異世界娼館で生きる
異世界娼館で生きる
サキは日本の平凡な学生だったが、気がつくと異世界の奇妙な森の中で目を覚ました。状況を理解する間もなく、盗賊に襲われ、集団で犯された。泣き叫び、意識を失った。再び目を開けると、奴隷商人のガロンが彼女を見つけ、「また商品が手に入った」と笑っていた。首には奴隷の刻印が焼き付けられ、逃げ道はなかった。
移送中、ガロンは何日もサキを飢えさせた。パン屋の前で空腹に耐えかね、パンを乞うと、店主は「金か、体か」と言った。飢えが羞恥心を押しつぶした。店の裏で、一斤のパンのために彼に口で奉仕した。自らの意思で堕ちたのは、それが初めてだった。
続いてガロンの「調教期間」が始まった。荷馬車や宿屋で、彼はサキの体を使い、この世界の性的技巧と魔法の媚薬を教え込んだ。「これで高く売れる」と言いながら、何度も彼女を犯した。抵抗する意思は消え失せた。
町では、荒くれの冒険者たちが市場でサキに目をつけた。ガロンは止めもせず、彼らはサキを路地に引きずり込み、集団で犯した。その後、ガロンはただ「この世界では普通のことだ」と言った。
サキは高級娼館「月光亭」に売られた。先輩の娼婦カミラは冷たかった
異世界娼館で生きる - 転落の始まり ― 普通の少女が死んだ日
冷たい。
背中が土に触れている。
サキは目を開けた。見えるのは暗い空と、木々の枝。そして、青白く光る苔。
ゆっくりと体を起こす。制服の白いシャツが汚れている。黒いスラックスも土だらけだ。ポケットを探る。スマホがない。財布もない。
「[whispers]ここ……どこ」
自分の声が、あまりに小さくて怖くなった。
周りは深い森だ。見たこともない太さの木が、どこまでも続いている。空気はひんやりとして、土と草の匂いがする。地面には青白い光を放つ苔があちこちに広がっていた。まるで星のかけらが落ちてきたみたいに、それが森全体をぼんやりと照らしている。
立ち上がる。足が震えた。
最後に覚えているのは、自室のベッドで寝転びながら動画を見ていたことだ。変な広告が流れて、うざいな、と思って閉じた。それから——。
記憶が途切れている。
「[scared]誰か……誰かいませんか!」
声を張り上げた。返事はない。もう一度叫ぶ。すると遠くで物音がした気がして、サキはそちらに走り出した。
助かる。そう思った。
でも、あの時の私は、まだ何もわかっていなかったんだ。
——
茂みから現れたのは、二人の男だった。
ボロボロの革鎧を着ている。一人は片手にランタン、もう一人は腰に剣。顔は垢と無精髭で薄汚れていた。目だけがぎらぎらと光っている。
「お? 女か?」
「いい拾い物だな」
ランタンを持つ男が、サキの顔を覗き込む。腐った果物みたいな息が臭かった。
「[scared]あ、あの、助けてください。私、気がついたらここにいて……」
男たちは顔を見合わせた。ニヤリと笑う。
「言葉はわかるな。どこの生まれか知らねえが」
「ま、どっちでもいい。捕まえろ」
次の瞬間、サキの腕を強い力で掴まれた。
「[crying]やめて! 離して!」
抵抗した。蹴りを入れようとした。でも男の力は強くて、あっという間に片腕を背中に捻り上げられた。肩が外れそうな痛みが走る。
「暴れるなよ。折れちまうぜ」
「キャンプへ連れてくぞ。親分に報告だ」
サキは引きずられるように森の中を進んだ。口を塞がれて、叫ぶこともできない。ただ、地面を蹴るだけだ。目の前にある青白い苔が、やけに綺麗で、でもそれがかえってこの状況の怖さを引き立てた。
——
しばらくして、焚き火の明かりが見えた。
木々の間に、十数人の男たちがいる。焚き火の周りに座り込んで、何かを焼いたり、酒を飲んだりしている。サキが連れてこられると、全員の視線が一斉に彼女に集まった。
「おお、なんだこりゃ」
「生きのいい嬢ちゃんじゃねえか」
「どっから捕まえた?」
ゲラゲラと笑い声が上がる。サキは焚き火のそばに放り出されるように転がされた。土と灰が顔につく。
顔を上げると、一人の男が近づいてきた。
他の連中より、少し背が高い。顔の左半分に、大きな傷跡がある。そして右手——いや、違う。右手の代わりに、ぎらりと光る鉤爪状の金属の義手がついていた。
「こいつ、ヴェルデンの森の近くで叫んでた」
ランタンの男が報告する。鉤爪の男——ダガンは、しゃがみこんでサキの顔をじっくりと見た。まるで商品を品定めするような目つきだった。
「へえ、珍しい顔立ちだな」
