼の腹部から、黒い血が絶え間なく溢れ出している。自分を庇って、瓦礫の下敷きになった民間人を助けようとした結果だった。
「う……あ……」
ドッタの唇が、意味のない言葉を漏らす。顔は土気色で、焦点の合わない目が虚空を彷徨っていた。意識は、もうほとんどない。
「ドッタさん、しっかりしてください! 僕、歌います! また、歌いますから!」
奏は、震える手でドッタの手を握った。氷のように冷たい。
「無駄だ」
低い声が、背後から降ってきた。
負傷した懲罰勇者の一人が、壁に寄りかかりながら奏を睨んでいる。右腕は肩から先がなく、包帯が真っ赤に染まっていた。
「お前の歌なんか、何の役にも立たねぇよ。ドッタはもう死ぬ。お前も、俺も、みんな死ぬんだ」
「そ、そんなこと……」
「現実を見ろ、異世界人。ここはお前の綺麗事が通じる場所じゃねぇんだよ」
男の言葉が、錆びた刃のように奏の胸に突き刺さる。
その時、金属が擦れる不快な音がした。
「……まだ、死ぬな」
奏は顔を上げた。
大柄な体躯の戦士、タツヤが、片膝をついていた。彼のトレードマークである錆びた兜は、大きくひしゃげて割れている。彼は必死に、兜の破片を頭部に押し当てていた。失われた後頭部から、中身が零れ落ちないように。
その姿は、あまりにも異様で、痛々しかった。
「タツヤさん……!」
タツヤは、残った方の腕で、巨大な戦斧を杖のようにして立ち上がろうとする。だが、深手を負った体は言うことを聞かない。
「……う、あ……」
彼は、言葉を発せない。ただ、低いうめき声を上げながら、それでも前へ進もうとしている。
奏の胸が、締め付けられるように痛んだ。
(タツヤさんは、あんなになっても、まだ戦おうとしてる)
(なのに、僕は……)
「ザイロさんは……ザイロさんはどこですか?」
奏は、縋るような気持ちで周囲を見渡した。
「ザイロ隊長なら、さっきまで前線で指揮を執ってたが……今はどうだか」
男は、血を吐き捨てるように言った。
「イブリスの再生の霧が、また濃くなってやがる。あれじゃあ、いくら倒してもきりがねぇ」
その言葉に、奏は遠くの戦場を見つめた。
黒い霧が、うねりながら空を覆っている。その中心に、二本の湾曲した角を持つ巨人の影。体高は十二メートル。黒曜石のような皮膚が、月明かりを鈍く反射する。
魔王現象十五号、イブリス。
何度倒しても、数時間で甦る。再生の霧を纏い、その巨体は、要塞を嘲笑うかのように悠然と立っていた。
「……っ」
奏は、足がすくんだ。
あれに、勝てるはずがない。
その時だった。
「おい、どこ行くんだよ」
陽気な、しかしどこか鋭さを含んだ声がした。
振り返ると、軽装の男、ベネティム・レオプールが、音を立てないように後退しているところだった。彼は、装備の一部を脱ぎ捨て、身軽な格好になっている。
「ベネティムさん……?」
「あー、いや、これはだな……」
ベネティムは、ヘラヘラと笑おうとしたが、顔が引きつっている。
「ちょっと、その、後方の状況を確認しに……」
「後方? 後方に何かあるんすか? 援軍でも来たんすか?」
ツァーヴが、魔導式ライフルを肩に担いだまま、ベネティムの進路を塞ぐように立った。彼の口元は笑っているが、目は笑っていない。
「いや、それがまだで……」
「じゃあ、どこ行くんすか?」
「ち、違うんだ! 俺は別に、逃げようとしてるわけじゃ……!」
ベネティムの声が、裏返った。
「逃げようとしてるようにしか見えねぇっすけど」
「お前には関係ないだろ! 俺は、俺のやり方で生き残るんだよ! こんなところで、犬死にするわけにはいかないんだ!」
ベネティムは、半ば叫ぶように言った。
「ベネティムさん!!」
奏の声が、戦場の空気を裂いた。
自分でも驚くほど、大きな声だった。
ベネティムが、びくりと体を震わせて振り返る。
「お願いです……行かないでください……!」
奏は、涙でぐしゃぐしゃの顔で、ベネティムを見つめた。
「みんな、死にそうなんです……! ドッタさんも、タツヤさんも……! お願いです、一人にしないで……!」
奏の声は、震えていた。情けなくて、みっともなくて、でも、必死だった。
ベネティムは、しばらく奏の顔をじっと見ていた。
「……ちっ」
彼は、小さく舌打ちをした。
「分かったよ。分かったから、そんな泣きそうな顔すんな」
ベネティムは、脱ぎ捨てた装備を、乱暴に拾い上げた。
「俺は、後方の支援に回る。お前らが死ぬのを見届けるためにな」
彼は、そう言い残すと、足早に物陰へと消えていった。
奏は、安堵と、それ以上の苦い感情に、胸を掻きむしられた。
(ベネティムさんは、本当は逃げたかったはずだ)
(それでも、僕の声で、足を止めてくれた)
(僕の声に、意味はあるのかもしれない)
(でも……)
――ドゴォォォン!!
