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剣と魔法が支配する大陸。人間の王都アルテミスは、魔女との守護契約によって外敵から守られている。魔女は人間や他種族には殺せない――同族の魔女にしか。だが、原初の魔女テレシアだけは例外だった。彼女が生み出した魔女は、誰一人として彼女を傷つけられない。 白の魔女シエラは二十歳。人間側についた、頑固で折れない守護者だ。ある夜、王都に近づく底知れない気配を感じ、シエラは単身で対峙する。相手は原初の魔女テレシア。シエラは知る限りの呪文をすべて解放し、全力で殺しにかかる。 しかしテレシアは、自分が生み出した魔女には傷つけられない。シエラの攻撃は届かない。絶望が胸を貫く。それでも彼女は、テレシアに刃を向け続けると宣言する。 ここまで読者は、シエラが主人公だと思う。だが第二話で視点はテレシアへ移る。本当の主軸は、王都に散歩に来ただけの原初の魔女なのだ。 無邪気な少女の姿で、テレシアは王都に降り立つ。使い魔のロードが丁寧な言葉で仕える。市場で人間の子供たちにお菓子を分け、パンの値段を交渉し、大道芸人に拍手を送る。彼女の種族にとって人間はおもちゃか駒程度に過ぎないが、その散歩は驚くほど穏やかだ。
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