ダガンの左手が、サキのあごをぐいと持ち上げた。
「今夜は楽しめそうだ」
男たちが再び笑った。その笑い声の意味を、サキはすぐに理解することになる。
「[crying]お願い、やめて……元の世界に、帰りたいの……」
懇願した。でも、ダガンは首をかしげるだけだ。
「元の世界? まあ、どこだか知らねえがな。ここはイグニスヴェイルってんだ。あんたがどこから来ようと、もう関係ねえよ」
イグニスヴェイル。
初めて聞く言葉だった。
サキの腕を、複数の男が掴む。地面に押し倒される。
「[sad]やめてっ、離してっ!」
叫んだ。誰か来てくれ、そう願った。でも警察も、救急車も来ない。ここにはそんなもの、ないんだ。
ダガンがサキの上に跨った。服を引き裂かれる感触。冷たい空気が肌に触れる。胸が露出した。おっぱいが夜の空気に晒される。
「いい身体してるじゃねえか」
男の一人が言い、固く勃起したペニスを取り出した。周りの男たちも次々に同じ行動をとる。焚き火の明かりに照らされた、ギラギラと嫌らしく光る男性器の数々。
サキは泣き叫んだ。足をばたつかせ、腕を振り回す。でも二人がかりで押さえつけられて、全然動けない。ダガンの鉤爪が、彼女の頬をなぞった。ひんやりとした金属が怖い。
「大人しくしろ。痛い目に遭いたくなければな」
低い声が、鼓膜に響く。
そして、最初の一人がサキの足を開かせた。まだ誰にも見せたことのない、清らかな秘所が、無理やり露わにされる。乾いた膣に、男の指が無造作に入り込んだ。
「[crying]いやぁっ! 痛いっ!」
指が動く。グチョグチョと無理やりかき回すように。痛い。痛いだけだった。でも男は気にしない。すぐに指を抜き、自分のペニスをサキの入り口に押し当てた。
「入れるぜ」
その一言だけで、腰を一気に突き入れた。
「ああっ——!」
声にならない悲鳴。体が引き裂かれるかと思った。処女膜が破れる嫌な感触と、焼けるような激痛。男は容赦なくピストン運動を始める。乾いた膣の中で、太いちんこが擦れる度に、耐え難い痛みが走る。
「きっついな、たまんねえ」
男が腰を振るたびに、サキの身体が揺れる。涙で視界が歪む。痛い。助けて。誰か。
でも助けは来ない。
男が一人終わると、次。次が終わると、また次。サキのまんこは、精液でどろどろに汚れていた。白濁液が太腿を伝って落ちる。何度も何度も奥を突かれて、膣内で彼らは好き放題にイった。
口にも入れられた。ペニスをしゃぶらされ、喉の奥に直接ザーメンを流し込まれる。生臭い味と、吐きそうな感触。咳き込むが、それも男たちの笑いの種にしかならなかった。
ダガンが三番目だった。
彼の鉤爪がサキの脇腹を傷つけないように、左手で包み込むようにして、ゆっくりと挿入してくる。他の男たちよりは丁寧だった。でも、それでも痛い。
「こいつ、泣きながら感じてやがる」
ダガンが笑った。違う。感じてなんかない。ただ痛いだけだ。でも声にならない。ただ、喘ぎ声と嗚咽だけが、森の中に消えていった。
どれくらい時間が経っただろう。サキはもう、抵抗する気力すら失っていた。男たちは全員、満足そうに彼女から離れていく。サキの体は痣と傷、そして大量の精液で覆われている。
空を見上げた。
星が綺麗だった。日本の夜空と、少しだけ星座が違う気がする。
(こんな場所で、終わるんだ)
目を閉じる間際、最後に見えたのはダガンの鉤爪だった。焚き火の明かりを反射して、ぎらりと光る。その映像が、網膜に焼き付いたまま、サキの意識は闇に沈んだ。
——
ガタガタと、揺れる感覚。
サキは目を覚ました。
見えるのは、粗末な木の天井。荷台に乗せられているようだ。馬の蹄の音と、車輪の回る音が聞こえる。
体が重い。というより、痛くて動かせない。
「お、目を覚ましたか」
男の声。サキはゆっくりと顔を向けた。荷台の横、御者台に座っているのは、肥満体の中年男性だ。よれた服を着て、腹が出ている。人の良さそうな顔だが、目は値踏みするように細められていた。
「[whispers]あ、あなたは……」
「俺はガロン。奴隷商人だ」
奴隷。どれいしょうにん。
言葉の意味を、サキはすぐに理解できなかった。
「[scared]ど、奴隷……? 違います、私は日本から来た、ただの学生で……」
「日本? 知らねえなあ。まあいい、あんたは俺が拾った。道端で倒れてたからな。顔も綺麗だし、ちゃんと傷さえ治せば高く売れる」
ガロンは笑顔で言った。
悪意が、全くない。