突如、耳をつんざくような轟音が響いた。
地面が揺れる。
奏は、たまらずその場にしゃがみ込んだ。
「な、なに……!?」
「イブリスだ! 城壁をやった!」
見ると、要塞の城壁の一部が、完全に崩れ落ちていた。
イブリスの剛腕が、厚い石壁を粉々に砕いたのだ。
崩落した瓦礫の下から、無数の悲鳴と、助けを求める声が聞こえる。
「た、助けてくれ……!」
「誰か……! ここに、子どもが……!」
民間人たちの、絶望的な叫び。
「そっちは……!」
奏は、ふらふらと立ち上がった。
足が、瓦礫の山へと向かっていく。
「おい、よせ! 死ぬぞ!」
男の制止も聞こえない。
奏は、崩れた城壁のそばに駆け寄った。
そして、見てしまった。
――幼い子どもを、胸に抱きしめたまま、息絶えた母親の姿を。
母親の背中は、巨大な岩に押しつぶされていた。だが、彼女の腕の中の子どもは、まだ、かすかに動いている。
「あ……ああ……」
奏の口から、意味のない声が漏れた。
母親の顔は、苦痛に歪んでいた。だが、その目は、我が子を見つめたまま、開かれていた。
(この人は、最後まで、この子を守ろうとした)
(なのに、僕は……)
奏は、母親の遺体から、子どもを引き離そうとした。
だが、母親の腕は、死後硬直で、子どもの体に食い込んでいた。
「う……うぅ……」
奏は、泣きながら、母親の指を一本一本、引き剥がしていく。
冷たい。硬い。
死の感触だった。
ようやく、子どもを抱き上げる。
まだ、息がある。
「大丈夫……大丈夫です……!」
奏は、子どもを胸に抱きしめ、瓦礫の山から離れようとした。
その時だった。
「お前、何やってる」
低く、地を這うような声。
振り返ると、ザイロ・フォルバーツが立っていた。
黒に近い焦げ茶の短髪は乱れ、左頬の古い傷が、返り血で赤く染まっている。無精髭の下の唇は、引き結ばれていた。鋭い琥珀色の瞳が、奏を射抜く。
満身創痍、という言葉が、これほど似合う男もいない。
彼の鎧は砕け、左肩は深く斬られ、右手の指は数本が折れ曲がっていた。
それでも、ザイロは立っていた。
「ザイロさん……この子が……!」
「分かってる。早く、治療院へ連れて行け」
「でも、僕は……」
「お前の歌は、何の役にも立たない」
先ほどの男が、また、憎悪のこもった声を叩きつけた。
「そのガキも、どうせ助からねぇ。無駄なことをすんな」
「黙れ」
ザイロが、短く言った。
男は、一瞬ひるんだが、それでも続けた。
「何が黙れだ! 現実を見ろ! 俺たちは見捨てられたんだ! 援軍は来ない! イブリスは死なない! こんな場所で、歌なんか歌ってる場合か!」
「黙れと言ってるんだ」
ザイロの声が、一段と低くなった。
殺気が、空気を張り詰めさせる。
男は、ようやく口を閉ざした。
「……奏」
ザイロは、奏の方を向いた。
「お前は、そのガキを連れて行け。そして、できることをやれ。それ以外は、考えるな」
「……はい」
奏は、涙をぬぐい、子どもを抱きしめたまま、治療院の方へと走り出した。
(できることを、やれ)
(僕にできることって、なんだ)
(歌うことしか、できないのに)
(でも、その歌は、役に立たないって……)
奏の心は、粉々に砕け散っていた。
―――
治療院は、地獄だった。
床には、血の海が広がり、負傷者たちのうめき声が、壁に反響している。
奏は、子どもを空いているベッドに寝かせた。
「すみません……この子を……!」
しかし、誰も、奏の声に応える余裕がない。
医者も、看護師も、全員が負傷者の治療に追われていた。
奏は、自分が何もできないことに、改めて打ちのめされた。
(僕は、邪魔なだけだ)
(歌しか能がないのに、その歌も、役に立たない)
(こんな場所に、いる意味なんてない)
奏は、治療院の外に出た。
夜空は、イブリスの再生の霧で、不気味な紫色に染まっていた。
奏は、壁際に座り込んだ。
ポケットから、革表紙の手帳を取り出す。
詩を書き留めるための、大切な手帳。
そして、もう一冊。
古い詩集。
――『レゾナンス』。
奏を、この世界に連れてきた、すべての始まりの本。
(開こう)
(開いて、歌おう)
(そうすれば、何かが変わるかもしれない)
奏は、詩集の表紙に指をかけた。
だが、開けなかった。
指が、震えて、言うことを聞かない。
(開けない)
(開くのが、怖い)
(歌うのが、怖い)
(だって、何の役にも立たないから)
奏の目から、涙が、ぼろぼろとこぼれ落ちた。
「……うぅ……」
声にならない嗚咽が、喉から漏れる。
詩集を胸に抱きしめ、奏は、ただ、泣き続けた。
―――
「……奏」
どれだけの時間が経っただろう。
ザイロが、奏の前に立っていた。
彼の肩で、息をしている。
「ザイロ、さん……」
「ドッタが、お前を呼んでる」
「……え?」
「意識を取り戻した。話があるらしい」
奏は、ふらふらと立ち上がった。
二人は、ドッタの元へと向かった。
―――
ドッタは、相変わらず、瓦礫の上に横たわっていた。
だが、彼の目は、かすかに開かれていた。
「……奏、か?」
「ドッタさん……! 僕です!」
奏は、ドッタのそばに駆け寄り、その手を握った。
「よかった……意識が戻って……」
「……ああ、まだ、死ねねぇわ」
ドッタは、血の混じった笑みを浮かべた。
「それより……これ、持ってけ」
ドッタは、震える手で、懐から小さな機械を取り出した。
「これは……?」
「イブリスの、通信機だ」
「通信機……?」
「俺が、斥候時代に、盗み出した……。イブリスの、声が、記録されてる」
ドッタは、苦しそうに咳き込みながら、続けた。
「解析、したんだ。そしたら……イブリスの弱点が、分かった」
「弱点……!?」
奏の心臓が、跳ねた。
「特定の、音律……。歌で、封じられる」
「歌で……封じる……」
奏は、自分の耳を疑った。
「記録に残ってる、成功例は、数件だけ……。でも、間違いねぇ」
ドッタの言葉に、その場にいた全員が、沈黙した。
ザイロも、ツァーヴも、タツヤも、ベネティムも。
そして、奏も。
(歌で、封じられる)
(僕の歌で、イブリスを倒せるかもしれない)
(でも、成功例は、数件だけ)
(ほとんど、失敗してる)
(失敗したら、どうなる?)