ただ商品を見るように、サイズと品質を確かめるだけの目だった。それがかえって怖い。暴力よりも、もっと、深いところで。
「傷物になると値が下がるからな。ちゃんと手当てしとかないと損だ」
そう言ってガロンは、サキの打ち身に湿布を貼り始めた。優しい手つきなのに、その言葉は「商品の品質管理」だった。サキのことが心配なんじゃない。お金の話しかしていない。
混乱した。頭がついていかない。
「あの……警察は? 助けを呼んでください……」
「警察? 衛兵のことか? ははっ、お前みたいな奴隷のために動くわけないだろ。ここは自由交易特区マルケンハーフェンの近くでな、奴隷は動産扱いだ」
マルケンハーフェン。自由交易特区。どの言葉も、サキには意味不明だった。
荷馬車はやがて止まった。ガロンが御者台から降り、誰かを呼ぶ。
「おう、刻印師。いいからさっさとやってくれ。次に急ぐ」
荷台に乗り込んできたのは、黒いローブを着た老人だった。痩せこけて、指先が不気味に長い。手に銀色の小さな瓶と、細い筆を持っている。
「動くな。じきに終わる」
老人が瓶の蓋を開けると、中から青みがかった銀色のインクが現れた。魔力を帯びているのが、見ただけでわかる。空気がピリピリと震えるような感覚。
「[scared]な、なにをするの! やめて!」
サキは必死に手足をばたつかせた。でもガロンが無言で腕を押さえつける。
「動くと痛いぞ。奴隷刻印ってやつだ。俺の石板と魔法でな、繋がってる。お前が俺から100メートル以上離れようとしたらな——首に激痛が走る。俺を傷つけようとしても同じだ。無理に外そうとしたら、首の血管が破裂して死ぬ」
淡々と、商品説明のようにガロンは言った。
老人の筆が、サキの首筋に触れる。冷たいインクが、皮膚の上で滑る。複雑な紋様が、少しずつ描かれていく。怖い。死ぬほど怖かった。
だが、数分でそれは終わった。
老人が詠唱を始める。聞いたことのない言語が、低く響く。次の瞬間、サキの首に焼けるような熱が走った。
「ああああっ——!」
悲鳴を上げた。首の皮膚の上で、刻印がうっすらと赤く光る。内側から焼かれるような激痛が数秒続き、そして急に消えた。
「よし、効いてるな。試すぞ」
ガロンは石板を取り出し、馬車から降りた。どんどん遠ざかっていく。10メートル、20メートル……50メートルくらい離れたところで、首に鋭い痛みが走った。
「痛っ……! や、やめて……」
「ああ、ちゃんと効いてる。よかったよかった」
ガロンは満足そうに戻ってくる。
サキは荷台に座り込んだまま、首に手を当てた。指先に、うっすらと浮き出た刻印の感触がある。もう、逃げられない。体の中心から、冷たい何かがじわじわと広がっていくようだった。
——
再び馬車が動き出す。
ガロンは御者台で、鼻歌まじりにサキへ話しかけてきた。
「これから向かうのはマルケンハーフェンだ。大陸西部最大の商業都市でな、自由交易特区に指定されてる。奴隷制度が完全に合法の場所だ」
「[cold]合法……?」
「そうだ。約180年前にできた法律でな。奴隷は人間じゃなくて、動産——つまり物品扱いだ。あんたが誰かに暴行されても、相手は俺に賠償金を払えば罪に問われない」
サキは言葉を失った。
「それで、行き先だがな。月下の館って高級娼館に売る予定だ。あそこはいい。あんたみたいな若い奴なら、裏メニューで人気が出るかもな」
娼館。高級。裏メニュー。
知りたくもない単語ばかりが、頭に飛び込んでくる。
「[sad]警察に……大使館に連絡を……」
「だから、なんだそれ。わからん。まあ無理だな。元の世界の常識なんて、ここじゃ通じねえよ」
ガロンは首をかしげた。
サキは理解した。もう、ここには味方が一人もいない。泣き叫んでも意味がない。誰も助けに来てくれない。
(私は、日本に、帰れないんだ)
(親にも、友達にも、もう会えないんだ)
荷台の床に染みがある。何の染みか、考えたくなかった。ただ、目を離せなくなった。
その時、脳裏に浮かんだのは、あの焚き火の明かり。ダガンの鉤爪。笑いながら自分を犯した男たちの顔。
腹の底から、どろりとした熱いものが込み上げてきた。
憎しみだ。
今まで感じたことのない、真っ黒で、熱くて、冷たい感情。
(いつか、殺してやる)
(あいつらを、全員、殺してやる)
それが、この地獄で唯一、サキの中に残った熱だった。逃げ場のない絶望の中で、憎しみだけが、かろうじて彼女を生かしていた。