(みんな、死ぬ)
(僕の歌が、足りなかったせいで、みんなが死ぬ)
奏の体が、再び、震え始めた。
「……できません」
奏の口から、自然と、拒絶の言葉が漏れた。
「僕には……無理です……」
奏は、涙を流しながら、その場に座り込んだ。
「成功例が、数件だけって……そんなの、無理に決まってる……。僕の歌なんかで、できるわけない……。だって、僕の歌は、何の役にも立たないって……!」
奏は、頭を抱えた。
「失敗したら、みんなが死ぬ……。僕のせいで……。怖い……。歌うのが、怖い……!」
奏の嗚咽が、静かな戦場に響いた。
誰も、何も言えなかった。
――その時だった。
空気が、変わった。
温かい風が、戦場に吹き抜ける。
奏は、顔を上げた。
そこに、立っていた。
雪のような白い肌。炎のような金髪。燃えるような赤い瞳。
剣の女神、テオリッタ。
彼女の髪の先から、小さな火花が、パチパチと散っている。
「いい加減にしなさい」
テオリッタの声は、鈴を転がすような美しさの中に、鋭い剣のような怒りを含んでいた。
「テオリッタ、様……」
「お前は、いつまで、そこで泣いているつもりだ」
テオリッタは、奏の前に立ち、真っ直ぐに彼を見下ろした。
「お前の歌は、役に立たないと、誰が決めた? あの男か? それとも、お前自身か?」
「でも……でも、成功例は、数件だけって……」
「だから何だ。成功例があるということは、成功する可能性があるということだ。それだけで十分であろう」
テオリッタは、きっぱりと言い放った。
「お前の歌は、確かに、あの盗人を生かした。今も、生かし続けている。それは、紛れもない事実だ」
テオリッタは、ドッタの方を一瞥した。
「お前の歌は、私の心を動かした。剣の女神であるこの私をだ。それは、奇跡に近いことなのだぞ」
テオリッタは、奏の前にしゃがみ込んだ。
「歌いなさい。お前の歌で、この戦いを終わらせるのだ。私が、お前の声を支える。お前の歌が、世界を変える」
テオリッタの手が、奏の頭に触れた。
温かい。
女神の体温が、奏の凍りついた心に、じわりと染み込んでいく。
「……奏」
今度は、ザイロが口を開いた。
彼は、満身創痍の体で、奏の肩を掴んだ。
「死ぬな。お前の歌、俺が聞きたいんだ」
ザイロの声は、かすれていた。
だが、その言葉は、奏の胸の奥底に、真っ直ぐに届いた。
「ザイロ、さん……」
「お前の歌は、俺を、詩人になりたかった頃の気持ちにさせた。言葉には、力がある。誰かを生かす力が。だから、歌え。俺のためじゃねぇ。お前の、その歌を信じる者のために」
奏は、涙を拭った。
手のひらで、何度も、何度も、拭った。
(怖い)
(それでも)
(ザイロさんが、聞きたいと言ってくれた)
(テオリッタ様が、支えると言ってくれた)
(ドッタさんが、弱点を見つけてくれた)
(みんなが、僕を、信じてくれている)
(だから……)
奏は、震える足で、立ち上がった。
膝が、笑っている。
それでも、立った。
「……歌います」
奏は、古い詩集を、胸の前に抱えた。
「僕は……歌います。仲間の死を、恐れながら。それでも、僕の歌で、みんなを守るために」
奏は、深く息を吸い込んだ。
そして、口を開いた。
――その瞬間だった。
奏の首の聖印が、かつてないほど強く、光り輝いた。
眩い光が、夜の闇を切り裂く。
テオリッタの髪から、無数の火花が、まるで祝福するかのように舞い散った。
遠くで、イブリスの巨体が、わずかに揺らいだ。
再生の霧が、不安定に揺らめく。
「行くぞ、お前ら! あの歌を、最後まで歌わせろ!」
ザイロが、吼えた。
彼の両手足に刻まれた雷撃の聖印が、青白い光を放つ。
「了解っす、兄貴! 狙撃、再開します!」
ツァーヴが、魔導式ライフルを構え直す。
「……う、ああ!」
タツヤが、残った片腕で、戦斧を振り上げる。
ベネティムは、物陰から、祈るような目で、奏を見つめていた。
奏の最初の一節が、戦場に響き渡った。
それは、震える声だった。
しかし、確かに、歌だった。
――風よ、吹け。
――この胸の、痛みごと。
――運んでおくれ。
――遠い、遠い、空の果てへ。
奏の歌が、イブリスの咆哮と、戦場の喧騒を、少しずつ、塗り替えていく。
イブリスの動きが、明らかに鈍くなった。
再生の霧が、薄れていく。
「効いてる……! 効いてるぞ!」
ベネティムが、声を上げた。
「まだだ! まだ、足りねぇ! もっとだ、奏! もっと、歌え!」
ザイロが、叫ぶ。
奏は、歌い続けた。
涙が、頬を伝う。
怖い。
それでも、歌う。
仲間の死を、恐れながら。
それでも、歌う。
みんなを、守るために。
――闇よ、明けろ。
――この声が、届くなら。
――どうか、彼の者に。
――最後の、光を。
奏の歌声が、夜空の果てまで、響き渡っていった。Noveliaとは?
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